電子書籍をまず1冊読むとしたら

もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら
岩崎 夏海
ダイヤモンド社 ( 2009-12-04 )
ISBN: 9784478012031
おすすめ度:アマゾンおすすめ度

もちろん、『Evernoteハンドブック』を読みましょう! と言いたいのは山々ですが、著者としてそれはなんですから、今回は『もしドラ』の愛称で親しまれている本書を取り上げてみることにしました。

私はこれを、iPhoneで読みました。理由は簡単で、「お得感」があったからです。手元で買える。値段は安い。話題性も豊富。アプリストアを開いたら見つかった。

『Evernoteハンドブック』とはちがって、本書は「紙の本」として先に発売された本です。著者はがiPhoneアプリとしてだしたかったのかどうか、もちろんはっきりしません。そういう「本」でも、iPhoneで十分読めるのかどうか。それを知りたかったのです。


そしてわかったことは、十分に読めるということでした。もちろん、ブログやニュース記事をこれまでiPhoneで読んでいたわけですし、ScanSnapで取り込んだ書籍も読んではいたのですが、一行も読んだことのない「本」を読むとなったらどうなのだろう、という不安や疑問はあったのです。

それに私は、本書を読みたいと全く思っていませんでした。『マネジメント』は読んだことがあったし、そのダイジェスト版も読んだことがあったので、それを学ぶための物語まで読みたいとは、正直思いませんでした。そこまでドラッカーに傾倒するべき理由を持っていませんでした。

さほど読みたいと思っていない本でも一冊まるまるiPhoneで読み通せるか。これはそれなりの挑戦でした。紙の本なら時々やってしまうことですが、iPhoneでは明らかに紙の本よりやりにくいでしょう。画面は小さく、読み慣れてもいない。

ところが、想像以上に読みやすかったのです。トイレで、短時間の間に読み終えることができました。著者が言っているとおり「ライトノベル風」だったこともありますが、やはり字が大きく、フォントがきれいであることは、読みやすさに大きく資するということがよくわかりました。

1冊読み通すということは、なかなか大事です。子供の頃、初めて読み通したマンガは『火の鳥』でした。たぶん、幼稚園の年中だったと思います。4歳か、5歳の、病床でしょう。読み終えたとき、頭が老いた卑弥呼に占められて、熱が上がりました。何事も、最初は大変なものです。マンガを読むようなことであっても。

「物語」を自分で一冊読み通したのも、同じ時期だったか、ちょっと先だったか。マロの『家なき子』でした。今思うと、あまり好きになれない物語ですが、当時は異常に興奮し、真剣に読み終えた記憶があります。たぶん、自分が捨てられることへの恐怖感をかき立てられたのでしょう。これを読んだあとには、病気になりました。(苦笑)

留学中には、英書を初めて一冊読み通すことができました。『フランケンシュタイン』でした。恥ずかしながらというか、これは邦訳で読んだことがなかったのです。この本を読んだとき、生まれて初めて「英語で読んでいる感覚」が意識から落ちていました。身体もやっと健康になれていたらしく、読後の発熱もなく。

そして、最初に一冊読み通した電子書籍が『Evernoteハンドブック』をのぞくなら、『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』だったのです。やっぱり、自信がつくものです。「これで十分に読める」という自信です。

インクの匂いとか薫りとか石版とか巻物とか図書館とか、いろいろな議論があるのは周知のことですが、まずは電子書籍を一冊読んでみることをオススメします。読んだ感触がいくつかないと、話は始まらないでしょう。話は書籍の話ですから。

そのときはまず、自分の能力が十二分であるような本を選ぶといいと思います。いくら私の精神年齢が高くないと言ったって、三十にもなって『フランケンシュタイン』でもありませんが、英書であればこの辺が妥当だったのです。『フィネガンズ・ウェイク』を読んだのでは、私の場合、挫折したに決まっています。

同じ理由から、たとえ無料で読むことのできる電子書籍だからと言って『神曲』を選ばない方がいいと思うのです。

▼編集後記:
佐々木正悟

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『iPhone情報整理術』台湾版ができあがったとのことで、自宅にも3冊届きました。

全く読むことはできませんが、やはり漢字ですし、書いたのは自分ですから、わかるところはわかってなかなか楽しいです。

これがどのくらいの売れ行きになるのかといったことは、さっぱり想像もつきませんが、評判がよければいいなあ、と思います。台湾でも裁断機とかScanSnapなどが人気なのでしょうか。

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