今回はScrapboxの検索ボックスについて紹介します。合わせてマージ機能についてもみていきます。
ちなみに、内容についての詳しい話や、そもそもScrapboxってなんやねん、については書籍『Scrapbox情報整理術』をご覧ください。あるいは、Scrapbox研究会にも情報が集まっているのでそちらを参照してください。
検索ボックス first search
Scrapboxには、上部に検索ボックスが設置されています。ホーム画面でも、ページ画面でも、両方で表示されます。
この検索ボックスでは二段階の検索が行えます。
まず一段階目はボックスへの入力時です。
ページ入力字のブラケットの中と同じように、入力に応じたページタイトルの候補が表示されます。作成されたすでに存在するページだけでなく、とりあえず作っておいたリンクによるまだ実体を持たないページも候補に入ります。
もし該当するものが見つかれば、それをクリックするか、カーソルの上下でフォーカスを移動させ、求めるものでリターンキーを押せば、そのページに移動できます。
検索ボックス second search
ボックスにテキストを入力し、そのままリターンキーを押せば、本文中に含まれる言葉として検索が行えます。これは、非常に広い検索です。
もちろん、二つ以上のキーワードを並べて検索することもできます。間に半角スペースを入れるのをお忘れなく。
検索ボックスからの作成 その1
検索条件に見合うページが見つからない場合は、「じゃあ、そのタイトルでページを作る?」という提案が表示されます。
そのまま「create hogehoge」というボタンを押せば、新規ページ作成の画面に移動します。
検索ボックスからの作成 その2
あるいは、ボックスにテキストを入力している段階で、もう求めるページ(のタイトル)が存在しないことが明らかになる場合もあるでしょう。
※候補が表示されていない=そのタイトルのページが存在しない
そうした場合は、リターンキーを押して検索結果に飛ぶまでもなく、隣にある「+」ボタンを押せば、一気にそのページの新規作成画面にジャンプできます。
これはなかなか特徴的な動作で、だからこそScrapboxでは検索ボックスと新規作成ボタンが隣に並んでいるのでしょう。
ようするに「えっと、あのページあったかな。検索ボックスに入力してっと……、あ、ないや。だったら作ろう。ボチっとな」という一連の動作がスムーズに行えるわけです。
ちなみに、「いや、違う。たまたまたボックスにテキストが入っていただけで、作りたかったのは真っ白い新規作成のページなんだよ」という場合は、もう一度「+」ボタンを押せば、望む画面にジャンプできます。
もう一つ書いておくと、すでに存在しているページタイトルを入力した状態で「+」ボタンを押すと、単にそのページにジャンプします。検索と新規作成の境界線が非常に薄いのが、Scrapboxの特徴の一つです。
マージ機能
さて、新規ページ作成まわりで発生するのが「同一タイトルのページ」の存在です。
よくよく考えてみるとわかりますが、Scrapboxにおいてこれが生じるのは、「真っ白な新規作成ページを開き、そこに一からタイトルを入力していく」場合に限られます。
既存のページから、未リンク(オレンジ色のリンク)を作って新規作成する場合は、すでに同名のページがあれば青字になってそのページにジャンプしますし、検索ボックスで探してからも同様です。このルートを辿る限りは、同一のページタイトルが複数別に存在する、という状況にはなりません。
しかし、そうでなくても大丈夫です。Scrapboxでは、ページタイトルに他のページと同一のものを入力した場合、「あんちゃん、もうそのページあるぜ。どうだい、ここで統合していくか?」と武器屋の店主みたいなことを訊いてくれます。
で、このボタンをポチッと押せば、既存の同名ページに内容が統合されて一件落着です。ちなみに、統合しない場合は、「-2」といった識別子がタイトルに自動的に追加されます(タイトル行は変わりません)。
まとめ
私の使い方であれば、検索ボックスの2ステップ目を使うことはほとんどありません。ページを探す行為の全体を100とすれば、その割合は2くらいなものです。ほとんどは、ページ内のブラケットにテキストを入力するか、検索ボックスの1ステップ目で目的のページが探し出せています。
全文を対象検索するのは、まだリンクにされていないキーワードを探すときくらいなものです。もちろん、そうした行為もときどきは発生しますが、頻度自体は稀です。日常的な、「あっ、あのページを表示したい」という欲求については、タイトルをキーにしてだいたい探し出せています。
この点からも、Scrapboxではリンク(≒ページタイトル)が重要だ、ということがわかります。リンクを作り(リンクから作り)、ページタイトルを整備しておけば、目的のページを取り出すのはとてもスムーズです。
▼今週の一冊:
そもそも経済学についてあんまりわかっていなかったのですが、さらに現代的な状況だともうさっぱり、だったので本書を手にとってみました。非常にわかりやすく、経済学の現代的状況がまとめられています。ゲーム理論が与えた影響、行動経済学と経済学の関係性、そして経済学が社会学や他の学問に与えうる影響など、面白く読める一冊です。
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進めている本のアウトラインがようやく固まり始めました。あとはバリバリ本文を書いていくだけです。こうなるとあとは簡単……とはいかないところが執筆の難しいところですね。
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新しい時代に向けて「知的生産」を見つめ直す。R-style主宰。メルマガ毎週月曜配信中。