※当サイトはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。

不便だから安心できる

人間の頭というのは便利にできていて、何か1つのことを思い出すと、関連情報が芋づる式に連想される。おそらくあなたにも覚えがあるだろう。

仕事の催促メールを重い気持ちで受け取ると、それに関連してやらなければならないことを「瞬時」に次から次へと思い出す。「あれもやらなくちゃ、あ! あれもまだだった!」といった具合に。

『ライフハックス─鮮やかな仕事術』より

ある面で便利な機能あるいは仕組みというのは、別の面では不便さを生み出す要因となり得る。とは言え、あらゆる面で便利である、ということは現実的にはあり得ないので、むしろ、あれもできるしこれもできる、という完全無欠な便利さを目指すよりも、多少の不便さはあっても、ある特定の面で強烈かつシンプルに便利、という方が本当の意味で便利なのではないかと思う。

例えば、機能豊富なメーラーがあった場合、「あ、こんな機能もあったのか!」と気づかされると、「他にもまだ自分の知らない便利な機能が隠れているのではないか」「もっと便利に使えるはずなのに使いこなせていないのではないか」という疑念がわいてくる。

そして、いつしか「たくさん機能がある割には、こういう基本的な(と自分では思っている)機能は無いんだな」というあら探しをするようになる。

最初からシンプルであれば、そこには“解明すべきミステリー”の余地がなく、従って、無用な期待とこれに続く失望を回避でき、心穏やかに安心して使うことができる。

» ライフハックス鮮やかな仕事術―やる気と時間を生み出すアイディア (MYCOM新書)