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流れてきた情報に対する4つの「操作」|手元に置いておきたい情報について考える(まとめ)

By: Trish HammeCC BY 2.0


大橋悦夫手元に置いておきたい情報をあとで活用できるようにする上でキーとなるのは、その情報をクリップする瞬間にあります。

つまり、流れてきた情報について、

  • 1.キャッチせずスルー
  • 2.キャッチしてプッシュ&ポップ
  • 3.キャッチしてリリース
  • 4.キャッチしてキープ

という4種類いずれの「操作」を採用するかを瞬時に見極めるのです。

1.キャッチせずスルー

最良の反応は「1.キャッチせずスルー」という溜め込まない方針に基づく行動なので、いかに手際よくスルーできるかが重要でしょう。でも、自分にとってどのような情報が「キャッチ/スルー」なのかはある程度の不必要情報を「掴まされる」経験が要ります。

この経験をもとに自分なりの「ふるい」を通して(最初は経験がないので仕方なく闇雲に)情報をキャッチし、振り分けるようにします。「振り分け」の基準となるのは、活用場面が明確に想定できるかどうかです。

まず、シンプルに以下の選択をします。

  • 今すぐ活用できる
  • あとで活用できそう


2.キャッチしてプッシュ&ポップ

もし「今すぐ」に活用できそうな情報であり(相手ready)、活用のための時間が確保できる状況であれば(自分ready)、「相手と自分のマッチング」が成立し、さっそく行動に移すことができます。

こうして、外部情報をいったん頭の中に入れ(プッシュ)、既存情報とのすり合わせによって断片的であれ自分なりに加工した情報を吐き出す(ポップ)ことができれば、それで一応の目的が果たせます。そして、一度のこのプロセスを通しておくことで、自分なりの「ふるい」が更新されるため、情報に対するセンサーがよりシャープに補正されます。

この場合は、特に情報管理ツールは必要ないでしょう。頭の中に取り込んだそばから処理が始まるため、揮発性の高い短期記憶でもさほど支障がないからです。むしろ、短期記憶を目一杯使うために「今すぐ」必要ない情報はすべて排除しておくことの方が重要になってきます。その際にこそ情報管理ツールが役に立ちます。

3.キャッチしてリリース

上記のステップで、既存情報とのすり合わせの結果、何ら反応が見られなかった場合は、そのまま取っておいてもすぐには活用の途が見いだせない可能性が高いため、あっさり手放してしまった方が良いでしょう。

理由は次のステップと密接に関連します。

4.キャッチしてキープ

最初の選択で「あとで」と判断された情報の振り分け先です。キャッチした情報を一定期間保持して、必要な時に必要な情報を取り出すことがこのステップでの課題です。「今すぐ」のためのスペースを空けるためにも、まずは「見えない」ようにします。

人は、自分がキープしている情報に関連する刺激を受けると、ある程度は思い出すことができます。それで済めばそこで完結ですし、もし断片的にしか思い出せなくても、その断片をキーに「キープ」内を検索すれば、引き出すことができるはずです。

「今すぐ」ではないものの、限りなく「今すぐ」に近い「あとで」という場合もあります。これは、例えば「この情報は今進めている○○という仕事に使えそう」という場合です。

その場合は、その「○○」というトレイを用意して、そこに振り分けることで、それ以外の「キープ」の中に紛れ込んでしまうのを防ぐことができます。

このように、自分の中でアクティブになっている「情報トレイ」を必要なだけラインナップしておくことで、「あとで」情報をどのトレイに振り分けるべきかが明確になります。

 ●キープ
 ├ トレイ1
 ├ トレイ2
 ├ トレイ3
 └ トレイ4

どのトレイにも振り分けられない場合は、新たにトレイを作るか、リリースするかということになります。

各トレイは、自分が現在進めている仕事ごとに分けたり、追っているテーマで分けたり、といった整理が考えられます。そして、週に1回程度はメンテナンスすることで、不必要な情報が入ってくるのを防ぐことができるでしょう。

こうしてできたトレイ群を時折ブラウズしたり、必要な時に必要なトレイの中を読み返したりすることで、「活用しよう!」という一見「自分ドリブン」でありつつも、その実「環境ドリブン」的な効果を引き出すことができると考えています。