2月下旬に「9行以内でスパッと言い切れないなら、結局それは伝わらない」という一言に再会して、改めて「確かにそうかも」と頭で納得したので、3月1日から実際に試してみた。
昔、本文が9行のみのメルマガがあった。
短い割に内容が深い。発行者に会って話す機会があり、
秘訣を訊いた。1.行数を気にせずワーッと書く
2.9行に収まるようにどんどん縮めていく
3.9行に収まらなかったらそのネタは捨てる9行以内でスパッと言い切れないなら、
結局それは伝わらない、と。— しごたの/大橋 悦夫 (@shigotano) February 26, 2021
先に言い訳をすると、毎日書き続ける中で以下のような疑問にぶつかりつつ、その都度「例外規定」を作って「運用でカバー」を続けたので、厳密に9文になっていない記事もある。
- 1行の定義は? → 「。」のついた行を1行とします
- 画像は1行に含まれますか? → 含めません
- ツイートは1行に含まれますか? → 含めません
- 箇条書きは? → 箇条書き全体で1行とカウントしましょう(たとえば、この記事)
上記は箇条書きで4つの行からなるが「これはヒトカタマリなので1行」というオーバーライド。
厳密さはさておき、上限を設定することで必然的に「うわ、この行はなくても通じるわ」と書き上げた文章の“ぜい肉”をどんどん削ぎ落とせたり、「こういう風に書けば1行に収まるな」というアイデアが浮かびやすくなった。
普段なら「これを書くならあれも書かないと」と、ボリュームが膨らみがちなレポート系の記事は「さすがに9行では無理だろうな」と思っていたが、試しに書いてみたら意外と書けた(Google Dsicoverに拾われて1.4万PV以上読まれた)。
少ないボリュームで多くを伝えるために、行数を「消費」せずに済むイラストやgif動画を駆使するなど、常に工夫が求められる状況は書きがいがあるし、単純に楽しい。
1980年代に発売された初代ファミコンのソフトは驚くほど低容量で、『スーパーマリオブラザーズ』はわずか40キロバイト、『ドラゴンクエストIV』でも512キロバイトだったという話を思い出したが、当時の開発者たちも苦労しつつも、きっと「小さくまとめるための工夫」を楽しんでいたのではないか。
制約があるから自分を前に進めることができるし、制約があるおかげで文章を切り上げることができる←
上限、有限、制約、いずれも決断を後押ししてくれる強い味方。
— しごたの/大橋 悦夫 (@shigotano) March 14, 2021