先週末の続き。
もともとこのエントリーのネタは、オーディオブックのポータルサイト「FeBe」を運営するオトバンクの上田渉社長と、オーディオブック談義をしている中で生まれたものだったのですが、上記のエントリーには盛り込みきれなかった、上田社長が実践されている「オーディオブック勉強法」の“序”を今回はご紹介します。
ということで、「オーディオブック勉強法」を実践されている上田社長との一問一答です。
1.上田さんがオーディオブックを聴く際に気をつけていることは?(再掲)
のんびり聴くことです。
私は仕事をしながら、や、メールを打ちながら、といった「ながら聴き」での視聴が多いため、一言一句聞き取れないことがあります。しかし、そういう時に急いで巻き戻したりせず、そのまま聴いています。聴けなかったところは、また次聴こう、と考え、ループ再生します。
ながら聴きでのオーディオブックは、何回聴いても苦にならないので、こういうスタイルになりました。
iPodに刺せるレゴっぽいスピーカーを使って、お風呂の中で聴くこともありますよ。手軽なので、気に入っています。
レゴっぽいスピーカーというのはこれでしょうかね。僕も使っています。
2.オーディオブックを聴くときはプレーヤーは何を使っていますか?
外で聴くときはiPod Touch、仕事中に聴くときはPCで再生しています。
iPodでオーディオブックを聴くときには、ちょっとした工夫をすると、使いやすくなります。
MP3ファイルはiTunesに登録した後で、右クリック→プロパティ→オプション→再生位置を記憶のチェックボックスにチェックをすると、しおり機能が使えるようになります。
例えば、オーディオブックを聴いているときに、途中で他のコンテンツを再生したくなるときがあります。そういうときは、停止して、他のコンテンツを再生するわけですが、再生位置を記憶していないと、次にオーディオブックを再生した時、始めからになってします。しかし、再生位置を記憶していると、止めたところから再生ができます。
「再生位置を記憶」というのは知りませんでした! 音楽を聴きたいときってありますよね。今までガマンしていました…。
3.オーディオブックを聴き終わったあとに何をしますか?
聴きながら気になったことがあれば、携帯電話でメモを書き、自分にメールしています。聴き終わった後、何らかの気づきがあった場合、メモ帳にまとめています。
携帯電話で自分にメール、というのは、オーディオブックに限らず、気になったことや思い出したこと、夢の中で思いついたことなど、何でもやっています。時々、なんのメモだったのか分からないこともあるのですが、そういう時はきっと重要じゃなかったんだろう、と思って忘れることにしています(笑)。
これぞ「データ収集」ですね。
データ収集のメディアは、自分の体験記憶や記録の他、インターネットでも書籍でもなんでもかまわないわけです。大事なのは、それが事実であること。それも「動かしがたい事実」であること。その意味で、アイデアを発想するためのデータが、自分自身の実体験であることは、多くなります。なぜなら、自分が体験したということは、そのこと自体においてウソはないからです。
4.オーディオブックはどんな人に特に聴いて欲しいですか?
オーディオブックにはビジネス書から文芸書まで色々なものがあるので、効率的な読書にもなりますし、新しい時間の過ごし方にもなります。
そういう意味で、広くいろんな人に聴いて欲しい、というのが私の素直な気持ちです。ただ、忙しくて本が読めない、と嘆いている人には、是非オーディオブックを聴いて欲しいです。時間が全くないと思っていたところに、こんなに本を読む時間があったのか!と感動すると思います。
まったく同感です。
仕事での移動中、本来なら本を読むべきところを「疲れていてそんな気になれない」という時ってありますよね。そんな時、僕はオーディオブックを聴くようにしています。
意識的に文字を目で追う読書と違い、オーディオブックはさほど「勉強モード」でなくても耳から入ってくる聴かせ上手なプロのナレーターによる「語り」の力で、知らず知らずのうちに聴き入ってしまうのです。
これを読んで「そこまでしたくない」という気持ちを持つ方もいらっしゃるかもしれませんね。では、その気持ちと「時間がない」という悩みとを天秤にかけてみてください。
5.今いちばん人気のあるオーディオブックは何ですか?
ジャンルによっていくつかあるのですが、
ビジネス書では、
は是非お聞き頂きたいものの一つです。日本の基盤とも言える「もの造り」への深い考察がとても面白いです。視野が広くなると思います。ちょっと長いのですが、のんびり聴いて欲しい作品です。
オーディオノベルでは、
ですね。声優さんが、それぞれの配役を演じるという構成で、アニメやドラマを見ているような気分になります。10月からドラマ化もします。声優さんの演技もうまいので、気分転換に聴いて欲しい作品です。
文芸作品では、
です。いわずとしれた太宰治の名作なのですが、大塚明夫さんという声優さんが朗読していらっしゃって、もの凄いうまいのです。惚れ惚れするような渋い声をお持ちの方で、メロスの世界を余すことなく表現しています。必聴です。
オーディオブックのポータルサイト「FeBe」ではダウンロードランキングのページがあり、売れているオーディオブックを簡単に知ることができるわけですが、せっかくですから実際に日々オーディオブックを活用されている上田さんの視点で売れ行きに関係なく選んでいただきました。
さっそくどれか1本聴いてみよう、ということで「走れメロス」をダウンロード。大塚明夫さんといえば、ご存じの方も少なくないのではないでしょうか?
次のようなキャラクター・人物の声を担当されています(公式サイトプロフィールより一部抜粋)。
●キャラクター
・「攻殻機動隊 S.A.C シリーズ」(バトー)
・「ブラックジャック」(ブラックジャック)
・「ケロロ軍曹」(ガルル中尉)
・「サイボーグ009」(005)
・「ふしぎの海のナディア」(ネモ船長)
・「紅の豚」(カーチス)
・「ムーミン」(ムーミンパパ)
●人物(洋画吹き替え)
・スティーヴン・セガール
・アントニオ・バンデラス
・デンゼル・ワシントン
・ニコラス・ケイジ
ウィキペディアにはいろいろと興味深いエピソードも紹介されており、思わず読みふけってしまいましたが(奥様も声優で共演経験も多いとか)、そんなバックグラウンドを知ったうえで、名作「走れメロス」を改めて聴いてみると、メロスの気持ちの変化や物語全体に漂う空気が伝わってきて、聴き応えがありました。
一言一言に魂が宿っているようで、聴きながら映像が思い浮かぶようです。
▼次にすること:
・ビジネス以外のジャンルのオーディオブックも聴いてみる
▼関連:
・#008 株式会社オトバンク(代表取締役 上田 渉氏)(東京IT新聞)
・リレー☆エッセイVol.21 上田渉さん
・本を読む時間がない人に聞いて欲しい話
・一日の初めにやる気を最大化させるための習慣
・年収2000万への道
・オーディオブックを仕事に活かすための10のポイント
・今週のレビュー:オーディオブック勉強法(序)