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デジタル・アナログ手帳術~情報の流れ編/ビギナーズ・ハック第27回

北真也

ベック君手帳とiPhoneの使い分けに悩むの巻

ベック君は手帳とiPhoneを両手に持って何か悩んでいた。

ベック君:手帳に書くべきか? iPhoneに書くべきか? それが問題だ!

ラシタさん:高尚なハムレットをそんなことにつかわんでくれ・・・

ごりゅ殿:全部デジタルにしちゃえばいいじゃん。

今日はベック君宅でプチホームパーティー。
なにげにラシタさんとごりゅ殿は初顔合わせである。


ベック君は嘆息を漏らしながら言った。

ベック君:だって、手帳好きだし。でもデジタル便利だし。

ごりゅ殿:アナログからデジタルへの変換は面倒だからね。同じ物を管理するならどちらか一方に寄せた方がいいんじゃないか?

ベック君:そりゃそうなんだけどさ、どうも僕は手帳に書く方がしっくり来るんだよね。後、手で書いたほうが考えが広がるって言うか? デジタルよりも確認する頻度も高い気がするし。

ごりゅ殿:でも、紙の手帳はリマインダー飛ばしてくれないでしょ。

ベック君:そう! そこなんだよ! デジタルは一度入力すれば、それを日、週、月間で色々ビューも変えられるし、なによりリマインダーが飛ばせるところが良い!

ヒートアップするベック君・・・
そのまま手帳談義で盛り上がること1時間

ごりゅ殿:結論、やっぱりめんどくさいからデジタル最強ってことで。

ベック君:いやいや、やっぱり手帳愛は譲れない! ね、ラシタさん!

ラシタさん:いや、情報管理系はデジタルの方が便利やろう、やっぱり。

べっく君は右手を胸に当て、左手を伸ばしながら演技がかった一言を発する。

ベック君:ラシタさん! お前もか!

ラシタさん:(ゴゴゴゴゴゴゴ)シィィィィザァァァァァクワッ!!!

あくまでシェークスピア押しのベック君の台詞回しは、文学をこよなく愛するラシタさんの怒りを買うのに十分であった。目覚めた怒りの戦士超ラシタによって、その後30分に渡って(勿論口で)フルボッコにされたベック君。そろそろ学習すればいいのにね。(了)

スケジュール/タスク/メモの流れを作るのだ!

手帳術シリーズ第3弾は前回「デジタル・アナログ手帳術~セルフマネジメント編」の続き、情報の流れ編です。

今回のストーリーの中でべっく君が悩んでいたデジタル・アナログの使い分けについて、同じように悩んでいる方も少なくないのではないかと思います。今回も私の場合を例に出しながら、情報の流れとともにデジタル・アナログの使い分け方について考えてみましょう。

■情報が集まる場所を定めよう

基本的な考え方はGTDに準ずるのですが、情報は収集フェーズと処理、整理するフェーズを分けておくほうがよいでしょう。今の時代、情報というのはほっておいても向こうから大量にやってきます。たとえば、私がいるシステム開発の世界ではプロジェクトの佳境に差し掛かれば日に数百通のメールが飛び交います。そんな状況でに情報をキャッチする都度整理を行っていては、作業が分断されすぎてしまい効率がかなり悪化してしまいます。

まずは情報が集まる場所を確認しましょう。例えば、メール、電話、口頭、郵便受けなど、様々なところから情報はやってきます。また、ご自身で思いついたアイデアのメモ、インターネットで面白いと思ったブログ記事のクリップなどなど、ご自身の手で情報を集めてくることもあるでしょう。

収集場所の例

  • メールボックス
  • 紙のメモ受け(電話や会話などのメモ、アイデアメモなど)
  • デジタルメモ受け(テキストメモ、WEBクリップ、写真メモなど)
  • 郵便受け


面白いのは、情報というのは、やってくる段階ではデジタル/アナログのどちら一方だけではないという点です。

自分でメモを取る場面でも、Fasteverでデジタルメモをとる場合もあれば、RHODIAでメモを残す場合もあると思います。同じような内容を残すのであれば、全部デジタルでもいいじゃないかと思うかもしれませんが、ことはそれほど単純ではありません。

ビジネスの場でも似たようなものがありますが、特に接客業では客前で携帯電話をいじることは好ましくないことと考えられています。それがその店の売り上げを2倍に伸ばす素晴らしいアイデアであったとしてもです。(パソコンにメモを取るのは特にとがめられないのですがこの差は何なんでしょうね ^^;)

■情報をデジタル/アナログにコンバートしよう

私の場合(そして、シゴタノ!読者の多くがそうであるように)Evernoteに全部メモを集めたいという思いがありますので、メモはできるだけデジタルで残したいのです。アナログのメモはほっておけば散逸しますし、検索もできなければタグで分類というのもできないわけですから、古いメモの再利用性は確実にデジタルに劣ります。

先ほどあげたデジタルメモを残すことができない状況や、好み、手書きの効能などの関係で紙のメモをとることもあるでしょう。もしも、紙のメモとデジタルメモの両方に同じような情報が書かれているのであれば、ことさらデジタルとアナログというフォーマットの違いだけでInboxが別れてしまうことは非効率的なのです。

これに対する回答は皆さんすでにお気づきかと思いますが、アナログメモを携帯のカメラで撮影してEvernoteに取り込む・・・つまり、アナログの情報をデジタルデータに変換してデジタルメモのInboxたるEvernoteに入れてしまうということです。

ただし、ここにも例外があり、私が勤めている会社のようにEvernoteが使えない環境にいる場合はEvernoteを仕事上のメモのInboxにはできません。この場合はアナログメモのinboxとEvernote以外のデジタルメモのinboxを用意する必要があります。(私の場合はトレーとATOK Pad for iPhone)

■情報をあるべき場所に配置する

情報をどこに集めるかが決まり、ある程度次は情報をあるべき場所に移す作業を行いましょう。GTDでいうところの処理(問いかけによってその情報がどこに配置されるべきかを明確にする作業)と整理(情報をあるべき場所に配置する作業)ですね。Inboxが「メール」「アナログメモ」「デジタルメモ」「郵便受け」なのであれば、それぞれのInboxを一通り洗う必要があります。

例えばメールを処理している場合、デジタル派の人は、タスクならToodledo、スケジュールならGoogleカレンダー、メモならEvernoteといった具合に情報を配置していくでしょう。もちろん、GTD的に2分以内にできるならすぐにやって、すぐにやる必要があればNextActionに配置して、プロジェクトならToodledoで、先々の予定ならGoogleカレンダーというのもありでしょう。

私の場合は、会社からGoogleカレンダーとEvernoteが使えないという障壁があるので、会社にいる時にはスケジュールであればほぼ日カズン、メモはPCローカルのメモフォルダに配置します。また、前回も書いたとおり、会社にいる時にはToodledoを基本的には使用しないで済むように、その日対応する必要があるタスクは全てほぼ日カズンに書き出し、外で確認したい予定とリマインダーを飛ばしたい予定についてはGoogleカレンダーに転記します。

スライド1

最後に

確かに、メモにしてもセルフマネジメント系の情報にしてもすべてデジタル化してしまったほうが効率がいいかもしれません。しかし、人によっては職業柄デジタルがジェットが使いづらいとか、会社のイントラからクラウドツールにアクセスできないなどの制約があるかもしれません。さらには私のように「手帳愛」をもって好んで手帳を使っている人もいるかもしれません。

望む望まぬに限らず、デジタル/アナログを使い分ける必要がある人は、ぜひ一度ご自身の情報の流れを見直し、デジタルで情報を持つべきところ、アナログで情報を持つべきところ、デジタル/アナログを変換すべきところをデザインしてみてください。

▼今週のPick APP!

今回はDropboxに保存しているテキストファイルを直接編集できる便利なテキストエディタ「Textforce」を紹介致します。このアプリの特徴をざっと挙げると

  • Dropbox上のテキストファイルを直接使える
  • iPhoneとiPadの両方で使えるユニバーサルアプリ
  • 正規表現が使える
  • 検索と置換ができる
  • TextExpanderが使える
  • ATOK Pad for iPhoneと連携できる
  • 画面表示を事細かに設定できる
  • 大辞林やウィズダム辞書と連携できる
  • Evernoteとも連携できる!!

と、超超超盛りだくさん。こんなに連携機能が豊富だと「Textforceをつかってあんなことやこんなことを・・ムフフ」と、思わず情報連携で妄想してしまう悪い癖が出てきてしまいます。

たとえば私の場合だと、iPhoneのフリック入力で使う時にはATOKのインターフェースを使って、Bluetoothキーボードを使う時にはTextforceの画面をそのまま使って・・・と入力のインターフェースを切り替えることができます。その他、Dropboxを経由するので、セミナーのメモをiPad+Bluetoothキーボードで取って、帰りの電車でiPhoneからチェックして、少し編集を加えたらEvernoteに送り込む・・・なんて使い方もできるわけです。TextExpanderと正規表現を組み合わせれば、htmlを書くぐらいなら朝飯前ですね(^^)

今一番熱いテキストエディタアプリ「Textforce」真剣にお薦めです!

Textforce – Dropbox text editing 1.4App
iPhone、iPod touch および iPad 互換 iOS 4.0 以降が必要
カテゴリ: 仕事効率化 価格: ¥230
更新: 2010/12/22


▼あわせてオススメ:

ATOK Pad 1.3.0App
iPhone、iPod touch および iPad 互換 iOS 4.0 以降が必要
カテゴリ: 仕事効率化 価格: ¥1,200
更新: 2010/12/01


TextExpander 1.1.8App
iPhone、iPod touch および iPad 互換 iOS 3.1 以降が必要
カテゴリ: 仕事効率化 価格: ¥600
更新: 2010/11/11


大辞林 1.4App
iPhone、iPod touch および iPad 互換 iOS 3.1 以降が必要
カテゴリ: レファレンス 価格: ¥2,500
更新: 2010/08/17


ウィズダム英和・和英辞典 3.2.1App
iPhone、iPod touch および iPad 互換 iOS 3.1 以降が必要
カテゴリ: レファレンス 価格: ¥2,800
更新: 2011/01/11


 

▼編集後記:
北真也
 自分ちのBLOG

「Hacks for Creative Life!」のサーバーをLolipopからSixcoreに乗り換えました。そもそもターゲットにしている層が違うとはいえ、サーバを変えるだけでこんなに体感速度が上がるとは・・・(^^;)

サーバ移行作業後、一部の方が名前解決できなくなってしまうというトラブルもありましたが、今は無事解消しているようです。せっかくサーバも新しくなったことですし、自BLOGの方も更新がんばっていきたいと思います!


▼北真也:
仕事術をもっとカジュアルに! わかりやすさ重視の「ビギナーズ・ハック」をお届け。Blog「Hacks for Creative Life!」と勉強会「東京ライフハック研究会」主宰。