すでに各所で話題になっていますが、とりあえず書いてみます。
皆さん、ギャランティーのことを中心に書かれているようですので、僕は別の視点から。
ブログタイムズの趣旨は以下の通り(掲載用資料より)。
私たちは、古くも新しい提案をします!それは「記事広告」です!!
雑誌で記事に見えるけど、余白に「PR」や「広告企画」などの表記を目にした経験はありませんか?それが、記事広告です。
記事広告は、媒体社の編集部が編集記事のように制作することで、広告主が考えるとおりの紙面にならない場合がありますが、読者は通常の広告より「信頼性」や「納得感」を感じるというメリットがあります。この記事広告をブログの広告手法として展開したいと考えています。
すでにリアルにあるものをウェブの上でも、ということですね。
ここで気になったのは、ブログはどこまでいっても個人メディアであるという一点です。
僕自身、雑誌の記事広告はスルーするほうです。まぁ、僕のようにスルーする人がいる一方できちんと読んでくれる人もいるでしょうから、一定の広告効果はあるのでしょう。効果があれば出稿の価値はあることになりますし、メディアとしてはそこがキャッシュポイントですから、手を結ぶわけです。
では個人メディアであるブログはどうか。おそらく抵抗を感じる人は多いでしょう。その理由の1つは、個人は企業ではないことです。つまり、ブログとは非営利なものである、という暗黙の了解があるから。常識といってもいいかもしれません。
そういう意味では、ブログタイムズはこの常識に挑戦しているといえます。その点は評価できます。
今や当たり前となっている便利なサービスの多くは、最初は「それはありえない」と否定されていたという過去を持っているものです。逆に言えば、「これはアリだな」と肯定されたからといって、生き残る保証はない、ということです。
とはいえ、僕自身のスタンスは100%支持ではありません、一個人ブロガーとしては。
ブロガーは職業になりうるか?
最近、某大学の学生さんから取材を受けました。卒論のテーマとして「ブロガーは職業になりうるか?」を掲げ、ブロガーへの取材を積極的に行っている一環で。
僕自身、今でこそ文章を書くこと(+話すこと)で生計を立てていますが、もともとはウェブサイト制作やシステム開発などを本業としており、文筆はサイドビジネスあるいはお小遣い稼ぎでしかありませんでした。
おかげさまで多くの人にブログを読んでいただくことになり、気づけば本を書いたりセミナーをすることが本業になっています。
当初は僕個人にとっては「非営利ビジネス」だったブログも、今や「営利ビジネス」の広報部門という位置づけになっています。つまり、本を書いたりセミナーをするという本業を支える広報機能ということです。
もちろん、ブロガーを本業にされている方もいらっしゃるでしょう。ブロガーを本業とした時の収入源は、だいたい以下の3つ。
・アフィリエイト
・ドロップシッピング
・上記以外の広告収入
セミナーや講演謝礼は「営業外」収益。
そうなると、上記の3つのソースで生計を立てられるだけのキャッシュをブログを書くことで生み出せる人が「職業ブロガー」と呼べることになります。当然、僕自身はそこまでには至っていませんから、「素人ブロガー」ということになります。
「職業ブロガー」にまでなってしまえば、もはやメディアですから、ブログタイムズの広告が入っていても、人はさほど気にしないでしょう。「素人ブロガー」のエントリーに広告が入っているからこそ、抵抗が生じると思うのです。
読者にとって「自分と同じ素人のくせに」という反感に近い感情が摩擦を生むわけです。人はどこまで行っても嫉妬の感情からは逃れられませんから。
ブロガーは棋士になりうるか?
先の学生さんの取材の折に聞いて、「なるほど」と思ったのが、「ブロガーは棋士のようなものではないか」という一言。つまり、非常に限られてはいるけれども、一定数の人にとっては職業として成立するのではないか、というわけです。
将棋界には詳しくないですが、囲碁でも将棋でも、「職業棋士」と「素人棋士」がいます。前者はそれでメシを食ってますから、彼らがテレビCMに出たり、ゲームのキャラクターに使われても誰も文句は言わないでしょう。でも、「素人棋士」は別に本業がありますから、そこで線が引かれるわけです。
結論
いろいろ書いてきましたが、僕が本業を別に持つ「素人ブロガー」であり続ける限りは、ブログタイムズの記事広告を掲載するのは厳しいな、と思います。
とりあえず、1ヶ月だけ会員を継続してみて、
・どれだけの広告依頼があるのか
・広告内容のバラエティはどうなのか
というところだけウォッチさせていただこうと思います。
あー、自分の立ち位置を考え直す良いきっかけになりました。
ありがとうございます。
▼次にすること:
・ブログタイムズの動向をウォッチする