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6人の達人が語る知的整理法

 1.奴隷を使える国では産業革命は生じない(野口悠紀雄)
 2.本から「肝」を抽出する(梅田望夫)
 3.語り合うことが大切(外山滋比古)
 4.獄中で会得した記録法(佐藤優)
 5.情報発信、まずはブログから(勝間和代)
 6.「真水」を増やす(茂木健一郎)

中央公論 2008年 05月号 [雑誌]

中央公論新社 2008-04-10
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今回はシゴタノ!としてはちょっと異色で、月刊『中央公論』の特集を参考に。「知的整理法革命」と題して、野口悠紀雄氏、梅田望夫氏、外山滋比古氏、佐藤優氏、勝間和代氏、茂木健一郎氏の「スーパー情報術」が紹介されています。

それぞれの記事内容の中から、特に面白く感じられた部分を抜粋して紹介します。

1.奴隷を使える国では産業革命は生じない

これは、「超」整理法でおなじみの、野口悠紀雄氏の指摘です。どういうことかと言うと、「情報整理」を秘書などに、完全に任せきることのできる「偉い人」から、「情報整理術」が生まれる理由がないということです。

たしかに、紙の書類もメールもすべて「部下」に一括管理させ、必要に応じて「用意しろ」と言うだけですむなら、(そして「部下」がそれに完全に応えてくれるなら)、私などがやっている作業のほとんどは、「人任せ」にできます。しかしそれは実際的でないため、PCとネットの力を借りているわけです。

2.本から「肝」を抽出する

ではそれらのITツールをどんなふうに使えばいいのか。「価値が特別に高い情報だけを、ウェブ上に上げておくこと」を梅田望夫氏は推奨します。「単純な整理はグーグルが担ってくれる」ので、単純化が不可能な、質の高い情報整理だけを自分でやろうということです。

著作権などの問題があるため、当然こうした情報をネット上に「公開」するわけにはいきません。そこで「私的ブログ」に「最高のネタをびっしり敷き詰める」ことを目指すわけです。

3.語り合うことが大切

三番バッターは外山滋比古氏で、主張していることはとてもアナログです。「語り合うこと」の大切さをそれこそ「語って」います。

「極端な言い方」と断りながら、「むやみと本を読むこと」も「ものを書くこと」もそれほどいいことじゃないと、外山氏は述べます。「書いたものが高度で、話したものが価値が低いというのは神話にすぎない」のだそうで、この神話は出版業界の、人に本を売りたい動機によって作られたと分析します。

その上で「語り合うこと」の大切さを改めて主張。

自分の考えていることを伸ばすには、共感してくれて、何となく温かい雰囲気がないと駄目なんです。調子に乗せてくれるような空気があると、ふだん一人で考えていたのではないことが、ポッと出てくる。いわゆる知的生産というのも、こういう雰囲気の中から生まれてくるものじゃないでしょうか。

4.獄中で会得した記録法

佐藤優氏の「獄中ノート術」は、何かすごい感じがしますが、内容はいたってシンプルです。「すべてB5版100枚の大学ノートに記す」のです。情報の一元化ですね。

これを体得したのは、「独房内で所持できるノートが原則一冊」だったからとのこと。「うーむそうか」と思いました。おそらくノートパソコンもインターネットもダメでしょうから、行く予定はありませんが、ノート一冊しか使えない「独房」を想像してみるのも、たまにはいいかもしれません。

5.情報発信、まずはブログから

勝間氏の、「まずブログで情報発信」という考えは、多くの人がすでにご存じだと思います。勝間氏は本を何冊も書いていて、しかもかなり厚い書籍もありますから、とても色々なことを書かれている印象がありますが、基本的な発想はかなりシンプルです。

すなわち「まどろっこしいこと」は避け、「一石二鳥」を好み、「収支のバランス」を強く意識する。あらゆる行動について、こうした基準を適合させているようです。だから、「情報を今日から出力」(スピーディ)でき、「文章修行もでき」(一石二鳥)、「情報入力の手軽さで出力可能」(バランス)な、ブログがいいということになるわけです。

6.「真水」を増やす

茂木健一郎氏は、ときどきユニークな言葉遣いをするので、一読してしっくり来ない場合もあります。この「情報の真水」もそうでした。分かるような、分からないような。

要するに「知りたいと思うものに、ダイレクトにアクセスする」ことを意味するようです。「情報とのプロセスをなるべく減らす。メモも一切取らない。すべて自分の脳の中で整理する。」

しかしこれは大切なことだと感じました。私も気がつくと、見つけたい情報に素早くアクセスできる「環境作り」とか、「情報検索のための知識」をありがたがる傾向が強いからです。子供の頃は、「勉強の計画」ばかり立てているような人間でした。

そうしたことを一切やめて、ひたすら「知りたいことにダイレクトでアクセス」する時間だけを、どんどん増やしていけたら、私の脳の中身も、もう少し面白いものになるかもしれません。

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