このエピソードは意外でした。
セミナー終了後、ご挨拶をし、駅まで一緒に歩いたのだが、明らかにシュッとされている。
FBでは、そのお姿を目にしていたが、本当にほっそりとなされており。
「すごいですね、そんなにシュッとなされて」と言ったところ、「家計簿をつけたら、やせたんです」と。
「はぁ?(えっ、何をおっしゃってるのかしら???)」「いえ、こんな理由で……」とその理由を聞いたとき、このタイトルがパッと頭に浮かんだ。『家計簿つけたら、ヤセました!!』 – HONZ
というのも、私にしてみれば「家計簿をつける」→「やせる」というのは少しも驚くべきことではないからです。やせない人もいるでしょうが、やせる人がいてもちっとも不思議ではありません。
『レコーディング・ダイエット』とからくりはよく似ているはずです。よけいなものを明らかに余計と識りつつお金を払って食べるということがバカらしくなってくるからです。
ものを食べるにはだいたい何かを買うわけですから、家計簿が節約に人を向かわせるなら、そしてその人が日頃からよくものを食べる人ならば、節約がすなわちダイエットになるでしょう。
そして同じように、時間を浪費するにはだいたい何かを買うわけですから、家計簿が節約へと人を向かわせるなら、そしてその人がいろんな消費行動で時間をムダにしているなら、節約がすなわち時間術として機能するはずです。
私が言いたいのはこのことです。
タスクシュートに購買行動を組み込んだことがある
ExcelのTaskChute2を使っていたとき、購買行動を「モード」で分けてみたことがあります。
つまり、お金を大いに消費している行動だけを「赤」で色分けしてみたのです。ディズニーランドで過ごした時間などが、単位時間あたりが「高くついた」時間ということになります。
逆に、極端ではありますが、図書館で時間を過ごしたりしたら、その単位時間は非常に「おトク」な時間帯ということになるでしょう。当時はそれを青で色分けしました。
私がやったのはそれだけです。なにかを心がけたり、レビューをしてなるべく寒色系の行動を取るようにタスクを入れ替えたわけではありません。ただ、色分けをしただけです。しかしそれだけのことで、私自身の支出は、月単位で8500円前後の節約になりました。自分でも一番減らしたのは、ひとりだけの外食とひとりエッチ系の支出です。他に当時買っていた雑誌を買わなくなったあたりでしょう。
拙著、『なぜ、仕事が予定どおりに終わらないのか?』でも繰り返し述べておいたつもりですが、私たちはどうもPDCA的な発想に取り込まれやすすぎるとおもいます。行動を反省して改善すれば劇的によくなる、というやり方にはムリが来ます。
むしろ、意識と無意識の間の前意識に働きかけるのが現実的です。注意を向ければすぐに意識できるけれど、あんまり注意を向けてないことに、頻繁に注意を向けるようにするだけで、人の行動は変わります。前回の記事に書いた通りのことで、見直して反省する時間が惜しくても、行動の変化をもたらす方法は存在するわけです。