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うまく使えばやる気は十分にある



佐々木正悟 やる気をうまく使う。

そもそも、こういう言葉を聞くこと自体、私自身ほとんどありませんでした。

やる気というのは「あればいい」ものでした。
それどころかやる気とは「いつでもあって当然」のものでした。

教師、監督、コーチ、上司、先輩という人たちはみな、次のように言う当然の権利を有しているようでした。

「おまえには、やる気が感じられねえんだ!」

問題はある・なしではなく「みなぎっているやる気を、他人に示すことが出来るかどうか」というレベルだったのです。

「やる気が出せない」などというのは、まるで犯罪者予備軍のようなものでした。私が高校になる前くらいまでは。

気力という貴重なリソースをどう配分するか

時代は変わりました。

私が「やる気の出し方」をテーマにした本を書けば、少なくとも5000部は売れるような時代です。

こんな本を書いても

「やる気がない、だと?!!!!!」

などといった電話やメールや手紙はめったに来ません。

時代は変わったのです。

とはいえ、依然として誰も「やる気とは何か?」について学校でちゃんと習いませんし、まして「わかなくなったらどうするか?」について考える機会もめったにありません。

少なくとも依然として「仕事にやる気を感じられなくなったら」というおおざっぱなテーマしか取り扱われないのです。

私にしてみれば「感じられなくなって」からでは少し手遅れ気味。
それに「やる気になれればそれでいい」というものでもありません。

気力のもとは貴重なリソースだというのが大事な前提です。

過剰にやる気を使って仕事を終わらせるのはいいことではありませんし、「ない」のと「出せない」のと「足りない」のと「乏しい」のはどれも違う。

それに、環境によってやる気が出しやすかったり出しにくかったりします。これも、「環境のせいにするな!」というような単純で非学問的な話ではなく、考察に値するテーマを含んでいるのです。

気力は電池喰らいのスマホのようなもの

1日24時間。起きている時間だけでも17時間前後になるでしょう。

短いと言えば短い時間ですが、いっぱいいっぱいを活用し、仕事をガッツリこなそうとしたら、やっぱり長時間です。

うまく使えば気力は1日保ちます。しかしながら、電池喰らいのスマホのようなもので、ちゃんと充電100%にしつつ、ムダに消耗しないという意識が必須です。

やる気をうまく使うと一言でいっても、いろんな「心得」があるわけですが、絶対忘れるべきではない重要なこと一つを、ここで押さえておきましょう。

「これからやることは、やればムダにならないし、やる気になれば出来る」という見通しをはっきりさせることです。

▼編集後記:
佐々木正悟



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