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予定を守るためのヒントとアイデア
仕事における“椎間板”
現在進めているある連載記事の仕事では、1つの原稿を完成させるまでに2つの締め切りがあります。1つめの締め切りで求められる成果物はその原稿で書こうとしている内容についての箇条書きメモ、2つめの締め切りでは完成原稿、です。 原稿1本を書くのにかかる時間はだいたい見えているのですが、仮に必要な時間が確保できていたとしても筆が進まないことがあります。「完了させなくても良い仕事」で以下のように書いた通り、 鬼門である「取っ掛かり」をクリアする上では「やらなくては」という追っ手が迫ってくる前に、先行スタートを切れた方が“レース”を有利に運ぶことができます。 まだ余裕があるうちに「どれどれ」という感じで仕事を“つまみ食い”してみることで“下見”ができます。 書き始めるうえでの「取っ掛かり」がカギになるわけです。 -
タスク管理
完了させなくても良い仕事
前回、前々回と作業記録をインスタントメッセンジャー(IM)でつけてみる話を書いてきましたが、このようにIMに走り書きするという行為は、要するにどういうことなのか、を考えてみます。 -
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作業記録を仕事に活かす
前回の「作業記録をIMでつけてみる」の続きです。 今回はインスタントメッセンジャー(IM)を使って残した作業記録をどのように活かすかについて考えてみます。 -
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作業記録をIMでつけてみる
作業記録についてはこれまでもいろいろと書いてきましたが、ひとくちに作業記録と言っても以下の2種類があるのではないかと思っています。 1.何をどれくらいの時間でやったかという定量的な記録 2.やりながら感じたことや思ったことなどの定性的な記録 どんな作業にどれぐらいの時間がかかったのかというデジタルな情報も後日同じような作業をする際に時間の見積もりをする上で役に立つのですが、これと並んで作業をやってみた感想や考察といったアナログな情報も意外と参考になります。 -
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評論家と研究家
例えば、「時事問題評論家」と名乗るより「時事問題研究家」と名乗る。評論家と名乗ると、周囲からは評論できるネタを持っていることが期待されますが、研究家であれば「研究中です」と言ってかわすことができます。 自分が普段やっていることが評論なのか研究なのかを見極めたうえでどちらを名乗るのがよりふさわしいかを決めるわけですが、それ以上に名乗った時に周囲に与えるイメージも視野に入れておかなければ自分が打ち出したいイメージがうまく伝わらないことになります。 前回まで数回にわたって「自分のキャッチフレーズを作ること」についてあれこれ書いてきましたが、自分で作ってみる前に、世の中のキャッチフレーズを観察してみます。 -
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自分のキャッチフレーズを作る
以前、「自分のことというのは自分が思っているほど人には伝わっていないもの」ということで、自分のキャッチフレーズを改めて考えるべく、 例えば、IT業界ではない方にもわかりやすい自己紹介の仕方とか、70代の方にもすぐに理解してもらえるキャッチフレーズとか、考える材料はたくさんありそうです。 などと書きました。 キャッチフレーズを考える上では、自分が見せたいものではなく人が見たい(であろう)もの、あるいは自分が思っている自分ではなく人から見られている(であろう)自分をうまく表現できているかが大切だと思います。 -
とらえなおす
「だから楽しいじゃないですか、仕事って」
趣味でも仕事でも、およそ「続けてなんぼ」と言われるものに共通して、「飽き」をいかに乗り越えるか、という課題があります。 人には学習能力があるので、実際にやってみなくてもある程度の予想がつき「やるまでもない」と見切ることができます。反面、実際にやってみたら予想外の結果が得られて「やってみてよかった」という学習をします。 雑誌「ゲーテ」の8月号を読んでいたら、タグボートのCMプランナー・多田琢氏の以下の言葉が目に留まりました。 うまくいけば面白いんだけど、下手したら大失敗になるかもしれないっていうときに、ものすごく注意深く作業すると、それは必ず面白いものになる。だから楽しいじゃないですか、仕事って。うまくいった! って喜ぶことは、うまくいかないかもしれなかったこと、だから。 -
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仕事のおいしさを考える
たまに宅配ピザを食べます。でも1人で注文すると、Mサイズであっても一度に食べきれないので残りは後で食べることになります。 当然ですが、後で食べる時の味は届いた直後に食べる時よりも味や食感がガクッと落ちます。もはやクラストにクリスピーな歯ごたえはなく、食材とオイルが分離し、全体的にべちょっとした感じになります。 レンジで温めても、味は蘇るものの、届いた直後のフレッシュさは戻りません。 -
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けたたましい音で叩き起こされるより心地よい音で目覚めたい
毎朝起きる時に目覚まし時計代わりに携帯電話のアラーム機能を使っています。5種類の時刻を設定できるため、朝起きる時、仮眠を取る時など複数の時刻をセットしています。 「目覚まし(時計など)」の重要な役割として、単に音を鳴らして人を起こすだけでなく、止められてもめげずに鳴り続けて、主人の二度寝による“災害”を未然に防ぐことが挙げられます。このミッションを遂行するために、巷の目覚まし時計には、 ・けたたましい音 ・ステップトーン ・しつこいスヌーズ といった機能が搭載されています。 ただ、音が大きいのは近所迷惑が心配です。必ずしも大きな音や耳障りな音でなくても、心地よい音でも目覚めることはできるでしょう(人によるかもしれませんが…)。でも、目が覚めなければアウトなので、念のため耳障りな音もあった方がよいかもしれません。 そして、スヌーズ機能も詰まるところは「先送り」であり、「もうちょっと!」と言っていったん止めて二度寝、三度寝を繰り返すうちにタイムリミットを超えてしまうかもしれません。 この2つの問題を解決するのに、音の違う目覚まし時計を複数台用意し、時間差で鳴るようにしておくという手が考えられますが、毎朝起きる時間が一定ならともかく、まちまちであれば毎晩1台ずつ時間差でセットするのが面倒になります。 -
とらえなおす
毎日同じことを繰り返す時に意識すること
自転車をこぎ始めるとき、最初はペダルが重いものですが、スピードが乗ってくるとどんどん軽くなっていきます。スピードに乗ってくれば心地よさも手伝ってそれまでの苦労も吹き飛ぶものです。 そして次回以降に自転車に乗るときも、最初のペダルの重さは加速に必要なステップであることがわかっているので、多少しんどくても「自分にはこれ以上ペダルをこぎ続けるのはムリ…」と諦めることなく乗り越えていくことができます。 あるいは、試行錯誤の末に“重いペダルをこぐコツ”を体得することもあるでしょう。 このアナロジーは仕事にも見いだすことができます。 -
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「気づいたら明日が締め切り!?」を防ぐ
もう20年も前の話になりますが、まだ中学生だった頃にゲームセンターで夢中になっていたゲームの1つに「バブルボブル」があります。 ゲームの内容は、上記のリンク先をご覧いただくとして、ざっくり言うと「アクションパズルゲーム」というカテゴリーにはいるもので、100個あるステージを1つ1つクリアしていくゲームです。各ステージをクリアする条件は、そこにいる敵をすべて退治すること、であり、それ以外の制約はありません。つまり、どんなに時間がかかっても良いのでとにかく敵をすべて退治すれば良いわけです。 -
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急ぎではないがやっておくと後で助かる仕事
「必要な時間がまとまってある状態」が必要である一方で、コマギレに分断されている方がかえって都合がいい場合もあります。 例えば、「メールの返信タイム」で以下のように書きましたが、 そこで、まず、1日に2回ないし3回の「メールの返事を書くための時間」(返信タイム)を決めておき、その時間になったらメールの返事を書くことだけに集中するようにします。 返信タイムとして設定した時間が過ぎたら、パタッとやめるようにします。これは、「Time-based dash」の応用例と言えます。 1.Time-based dash “何時まで”ダッシュ(いつまでだっしゅ) ターゲットとなる“常連タスク”に取り組むべき時間を決めて、取り組む。キッチンタイマーを使って、アラームが鳴るまでとにかく集中してやる。 -
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「カッチリ」と「どろどろ」
仕事にはたいてい数字がつきものです。予算の金額に始まり、見積もりがあります。作業ボリュームを決めるための文字数やページ数、システムを構成する画面数やシナリオの数、そしてこれらを作り上げるのに必要な時間がすべて見積もりの金額に反映されていきます。 そして、晴れて受注となれば、日々のスケジュールに従って、残り時間と闘いながら約束した品質(これも数字で表すことができるでしょう)に高めていきます。 納品が完了すれば、検収があり、請求があり、入金があります。いずれも数字を巡るやり取りとなります。 このように仕事の枠組みは、すべて数字が基礎になっているのですが、中身の仕事そのものに目を向けてみると、数字だけでは割り切れない、扱いが困難な“ナマモノ”的側面を持っていることに気づきます。 つまり、すべてが設計通り、計算通りに運ぶわけではなく、必ず途中で想定外の事態に遭遇し、この問題を決められた枠内で解決して、最終的には所期の計算通りの状態に帳尻を合わせていくという「カッチリとした枠組み・中身はどろどろ」という現実があるわけです。 -
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判断の根拠を“慣習”にしないために
EU統合の始まりは1951年に締結されたパリ条約にさかのぼります。フランス、ドイツ(西ドイツ)、イタリア、ベルギー、ルクセンブルク、オランダの6カ国が欧州石炭鉄鋼共同体(ECSC)を設立、これが切っ掛けとなって軍需にとどまらず商業・経済の活動にも拡大し、現在のEU統合への道筋がつけられます。 ECSC設立の伏線として、戦前からヨーロッパ統合運動に取り組んでいたジャン・モネの存在があります。彼は早くから統合の具体的な構想を打ち出していたものの、当時はあまり真剣には取り合ってもらえなかったようです。 それが、二度の大戦を経てヨーロッパが疲弊し「もう二度と戦争はできない」というムードが高まった時、ようやく日の目を見ます。