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「気づいたら明日が締め切り!?」を防ぐ

By: GotCredit – CC BY 2.0


もう20年も前の話になりますが、まだ中学生だった頃にゲームセンターで夢中になっていたゲームの1つに「バブルボブル」があります。

ゲームの内容は、上記のリンク先をご覧いただくとして、ざっくり言うと「アクションパズルゲーム」というカテゴリーにはいるもので、100個あるステージを1つ1つクリアしていくゲームです。各ステージをクリアする条件は、そこにいる敵をすべて退治すること、であり、それ以外の制約はありません。つまり、どんなに時間がかかっても良いのでとにかく敵をすべて退治すれば良いわけです。

一見するとこれでは時間さえあれば誰でもクリアできてしまいそうに見えます。でも、そこはゲーム。見た目には制約がないように見えて実はしっかりと用意されています。

それは、ステージ開始から一定時間(ステージによって異なる)が経過すると現れる「永久パターン防止キャラ」と呼ばれる手強い敵の存在です。このキャラは事実上倒すことができないため、現れたら最後、大急ぎでクリアするか、覚悟を決めるかのいずれかの選択を迫られることになります。

このように制約はあるものの、平常時は見えておらず、特定の条件が揃って初めて現れるわけですが、最初からあからさまに見えているゲームもあります。

例えば、「スーパーマリオブラザーズ」は、最初から制限時間がプレイヤーに公開されており、刻々と減っていきます。これにより、プレイヤーの中には自然と「時間内にゴールにたどり着かなくては」という意識が生まれます。

一方、冒頭の「バブルボブル」の場合は、最初は制約がいっさい示されず、たとえ一定時間が経過することによって“制約キャラ”が現れるとしても、プレイ中に「あとどれぐらいの時間が経ったら現れるのか?」がはっきりしません。それゆえ、少しモタつき始めると焦りが出てきます。焦れば当然ミスをしやすくなります。

そう考えると、本来の力を発揮するためには、あとどれぐらいの持ち時間があるのかを正確に把握する必要があります。残り時間と残り作業とを見比べて、何を捨てて何を拾うかという現実的な取捨選択なしにゴールにはたどり着けないからです。

仕事においても似たような状況があるのではないでしょうか。

ゴールは見えているものの、ギリギリになるまで自分が置かれている状況がはっきりせず、何となく「まだ当分先だし」と油断していると、突然窮地に立たされます。それは、「気づいたら明日が締め切り」だったり「リードタイムを考えると今すぐ発注しなければ間に合わない」だったりと、形は様々ですが、何の前触れもなしに現れるという点で共通しています。

ゲームと同様、仕事もなるべくなら自由奔放に取り組めた方がのびのびとできますし、当然楽しいでしょう。でも、制約のことを忘れていると思わぬ落とし穴に足を取られます。

何もしなければ仕事は「バブルボブル」型になります。それを何とかして、今の自分が置かれた状況をリアルタイムに把握できる状態、すなわち「スーパーマリオ」型に転換したいところです。さもなければ、いつも不意にやって来る締め切りに驚かされたり、正確な残り時間が把握できないために漠たる不安にさいなまれたりします。

これを防ぐためには、“制約”が姿を現すポイントを予め見極めておき、そこから逆算してスケジュールを立てておくことでしょう。

具体的には、最終的な制約、すなわち“時間切れ”の一歩手前のところで「最後通告的アラート」を組み込んでおきます。例えば「スーパーマリオ」では、残り時間が100秒を切ると、警告サウンドが鳴って、BGMのテンポが速くなります。

これに倣って、締め切りに先立つ特定のタイミング

 「今の時点でこれとこれとこれができてないとヤバい!」

というアラートをYahoo!カレンダーなどを使って起こすようにしておきます(締め切り日にアラートをセットしておいても意味がなく、時間切れのベルにしかなりません)。

もし、その時点で当初想定していた完成度に至っていなければ、

 1.睡眠を削る
 2.クオリティを犠牲にする
 3.締め切りをずらしてもらう

という、いずれかのいずれも喜ばしくない対策を迫られることになります。でも、この時点で気づくことができればまだ良い方でしょう。最悪のケースは、締め切り前日になってもまったく進捗していないことに気づいた場合です。

複数の仕事を同時並行して進めることが増えている昨今では、こういったことが起こりえます。人の“注意キャパシティ”は多寡が知れています。複数同時に進めていれば当然注意が行き届かなくなる仕事も出てくるため、放っておくと「気づいたら明日が締め切り!?」が頻発します。

そうならないためにも、どの仕事にも分け隔てなく「最後通告的アラート」を設定しておきたいものです。