※当サイトはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。

「でなければならない」より「でありたい」

ブログ(のようなもの)を始めたのは2001年1月5日。当時は「ブログ」という概念も仕組みがなく、いわゆる「ウェブ日記」であり、SUN BOARDという掲示板CGIプログラムを自分で少し手を加えて使っていた。

RSSももちろんなかったので、日記を書き終える都度、ReadMe!Japan日記才人(旧称:日記猿人)といった“登録所”に訪れ、書いた記事のタイトルとパーマリンク(この言葉も当時はなかった)をせっせと投稿していた(これを更新報告と呼ぶ)。何というか手回しミシンのような有様である。

人気の日記はランキング上位に君臨し多くの読者を集めていたが、その日記も毎日地道に更新報告を続けるという下積みがあり、人気日記になってからも結局更新報告は毎日続けるという、とにかくみんなで大きな歯車を回している牧歌的な時代であった。

時代は変わり、ブログを更新するだけでRSSリーダー経由で記事が配信されるようになり、歯車の回転は自動化されたが、今も昔も「他人の書き方」に少なからず刺激と影響を受けるという人間系の回路は変わっていない。

「こういう書き方でいいのだろうか」「やはりああいう書き方にしたほうがいいのではないか」といった不安が常につきまとう。

「みんなのやり方にしたがっておきたい」という無難さに流れたくなる一方で、「自分のやりたいようにしたい」という野心も見え隠れする。

一つ言えるのは「真似」はいつしか「でなければならない」に変質しうる、ということ。誰かがヘッダに何かを追加すると、ほどなくして多くのブログがこれに追随する。誰かが「こうするとAdSenseの売上がアップする」と言えば、放っておけない。

かくしてみんなが同じような“面構え”になっていく。

せっかくだから「でなければならない」より「でありたい」を持ち続けたいと思う。

inspired by:

僕の目から見ると、音楽業界では、今の時代では当たり前と言えることを、ちゃんとやっている人たちが少ないように見えます。僕はその人たちを横目で見て、「なんでこの時代にそんなことをやっているんだろう?」と疑問に思うことも多いのです。

反面、非常に理にかなっている部分も多いのですが、それは日本の音楽業界の歴史と共に作られてきた伝統なのかもしれません。

良い部分は参考にさせていただきますが、それ以外の部分は残響の中では常識とは考えません。時々、「音楽業界では当たり前だ」というような発言をする人がいます。僕はそういう人に対して、「勝手に言っていればいい」と思うことが多いのです。

音楽はクリエイティブな世界です。その世界にいるのであれば、従来の仕事のやり方やシステムには疑いを持たなければならないと思います。

一般の会社も同じです。従来の仕事のやり方を続けている会社は、伸びていないと思います。自分たちの過去の歴史や伝統、慣習を改善し、改革していくことがこの時代に生き延びる道だと思っています。(p.176)

» 音楽ビジネス革命 残響レコードの挑戦