年度末の手帳探しの流れに乗って、毎年このころになると、書店や文房具屋さんの手帳コーナーを回ります。しかし今年は、いち早く「来年の手帳」を決めてしまいました。モレスキンです。
ただ、多くの方がイメージされるものよりも、ちょっと大きめで、しかも見開きタイプではありません。次のタイプです。
MOLESKINE モレスキン リポータースクエアード・方眼・ラージ
カファ 2008-09-01 |
とても気に入っています。これまで私は、少々無理をしてでも記録をデジタルに集中させる方針で努力してきましたが、実際にはなかなかそうできないので、いったんあきらめてこれを使うようにした次第です。
モレスキンには何を書く?
この図は、最近上梓した『iPhone情報整理術』からの引用ですが、私が書いたパートではありません。共著者の、堀正岳さんの図式です。これを見ると、直ちに気づくことがあります。自分の外と関わる情報はデジタルへ、自分の中から発生する情報はアナログへと向かっているのです。
よく考えてみると、これは理にかなった話です。以下のような理由が挙げられます。
・自分の外部にある情報はすでにデジタル化されているものが多いのでデジタルツールと相性がよい
・自分の外部にあるということは「現実にある情報」のため「日時」などの属性を与えやすい
・自分の外部と関わる情報には約束が含まれるため「アラーム」が必要
・自分の内部から発生する情報は「消失しやすい」ので書き留めるには紙が最適
自分の内部にしかない情報。たとえば夢の記憶は、まずデジタル化が困難です。デジタルツールを起動する間にも消え去る性質のものだからです。
タスクはどうする
しかし、そんなにきれいに割り切れない情報もあります。その一つがタスクです。
上図では、タスクはデジタルツールに収まることになっています。そうするべきだと私も思います。しかし、実際にはタスクをとっさに紙に書いてしまうことも多い。なぜなら、少なからぬタスクは「自分の内部から」発生するからなのです。
人との約束をスケジュール。期限付きのタスクは、外部ツール。そこまでは容易です。
しかし、たとえば「今度から人と会うときには名刺を持つようにする」というのはタスクでしょうか? タスクでないなら、なんでしょう? ミッションでしょうか。心がけでしょうか。
この類の「情報」はけっこう扱いに困ります。数が増えてくるといよいよ困ります。「ミッション」だらけになって、見るのもうんざりするからです。しかもたいていのリストは、即時的には役立たないのです。それらの九〇%は「●●があったとき」のためのものであり、「あとで見るとよい」類の情報なのです。
タスクは、意外なときに意外な形で発生します。ですから私は、少々精神的に苦痛ですが、「タスクはデジタル!」に徹しています。タスクをモレスキンに書くと、実行しないのです。これは私の個人的な性癖によるものかもしれません。タスクをToodledoに入れれば、実行率はぐんと上がります。なぜならおそらく、Toodledoに向かっているときにはタスク処理モードになっているからでしょう。
その上で、いささか基準をあいまいにしてしまうことですが、「実行しないでもいいことにできるタスク」はモレスキンで流しています。これには「心がけ」も含まれます。
『iPhone情報整理術』の4刷が決定しました。各所で在庫切れによるご迷惑をおかけしていますが、このたびさらに二万部刷っていただけることになったので、これ以後在庫切れはなくなると思います。
その、『iPhone情報整理術』を書評ブロガーにもとりあげていただき、大変ありがたく存じます。そのなかに、「これはiPhone本だが、クラウド仕事術を多く記述している」とご指摘が散見されました。
そのとおりで、実際「モバイルというよりクラウドのためのツール」として、iPhoneをどこまで使いこなせるかを、一つのテーマとして掲げました。一切の情報をiPhoneに投入するか、iPhoneからアクセスできるようにすることにあれほどこだわったのも、iPhoneをオフィスとしてポケットに収め、どこにでも持ち歩くというワークスタイルを広め、浸透させたいという願いがあったからです。
そんなお話を、今月19日(木)に大阪へ参って行います。私自身大阪へ行くのは初めてのことで、行く前から楽しみなのですが、これを機会に多くの方と出会いたいと思いますので、お時間がありましたらどうぞよろしくお願いします。
▼お申込、詳細は以下のページよりお願いします
iPhone情報整理術 ~あなたを情報’’強者’’に変える57の活用法!(デジタル仕事術シリーズ)
技術評論社 2009-10-21 |