その日の気分に応じてパターンを変える、という主張をよく見かけますが、けっこう不安を覚えます。「雨が降りそうだから傘を持って出かける」という因果関係が明確な基準なら良いのですが、「その日の気分に応じて」という不確定な因子と「パターンを変える」というアドリブっぽさがどうにも相容れないように思えるからです。
深く考えなくてもいいのかもしれませんが、僕がこのような不安を覚えた、記憶している限りの最初の機会は、テレビアニメの「ヤッターマン」を見ていたときです。2人の主人公よりも目を引いたのは「ヤッターメカ」と呼ばれるヤッターマン側のメカです(バットマンで言うところのバットモービル的な位置づけ)。
↓以下、ヤッターメカの一例です。
次々と新しいメカが登場するので、子どもながらに「毎週新しいメカを作るのは大変だろうなあ」と感じていました。同時に「今回のメカはけっこう気に入っていたのだけど、もう次回以降は登場しないのだろうなあ」という切なさも覚えていました。
あるいは、「このメカばかり出てきてずるい」という軽いフラストレーションもありました。
いま思うと、これらの感情は「もっとパターン化すればラクになるだろうに」ということなのだと思います。
パターン化する効用
もちろん、ヤッターマンはエンターテイメントなのですから効率を追求するものではないでしょう。でも、それこそ「今日の気分はヤッターアンコウって感じだな」という雰囲気を感じて、そのたびに新しいメカを登場させないといけないのは大変だな、と思ったわけです(まったく見当外れな指摘だと自分でも思いますが)。
一方、エンタメではなく仕事においては、やはりパターン化させておいたほうが有利です。
『40代を後悔しない50のリスト【時間編】』に「パターン化」について次のような指摘がありました。
時間の使い方がうまい人は、実は生活がパターン化しています。毎日必ずやることが決まっているほうが、持ち時間を把握しやすいからです。(p.34)
ということで、以下のような一連を明確にパターン化することをすすめています。
- 朝は何時に起きるのか
- 何時に出社するのか
- 何時に帰るのか
- 出社したら最初に取りかかること
- 仕事内容に応じた午前と午後の使い分け
- 企画書作成時の段取り
パターン化やルール化によって行動をシンプルにしたほうが、突発的なことにも対応できます。生活リズムを整えることが、結果的に大きな効率化になるのです。
これらをパターン化せずにすべて気分に任せていたら、毎日がランダムな進行になり、仕事のスピードを上げるのは難しいでしょう。先が読めないということでエキサイティング度は増すかもしれませんが…
パターン化することで見えてくること
また、同書には以下のようなくだりがあり、「まさに!」と共感したところです。
時間の使い方とは結局のところ、自分の価値観を見直し、どういう生き方をしたいかの「意思表示」でもあるのです。時間術とはライフハックではなく「意思」なのです。自分がどういう人間で、何を大切にしているのか、この先、どういう人生を送りたいのかという自分なりの意思と密接に関わってきます。
時間を色分けしたときに、自分がどう生きたいかという願望と、実際の時間割を一致させることです。それが一致していないことが最大の後悔要因なのです。だからこそ、膨大なやるべきことを抱える四〇代は、自分の働き方や生き方に合わせて時間配分を大きく変えないといけないのです。それ抜きの解決策はありません。(p.26)
引用文中にある「時間割」とはパターンを可視化したものです。つまり、「仕事や生活をパターン化する」とは「時間割を組む」と同義と言えます。
「自分がどう生きたいか」という願望を実現するための行動をパターン化し、時間割に落とし込むわけです。
↓時間割については以下の記事でも書いています。
会社でも自宅でも時間は同じように流れているわけですから、自分にとって心地よいリズムになるような色分けをすることで、ムリなくムラなく時間が使えるようになるのではないか、ということでパターン化に目覚めたのです。
具体的には、以下のように週単位で時間割をつくり、これをキープします。
※冒頭の円グラフは最近試し始めた「Life Cycle」というアプリによるものです。意外と正確に「移動」を捕捉・記録してくれるので驚いています。年額1,000円で詳細な分析情報が閲覧できるようなのですが、もう少し記録を蓄積したうえで検討するつもりです。
参考文献:
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