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タスクシュートの実態は「自分にとってベストなテンプレート」を作ること



大橋悦夫スパイ映画などで、よくこういうケースが出てきます。

ウレタン製の分厚いシートがケースに詰まっていて、予めそこに入れるべきガジェットやらウェポンやらが、そこにすっぽり収まるようにくり抜いてあるという、言ってみればモノを収めるための“テンプレート”です。

このケースを目にするたびに、感じるのが次の4つです。

  • このケースを使う限りは忘れ物はゼロにできる
  • 精密機器や割れ物なども安心して運ぶことができる
  • これ以上荷物が増やせない
  • 容量効率はよろしくない

前半の2つはメリットですが、後半の2つはデメリットです。

ただ、これらのメリットとデメリットはトレードオフといえるものであり、例えば、忘れ物をするかもしれない、運ぶ荷物を壊してしまうかもしれないリスクをとるかわりに、荷物を増やしたり容量効率のアップを狙うことができます。

かくして、このトレードオフの分岐点をどこに位置づけるかの最適ポイントを模索することになります。

考えられる対策

こういうとき、僕は「メリットを可能な限りキープしながら、デメリットを取り除くにはどうすればいいか」と考えます。「損をしたくない」という感情はやはり強烈です。

この「メリットを可能な限りキープしながら、デメリットを取り除くにはどうすればいいか」についてですが、以下のような対策が考えられます。

デメリット:これ以上荷物が増やせない

こちらの対策としては、目的に応じて運ぶ荷物の組み合わせパターンをいくつか作り、それぞれのパターンごとにテンプレートを用意し、必要に応じて入れ替えて使う、という方法が考えられます。

これは、旅行の際のパッキングのチェックリストに似ています。

海外旅行なのか国内旅行なのか、期間は1泊なのか2泊以内なのか1週間以内なのか、といった条件の組み合わせにより、チェックリストの内容も変わるでしょう。

目的に応じて、適切なチェックリストを使い分けるわけです。

デメリット:容量効率はよろしくない

こちらの対策としては、ケースの容量は限られているので(もっと大きなケースを買う、というのはここではいったん考えないことにします)、テンプレートの余剰部分を小さくしていく、という方法が考えられます。

無駄を見つけて極限まで切り詰める、というアプローチです。切り詰めすぎると“クッション”の効果が薄れてメリット「精密機器や割れ物なども安心して運ぶことができる」が失われるので、注意が必要です。

対策のために必要なこと

いずれの対策も、あらかじめあることをしておかないとうまくいきません。

それは、実際に詰めてみて過不足を目の当たりにすること。さらに、どれくらいの過不足が発生するのかを数量的に把握することも必要でしょう。

過不足を目の当たりにすることで「あぁ~、入りきらないのだ」という現実に感情が揺り動かされ、数量的な把握をすることで「じゃぁ、具体的にどれぐらい削る必要があるのか」という冷静な分析ができるようになります。

以上のことは時間についても、まったく同じことが言えます。

まず、自分がどのような時間の使い方をしているのか、しようとしているのか、タスクという荷物を今日というケースの中に詰めてみて、把握します。

次に、どう考えても収まらない(やりきれない)タスクはいったんケースの外に出します(今日の視界から見えなくする)。

そして、残ったタスク群それぞれについて、何がどのあたりに収めるのがベストなのかを試行錯誤を繰り返しながら探り当てます。

かくして、自分にとってベストなテンプレートが手に入ります。

タスクシュートの実態はこの「自分にとってベストなテンプレート作り」ということになります。