ミスは計画段階で見つかるのが良い。
計画段階で見落としても実行段階で見つかればまだ良い。
最悪なのは実行段階のずっと後になってからミスが見つかること。
その意味では計画段階がすべてと言ってもいい。この段階で実行段階のミスを可能な限り想定し、その原因を取り除いておく。
文章であれば、考えている段階で構成の矛盾を見つけて組み直すこと。書き上がってからでは書き直すしかなくなる。あるいはボツにせざるを得なくなる。
計画段階の精度を上げるには、文章を書き終えた後にふり返りをすること。
- うまく書けた時なら、再現するために計画段階で自分が何をしていたか(していなかったか)を
- うまく書けなかった時なら、再発させないために計画段階で自分が何をしていたか(していなかったか)を
それぞれふり返る。
これにより、自分にとっての「文章の計画段階でやっておくこと・やらなくていいことリスト」ができあがる。文章を書き終えるたびにこのリストをアップデートしていくことで、文章の歩留まりが改善していく。
inspired by:
アメリカの工場はたいてい、生産に一定の歩留まりを認めている。しかしひとつでも不良品を出すまいというのが、日本の行き方である。
忘れもしないが、1950年代にソニーがトランジスタの生産を開始したとき、出来上がったトランジスタのうち、使いものになるのはわずか5パーセントにすぎなかった。トランジスタの製造には、設備にも材料にもきわめて高度な注意が払われなければならないことに、当時まだ十分に気がついていなかったためである。
われわれは文字どおり日夜、寝食を忘れて歩留まりの向上に専心した。そしてついに、これを90パーセント以上にまでもっていくことに成功した。
われわれは非常に早い時期から、製品の品質を高いレベルに維持することが最重要課題であると考えていた。海外でアフターサービスを行うとなると、コストはきわめて高いものにつき、それゆえに生産段階で妥協を排した品質管理をしたほうが、結局安くつくとにらんだからである。(p.381)
» MADE IN JAPAN(メイド・イン・ジャパン)―わが体験的国際戦略 (朝日文庫)