早起きしたいけどなかなか続かないという方は、どこかで「早起き=辛いもの」というイメージを持たれているのではないでしょうか。おそらく、早起きをしようとしたのにうまくいかなかった経験があって、それがひっかかりとなっているのでしょうね。私も昔、夜型だったところを朝型に一気に切り替えた経験があるので、その気持ちはよく分かります。
「早起き=辛い」を断ち切るため、私は「楽しい」「おいしい」「気持ちいい」を意図的に朝に持っていくことをおすすめしています。
寝る前に、明日の「楽しい」「おいしい」「気持ちいい」を思い浮かべることで、「よし、早起きすれば、あんなこと、こんなことができる!」と気分を盛り上げるのです。
例えば私の今朝の楽しい、おいしい、気持ちいいはこんな感じです
- 楽しい= 好きなアーティストのライブ映像を見ながら化粧する
- おいしい=好物のアボカドサラダを食べる
- 気持ちいい=朝シャワーを浴びるとき、お気に入りのアロマオイルを床に数滴たらす
こうして、ちょっとした「気分をアゲるスイッチ=アゲスイッチ」を持っておくことで、朝起きるのがだんだん苦痛でなくなってきます。
中でも、私のイチオシの「アゲスイッチ」は早朝読書です。最近ツイッターやfacebookに読書時間が浸食されがちではありますが、本が好きで2日に1冊は本を読んでいます。ジャンルはビジネス書が多いのですが、小説や自伝なども読みますし、レシピ本やお酒関連の本を読んだりもします。この「読書」には、雑誌や新聞からの情報収集も入っています。
朝読書をするメリットは2つあります。
- 外部に中断されないから、集中できる
- 本で得た知識を、ブランクなしにすぐ実践できる
1. については朝の効用として多くの方がおっしゃる通りです。邪魔されないから集中力が高まる上、朝は前日の情報が脳内で整理済みのため、夜に比べて頭に情報が入りやすくなるそうです。実際私も、夜に比べてアイディアがどんどん浮かぶのを実感しています。
- ももちろん大事なメリットではありますが、実は今回、特に私が強調したいのは2.のメリットです。
夜、本を読んで、「へぇーなるほど。試してみよう」と思っても、一晩寝ると何を試すのか忘れてしまうことってありませんか? 電車の移動中などのコマギレ時間で読書しているとき、そのときはいいな、と思ったアイディアも移動先につくと忘れてしまったりしませんか?
朝のまとまった時間で読書をすると、腰を据えて読めるから意識が分散しない上、試してみよう、と思ったことをすぐに実践できるようになるのです。「鉄は熱いうちに打て」とはよくいったもの。得た知識にブランクを入れず、すぐに実行することで、さまざまなスキルアップが可能になるのです。
私は前職の外資系コンサルティング会社にいるときにこの威力を実感しました。
例えば上司とあまりうまくいっていないときは、コミュニケーションスキルやアサーティブスキル(相手も自分も大事にして自己主張する)の本を読み、そこに書いてあることを一つ一つ、9時からの始業時間で実践するよう心がけました。
あるときは、パワーポイントに関する本を読み、そこで得た小技を使って業務の簡略化に挑戦してみました。
またあるときはビジネス小説を読んで、主人公の気持ちとクライアントの気持ちを重ね合わせて感情移入し、お客様のために自分ができることは何かを考えました。
もちろん、それがすべてうまくいったわけではありませんが、こうして得た知識を朝イチからすぐ実践すると、すいすい内容が頭に入って「気持ちいい」上、トライ&エラーを繰り返すことで仕事のスキルが上がっていくのが「楽しい」のです。
これは何も、ビジネス書に限ったことではありません。例えば朝読んだ雑誌にオフィス近くのおすすめランチ情報が載っていたら、今日のランチはそこにしよう、と決める。そんな些細なことでもいいのです。「いつか行こう」じゃなくて「今日行こう」と決めることで、また新たなお店情報ストックが増える。これもまた楽しいことですよね。
早朝読書をして、得た知識をすぐ行動する気持ちよさ。やみつきになりますよ。ぜひ試してみてくださいね!
最近朝食会や早朝勉強会に参加する頻度が上がってきて実感するのが、「いってらっしゃい」という言葉の前向きパワーです。朝集まると、解散するときに「お疲れ様」じゃなくて、「いってらっしゃい」が自然と出てくるんですよね。「お疲れ様」よりも、「いってらっしゃい」のほうが、「よし、今日も頑張るぞ!」と思えるから素敵だなーと感じています。
▼池田千恵:
前向き早起きエバンジェリスト。朝を有効活用してビジネスの基礎体力をつける「Before 9(ビフォア・ナイン) プロジェクト」主宰。