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マーケティングやネット集客に関するノウハウを身につけたいなら最初に読みたい一冊



大橋悦夫フリーランスで仕事をしている友人から以下のような質問が届きました。

大橋さーん!
マーケティングやネット集客に関するノウハウ本で、おすすめの本ってありますか?
無知なのでお勉強したいのです。

本人より許可をもらいましたので、この記事の中で回答したいと思います。

まず、前提として、この友人はすでにイラストレーターとしての仕事の実績があります。

ただ、友人・知人を介しての、ごく限られた範囲内での活動が主であり、今後は“外海”に飛び出し、“大航海時代”にコマを進めたい。

今回の質問からは、そんな野望の片鱗が見え隠れします。

質問を受け取ってから、「あぁ、そういう本ならたくさんあるぞ」と思って、何冊か見つくろおうと書棚に目をやりました。

でも、そこでふと手が止まります。

僕自身もまさに今回のような課題を抱えて、本を探し求め、読みあさり、試行錯誤を重ね、そして今に至るのですが、これまでに読んできた数々の本は本当に役に立ったのか? というと、実はそうでもないような気がしているからです。

もちろん、何も知らない段階で読めば、どの本も役に立つ内容ではあったのですが、それが当時の自分の悩みに答えてくれていたわけでは必ずしもなかったからです。

どうすればいいのかは分かっている。でも、どうすればいいのか分からない…

「役に立つ」とは、「○○なときにどうすればいいか?」という疑問に答えてくれるということです。

でも、この「○○なときにどうすればいいか?」という疑問が持てる段階というのは、実はかなり先のステージであり、そこに至る以前に横たわる問題を解決しない限り、たとえ「正解」を手に入れたとしても、それを活かしきれないのです。

言ってみれば、目的地は見えているのに、そこに至る道が閉ざされている状態。

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その結果、「どうすればいいのかは分かっている。でも、どうすればいいのか分からない…」という、傍から見ると極めて不可解なループに陥ったうえに、「え、分かっているなら、なんでやらないの?」という当然の質問を浴び続けることになります。

実は僕自身も、まさにこのループにはまっていた時期が長く、今でも少し引きずっているところがあります。

なので、えらそうに人に教えられるような立場にはないのですが、それでも、当時の僕には見えていなかったことが、ようやく見えてきたという手応えが今ははあります。

まず、先ほどの「どうすればいいのかは分かっている。でも、どうすればいいのか分からない…」というループは、より詳しく書くと、

  • 「仕組みは分かっている。でも、どこに入り口があるのか分からない」

ということなのです。

例えば、「ブログを書けばいい」とか「メルマガを配信すればいい」とか「資料請求ページを作ればいい」といった、仕組みを構成するパーツ一つひとつの働きは理解できるし、作ろうと思えばすぐにでも作れるし、あるいはブログならすでに書いているし、という段階にいるにもかかわらず、それらをどのように組み合わせれば「仕組み」として回り始めるのかが分からない。

いや正確には「組み合わせ方が分からない」のではなく、「自分がそんなことをやってもいいのかが分からない」のかもしれません。

だから、「こんな自分でもこういうことをやってもいいと思わせてくれるような仕組みがどこかにあるんじゃないか?」という全身をやさしく包み込んでくれる心地よい繭(まゆ)のような考え方が生まれ、この繭の中に身を置いている限りは「分からない」というループを回り続けることになります。

まだ自分が知らない何かいい方法があるんじゃないか?

なぜ心地よい繭の中にとどまってしまうのか?

それは繭の外があまりにも過酷に感じられるからです。心の奥底では「もっとどんどん自分(の商品)を出していきたい」というマグマがぐつぐつと煮えたぎっているのに、そのための「やり方」というのがどうにもしっくり来ない。

「このやり方で多くの人がすでに成果を出しているから、あなたもこのやり方でやれば成果が出せる」

頭では分かるのですが、人というのはどこか「でも、自分は人とは少し違うから、同じやり方ではうまくいかないのではないか?」という不安を抱くようです。

これは一見すると自己卑下しているように見えますが、実は逆で「ほかの人と一緒にされたくない、自分は自分独自のやり方で成果を出したいのだ」という、ごう慢さとも思える、根拠なきエリート意識があったりします。つまりプライドです。

そういったプライドが邪魔をして、既存のやり方という「型」に自分がはめこまれることに抵抗を覚えるのです。

そしてこの抵抗は、せっかくこれまでに手塩にかけて育ててきた自分の「独自性」というものが失われてしまうのではないか、という不安を引き起こします。

否。

そもそも「独自性」などという特別な何かが自分の中に存在しているのかは疑わしい。もし何の独自性もなかったとしたらどうしよう。

不安の正体はこの「独自性疑惑」にあります。

それがゆえに、「こんな自分でもこういうことをやってもいいと思わせてくれるような仕組みがどこかにあるんじゃないか」という居心地の良い繭の中にとどまることになるわけです。

必要なのはノウハウではない

つまり、ひたすら「ノウハウ」を求めるのです。

ノウハウとは「これをやれば成功できる」という「正しいやり方」。

本当に必要なのは、しかし、「これをやると失敗する」という「間違えるやり方」だと思うのです。僕自身、失敗をくり返してきた中で、もはやそうとしか思えなくなりました。

まだ成功していない人にとって、「正しいやり方」は当然のごとく未知であり、従って不安がつきまといます。

一方、「間違えるやり方」はまだ成功していない人でも「あ、そのやり方すでに自分もやってる! だからうまくいかないのか~!」というガッテンを引き出してくれたり、「うわー、これはひどい…。その点、自分はまだマシじゃないか!」という勇気を与えてくれたりします。

そんな「間違えるやり方」を、著者自らの赤裸々な体験談ととともにふんだんに紹介しているのが、以下の一冊です。

» 真経営学読本


著者は福島正伸さん。

新卒で入社した会社を入社したその日の午前中、すなわち半日で辞め、「仕事」とはどうあるべきなのか、どうあらしめたいのか、という哲学的な問いを自らに突きつけ続け、答えを得るために行動し続けている方です。

本書は、そんな福島正伸さん自らの“底辺”から「うまくいく」ところにまでよじ登っていくまでの過程を記したドキュメンタリーと言えます。

「何をやってもうまくいきません」

例えば、以下は少し長くなりますが、まさに「よじ登っていく過程」の一部です。

事業を始めたばかりのころ、私は、毎日「こういう仕事ができます」「ああいう仕事ができます」と言って、飛び込み営業をして回りました。

ただし、お金がなかったので、チラシもポスターも作れません。どうしたかというと、裏が白紙の新聞折り込みチラシを集めて、その裏面にマジックで手書きして作ったのです。しかし、表面は他社のチラシですから、置いて帰ることもできません。その場で見せるだけです。

名刺は、ノートをハサミで名刺サイズに切って、手書きしました。何度も突き返されました。投げ返されたこともあります。なんと、その名刺を持って銀行に行き、担保も何もないまま、借り入れの申し込みをしたこともあります。それほど何もわからなかったのです。当然、融資の相談なんて乗ってもらえるはずもありません。

まったく誰も相手にしてくれませんでした。「こんなにも、人は話を聞いてくれないものなんだ」。私は、痛感しました。どうして事業がうまくいかないのかわからず、最初は本ぼかり読んでいました。

「こうしたらいいのではないか」
「ああしたらいいのではないか」

いろいろなことをしてみました。四つの事業に挑戦しましたが、何をやってもうまくいきません。たった1円の売り上げすらあげられません。

こんなにも事業が難しいものだとは、思ってもみませんでした。創業さえすれば、やりたいことができると思っていたのです。しかし、一歩踏み出した途端、壁にぶち当たり、すぐに心は折れてしまいました。四つの事業に失敗した私は、アルバイトをしながら、なんとか生活している状態でした。

五つ目の事業を始めようと思った時、ふと、「ああ、これも失敗するな」と思いました。たった四つしか失敗していないのに、これから自分がやることは、すべてうまくいかないに違いないと思ったのです。成功のイメージがまったく湧きませんでした。もはや失敗のイメージしか湧いてきません。

やる気もモチベーションも失っていました。いったい何をどう進めていけばいいのか、まったくわからなくなりました。本で読んだ経営と現実の経営とは、雲泥の差があったのです。

「資金も、実績も、経験も、何もない自分は、もう何もできないのではないか?」

おそらく、多くの方にとって「え、そんなレベル?」と思われるかもしれません。

でも、ここから先は極めて少しずつではありますが、「うまくいく」ようになっていきます。

この本の読者は、「うまくいく」という頂上に至る過程のどこかで立ち止まったり野宿したりしているでしょうから、読み進めるうちに「あ、自分が今いるのはここだ!」という“現在地”を発見するでしょう。

そこから先は、福島正伸さんと一緒に登っていくことができます。

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当初の友人からの質問、

マーケティングやネット集客に関するノウハウ本で、おすすめの本ってありますか?

に直接には答えられていないかもしれません。

でも、僕自身まさにノウハウを求め続けたのにどこにもたどり着けず、その過程で出会った福島正伸さんの本やセミナーに救われたので、役に立つかは分かりませんが、次にどうすればいいのかの答えは見つけられるのではないかと信じています。

» 真経営学読本


関連記事:

8年前の2008年11月に書いた、福島正伸さんの著書『仕事が夢と感動であふれる5つの物語』の紹介記事です。講演CDが付いているので、肉声でメッセージを受け取ることができます。

» 「仕事とは何か?」の問いに自信を持って答えられるか?

物語の形式をとっているために、肩肘張らずに読み進めることができます。おのずと自分の仕事に重ね合わせながら読むことになるため、「自分だったらこうするのに」とか「さすがにここまではできないな」といった感情の抑揚が読み心地を高めます。

具体的に何をすればいいのかが明確に示されているわけではないのに、読み終えると不思議とやる気がわいてきて、向かうべき方向に一歩を踏みださんとする自分に気づきます。

» 仕事が夢と感動であふれる5つの物語 (講演CD付)