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デジタルツールの多機能に流されないために「単機能デジタル×アナログ」をハイブリッドで使う



池田千恵新刊『「ひとり時間」で、すべてがうまく回りだす!』を出版してから、時間術・手帳術についての取材・質問をいただくことが増えました。特に色分けして見える化する手法について聞かれることが多いです。

私は、ToDoリストやスケジュールはデジタル管理ではなく、『朝活手帳』に手書きで、4色ボールペンで色分けして記入し、管理しています。

色分けは次の通りで、記入するタスクは全て、この4色のいずれかに分類しています。

  • 赤:種まき(緊急でないけれど重要なこと。具体的には家族や親友、メンターなど自分にとって大事な人との予定)
  • 緑:食いぶち(緊急で重要なこと。具体的には仕事に関わること)
  • 青:日課(緊急だけど重要でないこと。具体的には通院、家の掃除、ネイル、美容院など、環境を整えるために必要な日々のルーチン作業)
  • 黒:思いつき(緊急でも重要でもないこと。具体的には自分でなくてもできることや、やりたくないけれど業務を遂行するために仕方なくやること)

(具体的な記入例は『「ひとり時間」で、すべてがうまく回りだす!』『朝活手帳』に詳しく書いているので参考にしていただけると幸いです)

先日の取材では記者さんに「ここまで細かく管理しているのに、デジタルにしていないのはかえってスゴイですね!」と驚かれました。実際は、色分けを覚えてしまえばあとは信号機のように自分の頭の中で自動的に分類しているだけなので、自分では大ざっぱな管理のつもりだったので意外でした。

確かにそう言われてみれば、デジタルのほうが管理はラクかもしれません。でも、私があえてアナログで記入し続けるのは、自分がデジタルツールの多機能さに流されがちだということを知っているからです。

例えば私はiPhoneを持ち歩いています。大変便利でもう手放せませんが、何でもできてしまうが故につい、やろうとした仕事を中途半端にして脇道にそれてしまうことがあります。

辞書でちょっと調べ物をしよう、と思って起動したはずなのに、いつのまにか、TwitterやFacebookを確認したり、メールチェックしたりし始め、最初の「調べ物をする」という目的を忘れてしまったまま数十分が経過、ということがたまにあります。

このように意思が弱い自分がツールに流されないようにするために、あえてそういった多機能ツールから距離を置く時間を作るようにしているのです。

その一つが、私にとっては手帳と向き合い、スケジューリングする時間です。「紙に記入する」という機能だけしかできない環境にわざと身を置いて、今この瞬間に集中するわけです。もちろんスケジュールチェックをするためにはメールを確認し直したりと、デジタルに頼ることは多々ありますが、一定の時間手帳だけと向き合う時間を作ることを大事にしています。

とはいえ、デジタルツールの便利さを全て捨ててまでアナログにこだわるつもりはもちろんありません。デジタル機器に頼ったほうがスピードや効率化の面で良い場合は、デジタルに頼ります。

ここでお伝えしたいのは、ツールに使われるのでなく、ツールを目的に応じて使いこなしましょう、ということです。

具体的には、単機能のデジタルツールを用途に応じて使いこなすことを提案します。

例えば私は、原稿を書く時基本的にはノートPCを使いますが、ネット環境の誘惑から離れるために、わざと原稿を書くこと「だけ」しかできないデジタルメモ「ポメラ」を持って、カフェに出向いて執筆することもあります。

よっぽど意思が強い人なら、これから執筆する!と決めたらそれに集中し、ネットの誘惑なんてものともせずに書き続けられると思います。しかし私の場合はそこまで意思が強くないので、あえて、目的以外のことができないような状況に自分を追い込んでしまうのです。

このように、デジタル機器でもわざと機能が絞られているもの(単機能デジタル機器)を使ってみると、多機能で一つにコンパクトにまとめられているものを使うよりもかえって生産性が向上する場合があることを実感しています。

それしかできないからこそ、そのことに集中できるのです。

「なんでもできる」と思うと安心して、頼り切ってしまいます。その結果、後から考えると「結局なんにもできていなかった」に繋がる可能性もあります。そうならないためにも、わざと自分をちょっとだけアナログに持って行く時間を大事にしてみてはいかがでしょうか。


▼編集後記:
池田千恵



去年発売した朝活手帳はお陰様で好評いただき、『朝活手帳2012』もめでたく出させていただくことになりました!

もうすぐ最後の校正が終了します。朝活手帳の特長のひとつが、読み物としても楽しめること。手帳なのに、3分の1が読み物欄です。前書きや早起きのメリット、月別コラムは全部書き換えました。

また、マンスリー・ウィークリーページも、ここ1年の朝活手帳ユーザーさんの意見を取り入れつつ、使いやすいようリニューアルしました! 11月はじめに発売予定です。どうぞよろしくお願い致します!


▼池田千恵:
前向き早起きエバンジェリスト。朝を有効活用してビジネスの基礎体力をつける「Before 9(ビフォア・ナイン) プロジェクト」主宰。