「**するだけで、痩せる」をうたい文句にするダイエット手法であったとしても、その**をし続けない限りは成果は出ない。**はテクニックではなく習慣である。
従って、正確を期すならば「きちんと一定期間**し続ければ、痩せる」である。やり方が間違っていたり途中でやめたりすれば、痩せない。
習慣と成果はつながっているが、テクニックと成果は直結していない。
- テクニック → 習慣 → 成果
テクニックがつながっているとしたら習慣のほうだが、すべてのテクニックが習慣につながっているわけではない。その場しのぎにしかならないテクニックも少なくない。
テクニックを身につける時は、それが習慣に通じるものであるかを確かめる必要がある。さもないと安い服を買って、翌シーズンにはもう着られない、みたいなことになる。
習慣をうまく続けるためのテクニックはいくつかあるし、それについて書かれた本はいくつもある。自分ごときでも書かせていただいた。
継続力は自覚していないだけで、多くの人が知らず知らずのうちに発揮している力です。習慣というスペースシャトルが打ち上げから軌道に乗るまでの間、その推進力を担うのが継続力という補助ロケットなのです。
継続力は新たに身につける力ではありません。生まれたときからすでにあなたの心身に備わっています。ただその力に気づいていない、言い換えればスイッチが入っていないだけです。人が継続力を発揮して、何かを成し遂げるプロセスにあるとき、この人の「継続スイッチ」は間違いなくオンになっているはずです。
一つだけ言えることは、スイッチは結果であって目的ではないことです。別の言い方をすれば、直接触れることができないものであり、間接的に何かのきっかけを得てオンになるものなのです。
仮にテクニックがなくても、愚直に続けることができれば成果は得られる。テクニックがあれば習慣化は少し易しくなるが、習慣をテクニックで代替することはない。
それでも多くの人がテクニックを手に入れたがるのは、習慣は大変そうだからだ。決してテクニックが魅力的だからではない。習慣以外のものでありさえすれば何でもいいのだ。
かくして、こう考える。
- テクニックを磨く → 成果が得られる
だが、テクニックだけで乗り切ろうとしても絶対に続かない。それは習慣ではないからだ。成果を得るためには、習慣という架け橋が欠かせない。
- テクニック → 習慣 → 成果
同じことを別の言い方で主張している本がある。
なぜ、ノウハウ本を実行できないのか―「わかる」を「できる」に変える本
「つまり、こういうことですね。私たちは行動を変えようとするより、知識を増やそうとする。知識を得るのはたやすいから。そして、ネガティブな考え方が、得た知識を活用しようとする意欲をくじいてしまう」
「行動を変える」とは熱く燃えたぎる新たな習慣の胎動であり、「知識」とは冷えて固まったテクニックである。
目に見えない胎動は見過ごされ、クールなテクニックばかりが人目を惹く。人目を惹くということはそれに囚われやすくなるということでもある。これに対して警鐘を鳴らす本がある。
氷山の一角という言葉がある通り、目に見えていること、わかっていることは、水面下のごく一部分でしかなく、その水面上は、水面下の大部分に支えられています。
目に見えないために、水面下の圧倒的な力に支えられていることに気づきにくく、本当に大切なことを見失ってしまっているのではないでしょうか。
(中略)
目に見えることを重視すればするほど、大切なことを見失っているのです。
どうしても見えることに囚われてしまいがちです。見えないために、その重要さに気づかず見逃してしまっている弊害は甚大です。
20世紀初頭、豪華客船タイタニック号が氷山に接触し、当時世界最悪の海難事故を起こしたことが映画化され、世界的に名が知られることにもなりました。これは、氷山の水面下の見えない部分に接触したことが原因の大惨事でした。見えない部分の威力は計り知れません。
テクニックは必要だが、習慣を捨ててまで集めるほどのものではない。
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