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「やった方がいいのは分かっているのに、なかなか取りかかれないこと」を自然にできるようになるために



大橋悦夫やる気や気合いに頼ることなく、平常運転で無理なく自然にできることでないと、どんなことも続きません。

  • 今日のやることリストの項目すべてが「無理なく自然にできること」ばかりであれば、
  • そして、リストに並んでいる順番に必然性があり、上から順に片づけていくことが「最短ルート」になることが明らかであれば、

その日はほとんど自動運転のようにスムーズに過ごすことができるでしょう。

もちろん、割り込みやシステムトラブルや通信エラーなど、予定外の障害は起こるので、そううまくはいきませんが、障害復旧後にどこから再開すればいいのかの「本線」が引いてあれば、ダメージは最小限に抑えられます。

問題は、いかに「無理なく自然にできる」ように持っていくか。

やり方が分かっていても、タイミングが分かっていないと、できない

たとえば、オムレツの作り方を知っていても、お腹がすきすぎて今すぐにでも何か食べたい、というタイミングではオムレツを作るのは難しいでしょう。

「何でもいいから口に入れたい」ということで短期的には空腹を満たせても、長期的には何らかの問題を抱え込むことになる食べ物で妥協する可能性が高まります。

ところで「お腹がすく」のは割り込みではなく、予定通りに起こるイベントです。毎日同じ生活パターンで過ごしていれば、お腹がすくタイミングはほぼ一定になるはずだからです。

そうなると、お腹がすくタイミング=ごはんを食べたいタイミングを見計らって、食事の準備を始めれば、空腹に耐えたりや長期的に何らかの問題を抱え込むことになる食べ物で妥協することを回避できます。

仕事においても、締め切りギリギリになってから始めると、十分な時間をかけられないことによって本来の実力を発揮できなかったり、チェックがおろそかになることによってミスが増えたり、しがちです。

「お腹がすく」と「締め切りが迫る」は、いずれも待ったなしの緊急警報のようなものですが、いずれも予定通りに起こるイベントです。

そうであれば、それぞれについて、どのタイミングから準備を始めればいいのかを割り出すことは可能でしょう。

締め切りから逆算して、「本来の実力を発揮できる時間的・精神的なゆとりが持てる」だけの時間を確保すればいいわけです。

必要なのは「まとまった時間」ではない

とはいえ、「まとまった時間など取れない」のが現実です。「まとまった時間が取れればできるだろうけど、実際にはコマ切れ時間しか手に入らない」のです。

「まとまった時間」とは、喩えるならシューティングゲームで、ぜんぜん弾を撃ってこないし、こちらの弾をよけようともしないボスキャラのようなものです。

実際にはボスキャラはがんがん弾を撃ってきますし、画面内をところ狭しと動き回るので、こちらも臨機応変にかわしつつ、相手の弱点を狙って少しずつダメージを与えていくという、いわゆるヒット・アンド・アウェイ(撃っては逃げる)な戦い方を迫られます。

が、ここにヒントがあります。

ゲームによりますが、たいていのシューティングゲームはパターンが決まっています。ボスキャラの撃ってくる弾の動線もボスキャラ自体の動き方もいつも同じなのです。

そうであるならば、その動きに合わせてこちらもまったく同じパターンで動けば、臨機応変にではなく、いつも同じ動き方で対応できることになるはずです。つまりルーチン化できるのです。

実際、ゲームの上級者は初心者よりも少ない動きで効率よく弾を当てて、結果として短い時間でボスキャラを撃退します。

あるいはパターンのスキをついて「安全地帯」を見つけることで、まったく動かずして勝ってしまうこともできます。

たとえば、以下の動画では沙羅曼陀(サラマンダ)というシューティングゲームで、ボスキャラの1つを安全地帯で動かずに待つことでクリアしています。

10:00が該当のシーンです。

通常であれば、壁に当たって跳ね回る青いクリスタルボールをよけつつ、相手の弱点を狙って時間をかけて攻撃を続ける必要があるシーンですが、パターンを把握していれば圧倒的にきてしまうのです。

これはかなり極端な例でしたが、パターンを把握することで同じ成果をより少ない時間と手間で手に入れることができるわけです。

仕事においても、一見するとランダムに感じられても、実はパターンに沿って動いている人やモノは多いので、記録を取ることによってこれを把握することがその攻略の第一歩になります。

何よりもまず自分自身がパターンに沿って動いていることは、記録してみて初めてわかることだったりします。

参考文献:

先ほどの動画に出てきたファミコン芸人のフジタさんは、ファミコンはじめあらゆるテレビゲームのソフトを3万本所有しており、そのプレイ動画もYouTubeに多数アップされています。

僕自身、フジタさんの動画はけっこう見ていますが、その神業には毎回うならされます(この夏から月額1,180円の #YouTubeプレミアム の契約をしており、セットでついてくるGoogle Play Musicが主目的でしたが、広告なしでYouTubeが見られるのは思ったより快適です)。

著書も出されていたので、さっそく読んでみました。

冒頭にかなり衝撃的な事件(未遂)が紹介されていて驚かされますが、全編にわたってファミコンにまつわる思い出話が綴られており、フジタさんの人生は本当にファミコンでできているんだなーと改めて感心させられました。

思い出話だけでなく、随所に、いかにゲームの攻略法を見つけ出すか、つまりパターンを見抜くかの視点が綴られており、気を抜くと読み飛ばしてしまいそうになります。

好きだからのめり込んだ、というよりフジタさんの場合は切実というか深刻な理由で、文字通りファミコンに身を捧げることでファミコンに救われたという側面があります。

3万本のソフトや関連グッズを保存するために2DKの住居、8畳のワンルーム、2畳の倉庫、ワンボックスカーなどもろもろ合わせて30万円の維持費がかかっているそうで、少なからず借金もあるようです(「額は言えないけど」と書かれていました)。

ソフトによっては同じタイトルが複数あるらしく(もっとも多いと3,000本もの同じタイトルがあったりとか!)、かぶっている分を売るか捨てるかすれば維持費も減らせるのに、それをしない。

その理由も書かれてはいましたが、納得せざるをえないものでした。

ともあれ、動画を見ているだけではぜんぜん分からなかったフジタさんの内面が語られており、個人的にはとても興味深い一冊でした。思い出話の部分はファミコン世代なら、ニヤニヤしながら読めると思います。



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