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ノートの種類と選び方のコツ/ノート術企画第一回

倉下忠憲
先日シゴタノ!の「『マンガでわかる!スピード仕事術』第2弾のネーム(下書き)を公募します(採用者には印税をお支払いします)」というエントリーでノート術のアイデアが公募されていました。それに合わせる形ではないですが、しばらくノートについて考えてみたいと思います。

ノートは知的生産の場面でも、ビジネスシーンでもあるいは学生生活においても幅広く使われているものです。最近は「ノート術」に関する本も多数発売され人気が出ているようですので、ノートに関して興味を持っている方も多いのでしょう。

実際の所、白紙のノートの使い方というのはかなり自由度が高いものです。紙出てきているので加工もしやすく、自分なりのカスタマイズをされている方も多いでしょう。ノートと相性の良い文具など探せば多く見つかります。

ノートに関する情報はたくさんありますが、まずノートに関しての基本的な情報から紹介していきましょう。

 

ノートの種類

そもそも何を持って「ノート」と定義づけるのか、というのが難しいぐらいに、多様な紙ツールが発売されています。一般的にイメージされるノートは「ノートブック」タイプでしょうが、手帳(モレスキンなど)やメモ帳(ロディアなど)も広い意味でノートとして捉えることもできます。あるいはルーズリーフとバインダーのセットも考え方によってはノートと言えるでしょう。この「ノートについての連載」ではこういったものを含む幅広い意味でノートというのを捉えていきたいと思います。

さて、ノートを選ぶ際のポイントとなる要素から考えてみましょう。ポイントは次の4つがあると思います。

  • 綴じ
  • 罫線
  • サイズ
  • 紙質

綴じ

綴じ方の種類はノートの運用に大きく関わってきます。大雑把に分けると「綴じノート」「リングノート」の2種類があります。大学ノートといって一番先に思い浮かべるのが「綴じノート」だと思います。一口に「綴じノート」といっても製本の種類はさまざまあって使い方に影響を与えます。「リングノート」は紙をリングで束ねてあるもの。このリングにもいくつか種類があるのですが、蘊蓄の分野になりますので省略しておきます。

一般的に「綴じノート」は「リングノート」に比べて、かさばらない、見開きでノートが使える、というメリットがあります。対して「リングノート」はページの切り離しが簡単、二つ折りの状態で書きやすい(省スペース)、というメリットがあります。

この2種類に加えて、バインダー式のノートもあります。これはもともと綴じていない用紙をあとでまとめるという運用になるので、上の二種類とはまったく異なった運用になります。

罫線

用紙に書いてある線です。横罫、方眼、無地が一般的ですね。横罫にも線と線の間隔にいくつかの種類があります。方眼にもマス目の大きさに違いがあります。あまり細かく考え出せばきりがないので、基本の横罫、方眼、無地という所だけは押さえておいた方がよいでしょう。

紙書かれているこれらの線の種類や有無によって使い心地は大きく変わってきます。

サイズ

ノートのサイズはA6(小さめ)からA4(大きめ)までバリエーションがあります。ノートのサイズが大きければその分書き込める量は増えます。また小さい場合は小回りがきいて、書き込みたいときに直ぐに書き込めるというメリットがあります。またAサイズとBサイズの違いもあります。

紙質

ノートを使い始める人が軽視しがちなのがこの「紙質」です。自分がよく使う筆記具との相性もありますが、書き心地が悪いノートは徐々に心理的距離が空いてしまうものです。書きやすさというのもノートを選ぶ上では重要なポイントになってきます。

 

ノート選びのコツ

以上のようなノートの種類と特徴を踏まえた上で、実際に使うノートを選んでいきましょう。その際に考慮すべきポイントは3つあります。

  • 書く内容
  • 書くシチュエーション
  • 書いた後の処理

書く内容

ノートに書く内容です。文章主体なのか、イラストを混ぜるのか、それともイラスト主体なのか。これによって罫線・方眼・無地の選択が決まってきます。また、ちょっとしたアイデアを書き留めるのにB5のノートは大きすぎるでしょう。逆にアイデアを拡げるのにA6のノートでは小さすぎます。

思考というのは枠組みで規定されるようなところがあります。Twitterの140字制限は発言の敷居を下げて、かつまとまった内容にする事を促しますが、小さいノートを使うのも同じような効果があります。

ノートに何を書いていくのかをイメージしておくと罫線やサイズの選択がやりやすいと思います。

書くシチュエーション

「どんな状況でノートを書くのか」もノート選びのポイントです。日常的に持ち歩くならば文庫本サイズのA6が良いでしょう。逆に机の上に拡げるならばB5やA4を使ってのびのびと書くことができます。同じ机の上でもパソコンのキーボードと一緒に置くならば、A5サイズのリングノートが場所を取らないかもしれません。

また、移動中にノートを広げて書く可能性があるならばリングノートが良いでしょう。綴じノートでも表紙カバーが固いものならば可能ですが、それ以外のもので若干書きにくい面があります。ルーズリーフはクリップボードなどが無ければほぼ書き込むのは不可能でしょう。

そのノートを使う状況というのも事前に想定しておいたほうがよいでしょう。

書いた後の処理

ノートに書いた内容をあとでどう使うか、それもノート選びのポイントになってきます。時系列でまとめておきたい、というのであれば綴じノートが一番の選択です。逆に必要なものを切り離して別の情報と関連づけたりするならばリングノートやルーズリーフがよいでしょう。

これはノートを書き終えた後の状況を想定しておく、ということです。

 

まとめ

ノートの種類についての大雑把な説明と、ノート選びのコツについて紹介しました。大きめの文具店にいけばさまざまな種類のノートが販売されています。何か凄そうなノートもたくさんあってどれを使えばよいのか悩む、という事があるかもしれません。

まず、日常的な場面を想像してみてください。どういう内容をどこで書いて、どんな風にそれを使うのか。それがイメージできていないと、「新しいノートを買ったものの・・・」という状況になりがちです。

まず自分のスタイルを観察し、それに合ったノートを選ぶ、というのがノート選びの第一歩になります。ノートに合わせて自分のスタイルを変える、というのはうまくいかない場合が多いので注意した方がよいでしょう。

 

▼参考文献:

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先週の日曜日の「東京ライフハック研究会第二回」に参加したときに持って行った本です。再読、というか何度読み返したかすでよく分からない本ですが、私の仕事についての考え方の基本になっているような本です。ストーリー仕立てなので読みやすいと思います。

「あるべき状態より、良くあること」

これはドラッカーの「仕事において真摯さを重視する」に通じるものがありますね。これから仕事に就く、という若い方にぜひ読んでもらいたい一冊です。

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▼編集後記:
倉下忠憲
明日より私が運営するメルマガ(有料)が創刊になります。

 
最新情報を盛り込む、というのは今までの仕事術の再考や最近のトピックスを一歩俯瞰して考える、というような内容が中心になっています。興味のある方はこちらからサンプル号をお読みください。

 
▼倉下忠憲:
新しい時代に向けて「知的生産」を見つめ直す。R-style主宰。