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タスク管理することで、仕事をもっと管理しやすい形にできる



佐々木正悟 時間「管理」でもタスク「管理」でも同じことですが、何かを「管理したい」と思うのは、その対象が「管理しがたい」「ままならない」からです。

  • 仕事はままならない。
  • 時間もままならない。

だから少しでもそれをうまく「扱う」ために「管理したい」のです。

環境が安定しているほど、環境の扱いはラクになる

季節というものがあります。

今はようやく春になろうとしていて、多くの人が花粉症を始めとした、いくつかの軽いアレルギーで悩んでいます。季節の変わり目は概して体調を崩しやすいのです。

では、季節がまったくなかったらどうでしょう?

明らかに、体調を管理しやすくなるでしょうし、日の出・日の入りの時間も、気温も、気候も安定するので、生活もやりやすくなるはずです。

面白味がない、と指摘する人はいるでしょうが、それは「世界は変動する」という現実を脳が受け入れている結果、そのように感じさせるからです。

管理することだけ考えるなら、変動しないほど、負担が減ります。

ですから、タスクや時間を管理する目標として、1つには「生活状況をあまり変動させない」ということがあげられます。

そもそもタスク管理は「容易な方がいい」はずです。これは自明です。タスク管理能力を競い合っているわけではないのですから。

なぜタスクシュートで「ルーチン」をあれほどまでに重視し、たすくまなどでは「これをリピート化するか?」と全タスクについて尋ねてくるかといえば、「ルーチンであると認識する」ことさえできれば、そのタスクを管理する負担が劇的に減るからです。

大橋悦夫さんが、やや「偏執気味」に、「リピートタスクのセクションを固定し、その実行順も決定しておく」ということにこだわるのも、そうできた瞬間から、そうできたタスクの処理効率が急速に上がっていくからです。

わざわざ、強制されもしないのに、季節を真夏にしたり真冬にすることはないのです。寝る時間をわざわざ早めたり遅めたり、食事の時間や形式を常に変更することは、管理を難しくするだけです。

脳はパターンを無意識におさえる

こういう本が出ました。

» 騎士団長殺し :第1部 顕れるイデア編


相変わらず登場と同時にうらやましいまでの売れ行きですが、この本を読んだ人はぜひ自問してもらいたい。

これは、間違いなく村上春樹さんの手による作ですか?
彼が、その文章を書いているところを、その目で見ましたか?
そっくり同じように書くことのできる、ゴーストライターの作ではないと、言いきれますか?
言い切れるとしたら、なぜでしょう?

読者が村上春樹さんのファンであればあるほど、断言できるのでしょう。「私には、わかる」と。

その通りでしょうが、もう少し厳密にいえば、「私の脳には、それを見分けられる」というべきです。

ときにタスクシュート方式に対して、「私の仕事にルーチンはない。なぜなら毎日やることは違うからです」と指摘する人がいます。それはちがいます。

そんな事を言うなら、同じ著者の書いた新作を「同一の作者の作」であると認識できないことになってしまいます。これは認識の問題なのですが、認識とは現実の中にあって、脳がそれをパターン認識できるから認識なのであって、でっち上げの空想ではないのです。

ルーチンをなるべくルーチンとして認識するほど、タスクは管理しやすくなります。

手紙を持っているのに郵便ポストの前を通りすぎてアイスクリームを買って帰ってきてしまうのは、ルーチンタスクを「過去に何度もやったこと」として認識せず、今初めてやったことのように扱う習慣のせいなのです。

どんな郵便物であっても、原則として、毎週月曜日の18時31分、駅前のポストに帰宅途中に右手で出す、というようにしていれば、アイスクリームを買って帰ってきて、手元に手紙が残っているということはなくなっていくでしょう。