最近、Evernoteの使い方を大橋悦夫さんに改めてレクチャーされる機会があって、それは要するに「日付によって分散させる」というのが要諦なのですが、それで十分にうまくいく、ということがわかりました。
考えてみると、私はアナログの情報をすでにそういうやり方で扱っています。今日が10-15(日)ならば、【1015のフォルダ】に書類があり、明日処理する書類は【1016】。こうしてやると、たとえ処理すべき書類が1000を超えていても、1日3つずつ、1年かければ片づきます。単純計算していますが。
さらに考えてみると、私は仕事をすでにタスクシュートでそのように処理しています。毎日やるべきことの「セット」をリピートタスク「群」として扱うことで、何日もかければ大型プロジェクトである書籍原稿も進みはしますし、数日かければこのようなシゴタノ!の連載なども終わります。これを繰り返せば「仕事のセット」はだいたい片づいていくのです。
これまで何度もこのやり方を提唱しては「締め切りまでに終わる見通しは?」とたずねられ「それがわからないと不安過ぎる」と指摘されてきましたが、長期にわたる仕事ほど、最初から締め切りどおりに終わらせられるかどうか、そんなことはわかりません。
毎日文章を書いたとしても、できあがった原稿を受け取ってもらえるという保証もありません。
しかし、とにかく書いてみなければ始まりません。私たちはアスリートではないのですから、「誰よりも早くゴールテープを切る」ことに、少なくとも私はそれほどの重きを置きません。締め切りは目安でしかないと思っています。
もちろん私はアスリートでなくても芸術家でもないので、「私が納得したときが締め切りだ!」などと見得を切るつもりもありませんが、締め切りがきられれば、間に合わなさそうでも身を切る、までするつもりもありません。常識的なペースでことをすすめるしか、しようがないという気がします。
それよりも世の中、一般に「日付をリソースにして割り振る」というサポートが、足りなすぎるほうが問題です。
時間・日付というリソースをもっと活用しよう
言い換えれば「一気に片づけたい」をやめること。
GTD準拠のタスク管理ツールには、「あと何日、何時間を使えるのか?」をサポートする部分が妙に貧弱だということは、よく意見させていただいています。いつも「日付」は「締め切り日」のことばかりを言っていて「実行日」のことを意味させたりする機能が存在しないか、存在しても見えにくいのです。
「タスクの見積もり」というのは「タスクシュート」においては「時間」を意味するのですが、「見積もり」も「何分以内にできる」ではなく「30分程度を要する」という意味のほうが大事なくらいです。それなら、「過去ログの平均値を取る」などといったことをそんなに重視しなくてもいいはずです。
「最低30分はきちんとやろうね」という約束を自分とかわせばいい。それで間に合いそうもなかったら、その時また考えることにしましょう。でも、30分はちゃんと集中してやることです。
それを毎日繰り返せば、かなり仕事は進むはずです。それなのに、「時間リソース」ということになると、「確実にできるのか?」といった「不安払拭」ばかりが意識されすぎなように思います。
1日に何文字書けるか、が問題なのではなく、何日間休みなくそれを続けられるのか、が問題なのです。たとえば、僕のこのブログは、20年以上続いているのです。これは、速筆だからできることでしょうか?
また、もし1日の文字数が少なかったら、その分、続ける日数を増やすだけのことです。単純な掛け算になります。逆に、1日に10万文字書けたとしても、その次の日に休んだら、半分になりますし、4日休んだら5分の1になります。ようするに、才能なんてものは、たかがその程度の「状況」であって、そこだけに注目するようなポイントでは全然ない、ということ。
死ぬまでに、使える日数はけっこうあります。「今日中に!」などと焦らないことが大事です。