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短期は損気

By: laurakgibbsCC BY 2.0


望む効果がすぐに得られるものには、時間をかけて別の副作用が水面下で進行している場合がある。

常に長い目で見て判断を下すのは合理的ではないかもしれないが、効果がすぐに得られるかどうかだけを判断基準にしていると、自分なりの基準が育たないうえに思わぬ副作用に足を取られかねない。

例えば、調理の手間や時間をスキップするために加工食品を選び続けていると、短期的には時間を生み出せても、長期的には「ツケ」を支払わされて結局チャラになることもある。

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アメリカの社員の中から、アフターサービスは厄介だという声を聞くこともあったが、そういう考え方が広がったときのアフターサービスは確実に質が落ちていた。部品(パーツ)をストックしておくということは商品在庫の増加を意味し、利益の損失となる。かのハーバード・ビジネススクールの論理によれば、その際打つべき手は、アフターサービス用の部品のストックを減らすことである。

完全なサービス・ネットワークを作る目的で、カンザスシティに大規模なサービスセンターをオープンする計画を立てたとき、私はそれが必要かつ有益だということをソニー・アメリカ経営陣に納得させるのにひどく手こずった。ハーベイ・シャインや他の役員たちに、私は再三再四こう繰り返した。

ビジネスにおいて、投資を控えていれば、短期的には利益が得られるかもしれない。しかしそれは事実上は過去に築いた財産を食いつぶしているようなものだ。利益を上げることは大切だが、将来価値を生み出す財産を作るためには投資をしなければならないのだ、と。(p.264)


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