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直感するウサギ、思考するカメ

By: Dannon LovelandCC BY 2.0


佐々木正悟 タスク管理とは、直感でいいかげんなことを自分にさせないための手法です。

直感でいいかげんなことというのは、例えばこんなことです。

  • この仕事は大変だ。
  • 今日はやらなくてもいい。
  • 明日もやらなくてもいい。
  • 全然やらなくていい。

「私はだいたい物事を直感で決めますし、それはたいてい正しいんです!」という人もいるでしょう。その感覚は間違ってはいません。

「そんな大変な仕事を今やることはない。明日は時間があったはず!明日で十分だ!」

こうした直感は正しいのです。現に、夏休みの宿題だってそうだったでしょう。「まだ夏休みは始まったばかりだ。宿題なんて8月の下旬に急いでやれば、十分に間に合う」。

その直感は正しかったはずです。

ある日、泣きをみるかもしれません。
しかし仕事は終わるのです。
直感はある意味正しいのです。
終わるのです。終わらせようと思えば。

8月30日になって大急ぎでドリルなどを「汚しまくる」ことによって、終わらせることに成功したとき、やはり「自分の直感は正しかった!」と頭脳の直感システムはむしろ自信を深めるものです。

ただ、このパターンに飽き足らない「自分」がいるのです。それが頭脳の思考する側のシステムです。

直感するのはウサギです。脱兎のごとく駆け抜けます。
思考するのはカメです。ウサギが寝てでもいなければ、追いつけません。

もし〆切間際になってやっつけるというパターンに「カメ」が飽き足らないのであれば「ウサギ」を寝かしつけるのが実は一番確実なのです。ウサギの行動原理は拙速主義です。面倒なものは先送りにし、慌てて片付けるしかなくなったときに、慌てて片付ける。いつでも急ぎまくっています。仕事の先送りとは、のんびりしすぎているから先に送ってしまうのではない。急いでいるから先に送るのです。

暇な人でなく、忙しい人が無計画なのは、急いでいるから無計画なのであって、余裕があるから無計画なのではないのです。

持ち物のチェックリストを用意して、いちいちリストをチェックしながら持ち物を用意するとか、行動の記録を丹念にとっていって、より効率的なプロセスで企画を進めるといったことは、脱兎ではなくカメの歩みです。

ウサギは必ずいうでしょう。「記録をとるヒマがあったら、仕事しろ!」と。
このウサギを寝かしつけない限り、いつも忙しく駆け回るというパターンから逃れることはできないのです。