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一日の初めにやる気を最大化させるための習慣

By: Steven PisanoCC BY 2.0


最近のヘビロテは、「若き商人への手紙」。毎朝のルーチンをこなしている間はずっと流しっぱなしにしています。さながら、“一人朝礼”といったところ。

日々の生活に無理なく組み込む

若き商人への手紙」( ← 試聴できます)は、同名の書籍『若き商人への手紙』のオーディオブック版で、以下のエントリーでご紹介したFeBe(フィービー)でダウンロードしたものです。

» 本を読む時間がない人に聞いて欲しい話 

オーディオブックの良いところは、さほど気合いを入れなくても自分を学習モードにシフトさせられる点。例えば、毎朝のゴミ出しや食器洗いといった、ちょっとしたアイドルタイムをも読書時間に変えられるのです。

さらに、今まで非可処分時間として切り捨てられていた時間を自己投資に回すことができます。

例えば、僕自身にとって今まで苦痛に感じていた、駅まで歩いて15分の道のりは、先哲の知恵を吸収するための時間に変わりました。徒歩15分という道のりは思わず自転車を利用したくなる距離ですが、インプットの時間としてとらえることで、さほど気にならなくなります。もともと引きこもりがちなところで、たった15分であれ歩くことによって運動不足解消にも役に立ちます(MBTで軽快に競歩)。

こうして、学習習慣を日々の生活に無理なく組み込むことができるわけです。

リピート学習の敷居を下げる

もう1つ、オーディオブックの良いところを挙げるとすれば、読書に比べてリピートの心理的抵抗が薄いところ。一度読み終えた本をもう一度読むことはよほどの“スゴ本”でない限りはスルーされがちですが(別の本を読みたくなる)、オーディオブックの場合は、プレイヤーをシングルリピートにしておけば、自動的に同じタイトルをもう一度最初から聴くことができます。

一見時間の無駄のように思えますが、同じタイトルを繰り返し聴くことで、新たな発見に出会うことがあるのです。ペンキ塗りのように、二度塗り、三度塗りと重ねていくことによって、より鮮明に記憶に定着しますし、記憶に定着すれば、それを人に話す際にも淀みがなくなります。

以下のエントリーでも書きましたが、人に話すことによって理解が深まるのです。

» 自分の「仕組み」を生み育てる 

本を読んだり、人から聞いたことというのは、どんなにその内容が刺激的だったり印象的だったりしても、時がたてば忘れてしまうものです。自分で考えた「仕組み」であっても、いざ人に説明しようとすると言葉が出てこないということがあります。

自分でやってみてできることと、それを別の人に同じようにやってもらうこととの間には大きな隔たりがあるのです。文章にすることによってそれを確認することができるわけです。

和田秀樹氏は『受験は要領』(絶版)という本で以下のようなことを書いていましたが、まさにこの“架空授業”が「仕組み」の完成度を高めることになります。

ちなみにこれは勝間さんの『無理なく続けられる 年収10倍アップ勉強法』を紹介するエントリーでした。

学んだ知識を自分のものにするには、繰り返し刷り込むほかありません。同じようなことは以下の記事でもいわれています。

» わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: 松岡正剛の読書術

アウトプットを出せない読書はインプットしていないから。よく「読んだら何がしか残る。わざわざ”残す”ことはない」とする人がいる。うん、わたしもそうだった。けれどそのやり方は、時間が経つにつれ「読んだ」というフラグしか残らなくなる。「血肉化」という戯言は、血肉化するほど繰り返し読んでから言うべし。

オーディオブックは繰り返しの敷居を下げられますから、その分だけ「血肉化」に肉薄できます。

耳が痛い言葉ほど身に染みる

若き商人への手紙」が“一人朝礼”の題材となるのは、耳が痛い言葉に満ちているからにほかなりません。いくつかご紹介します。

・怠惰は錆と同じで、働くことより消耗を早める

・人生は時間で作られている

・時間の浪費が一番の贅沢

・時間の失くし物は二度と戻っては来ない

・怠惰はすべて物事を難しくしてしまい、
 勤勉はすべて物事を容易に運ばせる

・朝遅く起きる者は一日中かけずり回るが、
 夜になっても仕事に追いつけない

・怠け者の足はのろまで、貧乏がすぐに追いついてしまう

・仕事を追っているのだ、仕事に追い立てられるな

・願うのみで実践しない者は、空腹で死ぬ

・骨を折らずに稼げることはない

・今日の一日は明日の二日分に値する

・怠けているのを自分自身に見られていることを恥じなさい

・太陽に見下ろされて、怠け者がここに寝ていると言われてはいけない

・小さな一撃でも、繰り返せば樫の大木を切り倒す

・余暇が欲しいというなら、時間を上手に使って作ること

・1分だって時間は容易に得られないのだから、
 1時間もの時間を無駄に使わないこと

・トラブルは怠けることから起こり、
 耐え難い苦しみは何もしない無用な生活から生まれる

・喜び、楽しみは逃げると追いかけてくる

・引っ越し3回は丸焼け同然

・店をしっかり守ること、そうすれば店があなたを守ってくれる

・注意の不足は知識の不足よりも多くの損害を招く

・信頼できて、しかも自分が気に入るような召使いが欲しいなら、
 自ら自分の召使いになるしかない

・わずかな怠惰から大きな災いを招くことになる

・稼ぐだけでなく、貯えることを考えよ
 スペインは西インド諸島を手に入れながら富める国にはなれなかった
 なぜなら、入るより出す方が多かったからだ

・酒と女、博打とペテン
 財産を減らし、欲だけ増える

・わずかな出費に注意せよ
 小さな水漏れが、大きな船を沈めてしまう

・買わなくてもよいものを買うと、
 やがていつかは、なくてはならないものを売らなければならなくなる

・安物買いで得した者が、よく破産する

・お金を使って後悔を買っている愚か者

・賢い者は他人の失敗に学び、
 愚かな者は自分の失敗にも学ぼうとしない

・井戸涸れて、水のありがたさを知る

・虚栄心は乞食と同じくらい求め、またはるかにずうずうしい

・最初の欲求を抑える方が、
 それに続く欲しい気持ちをすべて満足させるより易しい

・借金は嘘つきの始まり、嘘は借金の背に乗っかる

・朝の太陽は一日中照るわけではない

・助言は与えられても、実践までやらせることはできない

・助言を聞き入れない者は、救い難し

こうした耳が痛い言葉を一日の初めに聴くことによって、いやが上にもテンションが上がり、やる気に満ちて、同時に身が引き締まるのです。毎朝の通勤時に聴くようにすると良いかもしれません。

ちなみに、オーディオブック愛用者の友人はオーディオブックのメリットとして次の2点を挙げていましたが、いずれも共感できるものです。

 1.オーディオブックを「ながら聴き」で聴いた後に本を読むと、超速読が出来ます。音楽代わりに聴きながら仕事をしているのですが、本を手に取ると、どっかで見たな、と思い、ぱらぱらっと見るだけで頭に入ります。びっくりです。

 2.本を読んだ後にオーディオブックを聴くと、記憶が定着しやすくなります。

▼関連:
・「若き商人への手紙」(オーディオブック)
『若き商人への手紙』(書籍)
本を読む時間がない人に聞いて欲しい話 
「けものみち」の心得と実践 
自分の「仕組み」を生み育てる 
習慣を身につけるコツ<実践編>