いま書店に並んでいる日経ビジネスアソシエ(10/4号)の特集は、
「いつもクールに目標を達成する人の【1日 1週間 1ヵ月】 行動習慣」
ということで、ざーっと読んでみました。目に付いたところを拾うと、
・仕事が最もはかどる曜日と最もはかどらない曜日は?
・仕事が最もはかどる時間帯と最もはかどらない時間帯は?
・1週間は日曜日から始まっている
・ワーク・ライフバランスを保つチェックリスト
・タイムマネジメントの究極の目標
・色分け予定表
・仕事日記
・時間の総量管理
・細切れ時間を活用するコツ
・時間を「寄せて上げる」
・ランチ同窓会
・残業は一切禁止
などなど。その中で一番最後に挙げた「残業は一切禁止」に注目してみます。
これを実践しているのは、下着メーカーのトリンプ・インターナショナル・ジャパン。
…我社の本社では、バックオフィスの照明を1つのスイッチで消すシステムを導入し、18時半には明かりを消してしまう。特別に申請があった場合を除いて、残業は一切禁止です。
また、課長以上の管理職には、毎年連続2週間の休暇を取るよう義務づけています。プライベートが充実していないと、仕事に集中できるわけがないというのが私の信念です。
そうしたメリハリのある「ルール」を少しずつ築いてきたおかげで、我社は18年連続の増収増益となりました。残業を廃止し、社員の労働時間が減少したにもかかわらず、売り上げは私がこの会社にやってきた18年前と比べて約5倍増です。
その間、本社勤務の社員数はほとんど増えていません。社員が5倍のスピードで働き、5倍の仕事をこなし、5倍の商品を売れるようにしたのです。
以上、同社社長の吉越浩一郎氏のコラムより。
そういえば、はてなも19時には退社するそうでした。
一般のIT企業は夜遅くまで働くイメージが強いのですが、はてなスタッフは朝10時に出社し、19時には帰ります。短時間でいかに効率的に動くかを考えるので、集中力が上がります。「遅くまで働いている人が偉い」という文化は作りません。
共通するポイントは、短時間で効率的に。言い換えればスピードです。吉越氏によると、
スピードは努力次第で誰でも速めることができます。そのためにはどんどん仕事の数をこなして、スピードアップする訓練を続けることが必要です。デッドラインを前倒しにしていけばいいのです。急ぎの案件でなくても、今日の課題は今日中に対応することが我社の鉄則となっています。
個人的によくあるのが、「見積もりは来週中に下さい」と言われて「じゃ、来週になってからやろうっと」ということで「来週」の月曜日のタスクとしてスケジュールに組み込んでしまう仕事癖(シゴヘキ)。で、実際に週が明けるとそれまで見えていなかったタスクがたくさん押し掛けてきて、結局「見積もり作成」はずるずると金曜日までスライドしていくから不思議です。
そして、後になればなるほどそのタスクにかかる所要時間も増えていきます。なぜなら、営業に行ったその日のうちであれば記憶が鮮明なのですぐに作業に取りかかることができますが、日が経ってしまうと「思い出す」という新たなタスクが増えるからです。この時間がスピードアップを妨げます。
そこで、スケジュールを組む段階で、予めわかっているタスクに加えて、その日のタスクから派生して生まれるであろうタスクの“下ごしらえ”のための時間を組み込んでおくとよさそうです。
例えば、営業訪問の予定がある日には、そこから発生するであろう、
1.見積もり作成
2.関連する協力会社への打診・連絡
3.お礼メール作成
といった次のタスクのための“下ごしらえ”のための時間を確保しておくのです。こうすることでその日にすべきタスクはもちろん、これに続くタスクの処理も滞りなく進められそうです。
そういえば、「先送りを繰り返さないようにするコツ」というエントリでも、先送りする前に、今すぐ2分以内でできることはやってしまう、それ以外はやるべきことをリストアップしたうえで送り出す。という方法を紹介していましたが、これも“下ごしらえ”と言えるでしょう。
<仕事のスピードをアップさせるコツ>
次のタスクの“下ごしらえ”の時間を確保しておく