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緊急ではないが重要な仕事を確実に前に進める方法

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photo credit: Kalexanderson via photopin cc

大橋悦夫緊急な仕事は放っておいてもやるでしょう。というより放っておけないからやるわけです。そうなると、緊急ではないが重要な仕事が停滞することになります。こういった仕事を進める方法は2つしかありません。

  • 1.まとまった時間をとって一気に進める
  • 2.毎日一定時間をとって少しずつ進める

1の方法が人気がありますが、現実的には2です。

「デイリーメンテ」に組み込む

具体的には、以下の記事で紹介した「デイリーメンテ」の中に組み込んでおきます。

» 早起きを定着させるために「プレクロ」の開始時刻を厳守する 

僕自身は、「デイリーメンテ」という、その日のふり返りやこまごまとした整理作業のルーチンセットを持っているので、この開始時刻を守っている限りは──何か緊急事態が起きない限りは──寝るのが遅くなることはありません。

具体的には、たすくまの「デイリーメンテ」の開始予定を「20:30」として、この通知が来たら、すみやかに「デイリーメンテ」に移行するようにしています。

たとえば、以下のようなものです。

  • Evernoteに蓄積したメモの整理
  • 読み終えた本の付箋部分の読み返し
  • 本棚の整理
  • 書類トレイの整理
  • 過去日記のレビュー
  • 収支・資産状況のチェック

「資格試験の勉強」や「ちょっとした掃除」などもここに入れておくと少しずつですが確実に進みます。

1回あたり5~10分程度しか取れないと思いますので、成果としては物足りないかもしれません。ただ、そのぶん毎日積み立てていくので、思い立ったときに一気にやるよりも着実です。いつ「思い立つ」かわからないからです(笑)。

いずれも強制的な締切はありませんが、毎日少しずつ進めることになり、結果として次のようなメリットが得られます。

  • 1.溜まる前に処理ができるのでスッキリ感が増す
  • 2.記憶がフレッシュなうちに処理ができるので手応えが増す
  • 3.毎日わずかずつでも前に進んでいる実感が得られる
  • 4.時間をおいて俯瞰することで新しい発見に出会える

一つひとつ見ていきます。

1.溜まる前に処理ができるのでスッキリ感が増す

Evernoteのメモにしても本に貼った付箋にしても、その量が多すぎるとイヤになります。イヤになってからでは遅いのです。

理想は、その日に起こしたメモ、その日に貼った付箋はその日のうちに処理してしまうこと。これができると、メモを起こすときも、付箋を貼るときも、

「いま書いているこのメモは夜のデイリーメンテの中で確実に処理に回される」

という確信が持てるようになります。自信がつきますし、気分も良くなります。“仕掛かり品”が毎日ゼロになるのでスッキリ感も増します。

2.記憶がフレッシュなうちに処理ができるので手応えが増す

さらに、成果に結びつくまでの時間も短縮できます。

本を読んでいて「なるほどな~」と思いながら付箋を貼っても、それを見返すことがなければ成果につながりにくいでしょう。

そのまま放置すれば忘れてしまうかもしれません。こうなると、本を読むのに使った時間が無駄になってしまいます。

すぐに処理すれば、メモを起こしたときの、あるいは付箋を貼ったときのフレッシュな気持ちが活かせます。当然、その先にあるアウトプットに対する手応えも増します。

3.毎日わずかずつでも前に進んでいる実感が得られる

本棚や書類の整理は、「時間があるときにまとめてやったほうが効率が良い」と思われがちです。

もちろん、そういうこともあるかもしれませんが、「時間があるとき」が来るまではずっと視界の端のほうから「整理してくれ~」という無言のプレッシャーを受け続けることになります。

本棚にしても書類の山にしても、これを少しでも切り崩すことができれば、少しだけであれ“風景”が変わります。

「時間があるとき」が来るまでガマンしなくても、整理が進行するので無言のプレッシャーを緩和することができます。

4.時間をおいて俯瞰することで新しい発見に出会える

過去の日記を読み返すと、今の自分とは異なる人間がそこにいることを発見することが多いです。

個人的には「自分はこんなに昔から○○のことを考えていたのか!」と驚かされたり、当時読んでいた本についての感想にぶつかり、実際に再度その本に当たることで知識を整理できたり、といった効用が得られています。

日記にはすべてを書き記すことはできませんが、だからこそ、書き記されていることは「自分にとって記録に残す価値がある」可能性が高いでしょう。自分にとって重要なことだけを効率よくレビューできるわけです。

イチから新しく考え出さなくても、すでに自分が考え終えていることをふたたび引き出してくることで、目の前の現実に対処しやすくなります。

タイムマシンで過去の自分を呼び出して一緒に戦っているようなイメージです。

 

「毎日する仕事」を決める

『マニャーナの法則』では「デイリー・タスク・リスト」という考え方が紹介されています。この「デイリー・タスク・リスト」はまさに今回ご紹介した「デイリーメンテ」と同じものといえるでしょう。

1.あと片づけ

退社時、オフィスを閉めるのに必要なことをリストにしておくと便利です。机を整理する、データのバックアップをとる、ファイルをもとの場所に戻す、安全を確認するといった項目がありますね。

2.毎日発生する仕事

ため込んで処理するよりも、毎日やっておく方がいい仕事があります。たとえば、個人で事業をしている場合、領収書、請求書が毎日出るはずです。

そのつど処理していれば簡単なことですが、それを年に1回にすれば、数百の証憑をまとめて処理することになってしまいます。

同じような例が、経費の処理。これもすぐすませばよいのに、ため込んでしまうと見るのも嫌になるはず。勤務時間や生産台数などの記録も、毎日の処理が欠かせません。

3.毎日しておきたい仕事

「少しずつ頻繁に」の原則に従い、あなたが、毎日少しずつやりたいと思う仕事がこれです。読書、運動、執筆など、いろいろな例がありますね。

4.くり返しの必要な仕事

くり返してするのがベストという仕事です。毎日に限らず、週に1回の場合もあるでしょう。オフィスの掃除がこの典型。仕事場を月曜日に、キッチンを火曜日にといった具合にです。

同じ手法は、机や棚の整理にも当てはまるし、1日にファイルを1冊ずつ整理するということでもよいでしょう。

「デイリー・タスク・リスト」の中身は自分の好きなように決められます。あまり大きなものを入れると回らなくなってしまいますので、なるべく小分けにして詰め合わせるのがコツです。

» マニャーナの法則 明日できることを今日やるな


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