相手にとってメリットのある提案は通りやすい。
そのためには、
- 相手が困っているであろうこと
- 相手が面倒に感じているであろうこと
- 相手が心の底で望んでいるであろうこと
すなわち、相手の課題を見つけ出し、その中から自分が解決できるものを選ぶ。
単に「できる」だけでなく「好きで得意で没頭できる」ものが望ましい(さもないと、もっと好きで、もっと得意で、もっと没頭できるライバルに競り負ける)。
そのうえで、自分が解決可能であること、自分こそが答えであることを相手に直接伝える、あるいは相手の耳目を引くメディアを通して伝える。
このとき、
- 見つけ出すステップがリサーチであり、
- 選ぶステップが商品開発であり、
- 伝えるステップがマーケティング
である。
このフローがうまくいくとセールスは不要になる。
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日本はいま真剣に市場開放に取り組んでいる。だが、外国企業はなかなか日本に入ってこようとしないし、本気で市場開拓に当たろうともしない。一つには彼らが、日本に進出するには莫大な投資がいるのではないかとか、収益が得られるようになるまで長い時間がかかるのではないかとか、思ってきたからである。私は外国企業にもっと刺激を与えたいと考えた。
1972年、ソニー・トレーディング・コーポレーションを設立すると同時に、私は欧米の有力紙誌に、日本向け商品を求める広告を大々的に出した。『タイム』誌に載った当社の2ページ広告には次のような呼びかけをした。
「ソニーはアメリカの各種商品を日本で販売したいと考えています。日本はアメリカのビジネスマンにとって、遠い異国かもしれません。しかしソニーにとっては母国です。われわれは、日本の市場を熟知しています」。
すぐに3000件以上の引き合いが寄せられた。現在われわれは「ソニー・プラザ」と命名した30軒近くの店で、一般消費者向けの外国商品を販売している。そしてなお多くの輸入商品を物色中である。(p.457)
» MADE IN JAPAN(メイド・イン・ジャパン)―わが体験的国際戦略 (朝日文庫)