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家計簿をつけてふり返ればお金が増える、時間記録をつけてふり返れば時間が増える

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お金は使えば減っていきますが、使い方次第では増やすことができます。

ポイントは、使わないと増やせない、使うことに寄ってしか増えない、ということです。減らしたくないからといって、使わないでいても、減ることはあっても増えはしないわけです。

では、どういう風に使えばいいのか。

それは、自分にとって必要なものと必要でないものとを明確に分け、必要なものには必要なだけのお金を使い、必要でないものには一切お金を使わない、というルールを作り、これを守ることです。

自分にとっての必要と不必要を見極めること。

そのためには、記録を取るのが一番です。つまり、家計簿。

何にいくら使って、そこからどれだけの満足感が得られたのか、必要は満たされたのか、また同じ使い方をしたいと思ったのか。

家計簿をつけることで、こういったふり返りをするための材料となるデータが得られます。おのずと見極めの精度が上がっていきます。

逆に言うと、ただ家計簿をつけるだけで、ふり返ることをしなければつける意味はないでしょう。

時間にも同じことが言えます。

自分にとって必要なことには必要なだけの時間を使い、そうでないことには一切の時間を使わない。

「超」整理法シリーズで有名な野口悠紀雄さんは近著『クラウド「超」仕事法』で次のようなことを書かれています。

データの処理にアシスタントを使えるか? 使えない。なぜなら、「どのデータのどこを見て、どう加工するか」が重要だからだ。これは、試行錯誤によってしか見出せない。(中略)データを毎回同じように処理していることなど、ほとんどない。

このため、雑誌や本の原稿を書くのは、すべて自分一人の作業になる。だから、余計なことに時間を使っている暇はない。会議(なかでも政府の会議)は、すべて排除している。これらは、基本的に時間の無駄だからだ。こうした会議を断れるのは、私が一人で仕事をしているからだ。組織の中で仕事をしている人に比べて、私は大変恵まれた環境の中にいると思い、感謝している。(p.196)

このような見切りをつけられるのは、自分にしかできないことが何であるかを把握できているからにほかなりません。「試行錯誤」と書かれていますが、この中には当然「記録」も含まれているでしょう。つまり、記録をしてふり返ることによって初めて「これは使える」「これは使えない」「これは無駄だ」「これは必要だ」といった判断がくだせるようになるのです。

こうした判断の積み重ねをまとめたものがルールです。

「会議は一切排除する」もルールの1つです。

自分の時間の使い方をつぶさに記録に残し、ふり返り、そこからルールを抽出すること。そうすることで、自分にとって本当に必要な時間を生み出すことができるわけです。

注意すべきことは、人のルールをそのまま真似ても、その人と同じ成果は出せない、ということです。成果は自分で試行錯誤を通して築き上げたルールによってしか生み出せないものだと、僕は考えています。