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人から見たスピードをアップさせるための5つのポイント/今日からできる仕事術・第4回

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西村克己同じ努力をしても、人から早いと思われる人と、要領が悪いと思われる人がいます。その違いは、人から見たスピードを考えているか否かにあるのです。

1.10~20分以内で済むことは即やる

10~20分以内で済む仕事を、いまどれくらい持っていますか?

もし1つでもあるとしたら、スグに完了させてください。

たとえば、人事総務などから提出書類の依頼があったときは、その日のうちに出してしまいます。申告書の作成であれば、10~20分以内ですむでしょう。納期が翌週でも、すぐできることはスグやるのです。スグやれば、1つその仕事が終わり、自分の気分もすっきりします。

ここで大切なのは人から見たスピードです。10~20分以内で済む仕事はいつでもできると思い、1つひとつの仕事が後回しになってしまいます。

スグできる仕事を優先して片づけると、人から見たスピードがあがるのです。なぜかというと、スグできる仕事は、時間がかかる仕事に比べて、件数が案外多いのです。件数が多いので、早く完了させていることが目立ちやすいのです。「仕事が早いね」をほめ言葉にもらえるように人から見たスピードに気を配りませんか。

2.メール処理はリアルタイムを心がける

スグできる仕事の典型例が、メール返信です。

メール処理はリアルタイムを心がけましょう。

リアルタイムといっても、常にメールを見ているべきという意味ではありません。メールを開いたときは、その場で全て処理すれば十分です。返信が必要なものはその場で返信します。

返事のために準備が必要で結果の返信までに時間がかかるメールもあります。

たとえば、資料を作成するとか、多くの人との調整が必要な場合です。スグに結果を返信できない場合は、「いつまでに結果を返信します」と連絡を入れることが効果的です。「相手はメールを確認してくれたな」「いつまで待てばいいんだな」と、一件落着するのです。

メール処理のリアルタイムを心がけるだけでも、「仕事が早い」という印象を相手に与えられます。メール返信が早い人ほど、実際の仕事の要領がいいのです。仕事ができる人は、メール返信の早さで相手を評価します。

仕事ができる人は、仕事ができる人、スピード感覚を持っている人だけと仕事をしたいのです。仕事ができる仲間、仕事ができない仲間、あなたはどちらの仲間に入りたいですか?

3.相手の期待より少しでも早く回答する

相手の期待より少しでも早く回答すると、相手は「仕事が早いね」と思ってくれます。納期ギリギリだと、相手も不安になります。

仕事ができる人から見れば、納期ギリギリの人に対して、「やっつけ仕事をしたな」と感じます。仕事ができる人は、スケジュール管理がしっかりしているので、納期ギリギリの人は信用できないと、悪い評価を下すのです。

納期前に仕事を完了させましょう。特に完成までに時間がかかる仕事は、少なくとも2~3日前には完了させましょう。

たとえば、月末の納期であれば、「25日までに完了する」という決意を持ち、スケジュールに時間を確保するのです。

時間がかかる仕事に限らず、相手の期待より少しでも早く回答することを心がけます。納期を守ればいいと考えている人は、納期ギリギリか、時間切れで結果的に手抜きになるか、納期を遅れるかのどれかに陥りやすいのです。

4.うっかり忘れを防止するためにメモを活用する

うっかり忘れで納期遅れや、納期ギリギリになることもあります。うっかり忘れを防止するために、メモを活用しましょう。メモを持ち歩く、携帯電話などの携帯端末をメモ代わりにするのも一案です。

会社にいないときに気がついたことは、うっかり忘れ防止のため、会社の自分のメールアドレスにメモ書きを送信するのです。

たとえば、やり残しの仕事に気がついたとき、アイデアが浮かんだときなど、メモをメールにして自分にメールを送信しておくのです。帰社したときに思い出せるのでとても便利です。

To Doリスト(第2回で紹介)も、うっかり忘れを防止するためにメモといえます。人間は忘れやすい動物です。コンピュータなら記録できますが、人間の記憶力に過信は禁物です。メモの使い方を工夫し、仕事の効率をあげましょう。

5.無精を返上する

仕事のスピードを上げるために重要なことは、無精を返上することです。

何ごとも、無精では大成しません。無精は無精をよびます。無精になると、やる気がどんどん吸い取られていくのです。その結果、頼りない顔の表情になり、仕事のスピードもどんどん低下していってしまいます。

やる気は、やる気を生みます。やる気を起こす原動力は「達成感」です。小さくてもいいから、達成感を味わってください。最も簡単な達成感は、To Doリストの1項目が完了したとき、「1つ終わった!」と自分に問いかけます。1つ終わった達成感を味わうことで、次の仕事の活力につながります。

おわりに

今回は、人から見たスピードをあげることの重要性とテクニックについてご紹介しました。

10~20分以内で済むことは即やる、メール処理はリアルタイムを心がける、相手の期待より少しでも早く回答する、このどれ1つをやるだけでも、人から見たスピードをあげることができます。

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(本書序章より)

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▼西村克己:
岡山市生まれ、大学教授、経営コンサルタント。富士フイルム、日本総合研究所を経て芝浦工業大学大学院「工学マネジメント研究科」教授に就任。専門分野は、経営戦略、戦略的思考、論理思考、図解思考、タイムマネジメント、プロジェクトマネジメント。現在までに96冊の著書がある(累計180万部)。