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時間管理の第一歩とは?

連載当時の執筆環境

大橋悦夫10年前の2008年~2011年までの4年間、パソナテックさんのメディアで「シゴトが楽しくなる!エンジニアのための時間活用術!」というタイトルで連載させていただいていました。

連載終了後もしばらくは閲覧できていたのが、いつの間にかメディアのリニューアルによって姿を消したようです。記事タイトルなどで探してみましたが、別のサイトに転載されたりといったことはない様子。

以下の記事でもご紹介いただいていることもあり(当然、紹介先はリンク切れ)、手元に原稿が残っているため、改めてこちらに転載していこうと思います。

各タスク管理手法を学ぶ前に、TaskChuteを使いこなす上で前提になる考え方を押さえておきましょう。

わたしがイチオシするのは、下記の記事から始まる全5回の連載記事です。

定時退社のための「計画力」を高める5つのステップ|てくらぼ|パソナテック(PASONA TECH)

こちらはTaskChuteの開発者である大橋さんが書かれた記事で、直接的な言及はありませんがTaskChuteの設計思想を学べます。

TaskChute初心者に適した記事であり、わたしが新入社員5人にTaskChuteを教えるときもテキストとして使わせていただきました。

その5人はTaskChuteを教えて9ヶ月以上経った今も、TaskChuteを使い続けていますので、記事の効果はわたしが保証します。

とはいえ、10年たっていることもあり、内容的に古くなっていたり、考え方が変わっているところもあるため、一部加筆修正しつつの「アップデート版」になると思います。

ちなみに連載はけっこう長く続いたので、全部で106本の記事があります。すべて転載するかはわかりませんが、とりあえず始めてみます。

今回は第1回。

時間管理の第一歩とは?

みなさんは「時間管理」という言葉を聞いてどんなことを思い浮かべるでしょうか? 

「時間を管理する」わけですから、次の3つの視点が必要でしょう。

  • 1.過去、何にどれだけの時間を使ったのかを記録しておき、
  • 2.現在、残り時間はどれくらいあるのかを把握しておき、
  • 3.未来に、何にどれぐらいの時間を使おうとしているかの見通しを立てる

そして、過去の記録、現状の把握、未来の見通し、というの3つの点をつないで1本の線を作り、この線があなたの理想の未来に近づくようにコントロールすること。それが時間を管理する目的といえるでしょう。

少しわかりにくくなってきたので、馴染みのある「お金」の場合で考えてみましょう。

「お金を管理する」という場合も、同じように次の3つの視点があります。

  • 1.過去、何にいくら使ったのかを記録しておき
  • 2.現在、残高はいくらあるのかを把握しておき、
  • 3.未来に、何にどれぐらいのお金を使おうとしているかの見通しを立てる

つまり、予算を立てて見通しを明らかにし、日々の記録を通して予算の消化状況をウォッチしながら、望ましいお金の使い方を実現しようとするわけです。

お金の場合は、1と2は家計簿という手段が用意されています。家計簿をきちんとつけていれば、今までいくら使って、今いくら残っているかがわかりますから、そのままのペースで延長していけば現実的な未来が見えてきます。

そのようにして見えてきた現実的な未来と、これとは別に思い描いていた理想的な未来とを見比べることで、ギャップがわかります。このギャップをいかにして解消するかが、今後の行動の拠り所となるはずです。つまり、家計簿をつける目的はギャップを知ることといえます。

同様に、時間についても記録があれば、行動の拠り所となるギャップを知ることができるでしょう。

ドラッカーは『プロフェッショナルの条件』の中で次のように述べています。

継続して時間の記録をとり、その結果を毎月見ていかなければならない。最低でも年2回ほど、3,4週間記録をとるべきである。記録を見て、日々の日程を見直し、組み替えていかなければならない。半年も経てば、仕事に流されて、いかに些事に時間を浪費させられていたかを知る。

僕自身は、この13年ほど同じ家計簿ソフトを使ってお金の記録をしてきています(ちなみに、クレジットカードでの買い物についても、すべて入力しているので、カード会社から届く明細は手元の記録と合致しているかを確かめるために使っています。以前、不正使用があったのですが当然すぐに気づいて対処することができました)。

こうすることで、自分が一ヶ月にどれだけお金を使うのかがわかりますから、おのずと見通しも立つようになります。ある日突然「うわ、お金が足りない!」ということはなくなるわけです。

同様に、時間についても「時間管理簿」をつけることで、見通しを得ることができるはずです。とはいえ、お金と違って、時間の記録についてはなかなか良いツールがありませんから、この10年以上ずっと試行錯誤を続けています。

というわけで、次回以降は、時間を記録するための「時間管理簿」について、この10年の軌跡を振り返りながら、その理想と現実について考えていきたいと思います。

まとめ

時間管理の第一歩:

  • まずはギャップを知る
  • そのために記録をつける

» 連載記事一覧

参考文献:

補記

「記録からスタートする」という根幹となる部分は今も変わっていません。


そして、「13年ほど使っていた家計簿ソフト」は今では使わなくなりました。厳密に言うと「使えなく」なりました。使っていたのは「家計簿ひかる」というシェアウェア。

Windows 10になってしばらくしてから、起動と同時に強制終了するようになり、アップデートは2017年2月18日で止まっているため、2017年12月をもって使用を終了。

代わりに「マスターマネー6 」というインストール型の家計簿ソフトに乗り換えました。ただ、こちらもアップデートは2015年4月13日で止まっており…。ただし、Windows 10には対応しています。


2018年現在は、「マスターマネー6」に加えて、「MoneyForward」を併用しています。このあたりの詳細についてはまた改めて。

なお、家計簿と時間簿の類似性については以下の記事で言及しています。