そう遠くない未来に確実に起こることは分かっているものの、それが具体的にはいつなのかが未定ながら、それが起こったら速やかに対応したい、という類の、「未定」に限りなく近い「予定」というものがあります。例えば、マンガの最新巻を読み終えた直後に「次の巻を買う」という「予定」はその1つです。
例えば、『進撃の巨人』という作品は、巻末に必ず次の巻の発売日が明記されています。僕はこれに従って、たすくまに「予定」として該当日に登録しておきます。
▼『進撃の巨人』第22巻は4月7日(金)発売です。
これで、発売日になればその日の平和なタスクリスト上に突如として『進撃の巨人』が現れるので、「あぁ、今日が発売日か!」ということで、忘れずに購入することができます。
かくして発売日までは『進撃の巨人』のことは一時的に忘れておくことができます。
問題は、次の巻の発売日が未定のマンガです。
兵糧攻めの責め苦
発売日が未定のマンガについては、普通なら「まぁ、発売されたら買いますかね」ということで、ゆるくウォッチするモードにはいることになります。
これは、「そのマンガの最新巻が発売されたか?」というセンサーを常にオンにしておくことになります。もちろん、仕事が忙しくなったり、もっと面白いマンガに夢中になっていれば、このセンサーは正常に機能しなくなるのですが、時折思い出したように「ところで、あのマンガの最新巻はまだかなー?」と、再びセンサーのスイッチが入ります。
センサーがオンになっている間は「続きはどういう展開になるのかなー?」といった妄想が広がります。楽しい時間です。
が、センサーが稼働している間も、妄想を広げている間も、微量ながらも気力というリソースを消費しています。
テレビでいえばスタンバイモードなので、“待機電力”がかかるのです。
こうして、いつ発売されても良いように文字通りスタンバっているわけですが、いつまでたっても発売されないとなると、だんだんフラストレーションが溜まってきます。これがこうじると、仕事が手に着かなくなったり、代替となるようなマンガ、あるいはそれに変わる享楽を求めるようになります。
モヤモヤを何とか解消したいからです。
一番の問題は、このモヤモヤがいつ解消されるのかの見通しが立たないことです。見通しが立たなければ、待機電力を垂れ流しながら待ちわびることになります。これは極めてストレスフルです。
兵糧攻めにあうようなものです。
もし、発売日が決まっていれば、それまでの期間を何とかやり過ごせるだけの“兵糧”を用意すればよくなるので、気持ちの切り替えもうまくいくでしょう。
例えば「あと3週間したら手に入る」という確約があれば、こちらとしてもきちんと“ペース配分”ができるためにやきもきせずにすみます。「無駄に待たされる」という損失を回避できるのです。
遠距離恋愛中のカップルは次にいつ会えるのかを決めておかないと、関係を継続するのは極めて困難でしょう。
とりあえず未来に置いておく
では、発売日が決まっていないマンガにはどう対処すれば良いか?
僕自身は、「これまでの刊行頻度からして、これくらいの時期には発売されるのではないか?」というアタリをつけた「発売予測日」にとりあえず置いておくようにしています。
発売日前でも、予約販売が開始されることもあるので、気持ちはやめの日を設定しておくのがおすすめです。
そして、たすくま上で「発売予測日」になったら、Amazonで検索を行います。まだ影も形もなければ、「発売予測日」を少し先(例えば、一週間後など)に更新して、ふたたびこのマンガのことは忘れます。
ここで言う「忘れる」とは、後でもう一度思い出すというたすくをたすくまにたくす、ということです。その間、“本体”は気力を温存することができるわけです。
これを続ける中で、正式に発売日が明らかになったら、日付を「発売日」に変更し、当日を待つことになります。
例えば、以下は3月14日(火)のたすくまのタスクリストです。上にある3つは「セクション」を設定していないので、常にリストの一番上にとどまっています。
常に目に入ってきます。
一日の初めに、「今日の楽しみはこれかー」と、確認するわけです。一日の最初に「今日のスイーツ」をチェックするようなものです。
一番上に、次の巻を待っている『闇金ウシジマくん』第39巻が上がっています。この日は「発売予測日」だったのです。これを見て「そろそろ発売日が決まったかな?」ということで、Amazonをチェックしてみたところ、果たして決まっていました。
4月28日(金)です。
ということで、正式に発売日を設定します。
▼『闇金ウシジマくん』第39巻は4月28日(金)発売です。
ちなみに2つ目はKindleで読んでいる『太平記』で、3つ目はHuluで観ているシリーズドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」です。
楽しみを後に取っておく
生きていく上で避けて通れないことの1つに「衝動」があります。
「あのマンガを読みたい」、「あの映画を観たい」という、突如として湧いてくる欲求です。そのたびに、この欲求に駆り立てられるままに「発売日はいつかなー」とAmazonを探し回ったり、「これまでの経緯をまとめているブログを読んで復習しておこう」とネットを徘徊したりします。
当然ですが、これらは「代替行為」に過ぎないので、それで満たされることはありません。手慰みというやつです。
満たされないままに、フラストレーションだけがつのっていきます。
これを避けるためには、「衝動」に弁をしておくしかありません。その弁というのが、「発売予測日」あるいは「発売日」です。
確度の高い見通しを持っておくことが「衝動」への対抗手段となるわけです。
僕自身は、現在放映中のシリーズドラマについても以下のように「これくらいの時期に次のエピソードが始まるであろう」という確度の高い「放映予測日」にそのドラマを観るタスクを置いています。
あるいは「今は忙しいので、この日以降に始まっていたらこの日に観たい」という日を設定することもあります。
▼「シン・ゴジラ」は3月22日(水)にAmazonビデオに上陸予定です。
発売日や放映日が公式に決まっているもの以外に、「この映画は観ておきたい」と思った作品も「だいたいこのへんで」という適当な日に置くようにしています。
上記の一覧でいえば「チャーリーとチョコレート工場」や「ケインとアベル」がそれです。
「何か映画を観ようか」と思ったときに、動画サイトのトップページに掲載されている「新着作品」とか「おすすめ作品」ではなく、自分が観たいと思っている作品(群)が目に入ってくれば、それらの中から選ぶことになり、満足度は上がるでしょう。「そうそう、これを観たかった」という作品のはずだからです。
もちろん、それよりも良い作品が「おすすめ」されている場合もありますが、それはギャンブルなので、できれば避けたいのです。
まとめ
かくのごとく、僕は常々「行き当たりばったり」ではなく「行き当たりぴったり」な毎日を過ごしたいと考えています。
今回はマンガや映画などの「楽しみ」を例に挙げましたが、この仕組みは、なかなか予定が決まらない「待ちの仕事」にも応用できると思いますので、ぜひ採り入れてみていただけたら幸いです。
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