1月の読書はふり返ってみると「とに書く」がテーマでしたが、2月はこれといったテーマが見当たりませんでした。代わりに、これまでに読んだ本とのつながりが感じられて、伏線が回収されていくカタルシスを味わうことができました。
- 『人生の悩みが消える自問力』
- 『福島屋 毎日通いたくなるスーパーの秘密』
- 『実行力100%の会社をつくる!』
- 『英会話イメージトレース体得法』
- 『1冊20分、読まずに「わかる! 」すごい読書術』
- 『弱者の戦略』
- 『しろくまカフェ today’s special 2』
『人生の悩みが消える自問力』
以下の記事でもご紹介しましたが、その後も折に触れてこの5つの自問に向き合うようにしています。
疲れ気味の午後は打ってつけで、モヤモヤを棚卸しして、次に何をするのがいいのかを改めて自分に確認することができます。まさに自問タイムです。
» 人生の悩みが消える自問力―――「5つの質問」と「自問自答」ですべてが好転する[Kindle版]
『福島屋 毎日通いたくなるスーパーの秘密』
福島屋さんというのは東京は羽村市に本店を置くスーパーです。本書はそのスーパーの奮闘記なのですが、そもそもなぜこの本を読むことになったのかの経緯は以下のツイート。
某スーパーで会計時に「レジ袋にお入れしてよろしいでしょうか?」という問いかけが毎回煩わしく感じていて、でもこの問いかけをやめないことには何かあるのかもしれないと思って、小売り関係本2冊購入。イラッときたら、そこに何かがあります → https://t.co/dn9ctQwbwa
— しごたの/大橋 悦夫 (@shigotano) 2017年2月9日
改めて「小売り業」の実態を知りたくなったわけです。
読んでみたら、福島屋さんの考え方は「売上を得ることではなく信頼を得ることに注力することで売上を上げている」であり、しかも「自分にできることをやっていく」というフレーズがくり返し登場し、非常に共感を覚えました。
以下の記事に通じる内容だったからです。
これは、「自分の負担はそのままにメリットだけを増やせる」という都合の良い考え方のように思えますが、ここで優先的に考えるべきは「相手のメリット」です。
「自分にできること」を続けることで自分の“居場所”を作り出す、すなわち、「自分にできること」で突き抜けるためには、その活動が多くの人に支持される必要があります。
『実行力100%の会社をつくる!』
先ほどの「小売り関係本2冊」のもう1冊。
本書には「挨拶(の徹底)」という言葉がくり返し登場します。
小売業の売り上げの70~80%は固定客への売り上げだ。固定客を増やすことが商売の基本とも言える。固定客を増やすのに重要なのは、基本的なことがきちんとできることである。だから、基本の徹底をいつも最重要課題にしている。
しかし、基本の徹底はすぐに数値に結びつくものではない。挨拶をすれば、「この店は感じがいいね」と思ってくださるお客様は増えていくが、じわじわとしか増えない。
挨拶の徹底は容易ではない。根本原因から直していくとなると、手間も時間もかかる。
そうなると、挨拶をしなくても数値はすぐには変わらないから、挨拶の徹底は後回しになるケースが増えてくる。これは問題である。挨拶の徹底を最重要課題にして、目先の売り上げといった数値を気にしなくていいからと、私は言っている。
まとめると次の2つ。
- 挨拶という基本を徹底しても、その効果はじわじわとしか現れない
- サボってもすぐには問題は起こらない
これはまさにブログなどの情報発信そのものだと感じます。このあたりは福島屋さんの「売上を得ることではなく信頼を得ることに注力することで売上を上げている」とまさに呼応するところです。
読んで良かった2冊でした。
『英会話イメージトレース体得法』
これは画期的な一冊です。よく、「海外に行くと日本のことについて自分がいかに何も知らないかを思い知らされる」みたいなことが言われますが、本書はその言語版みたいな感じです。
「生まれてから何十年も当たり前のように毎日使っている日本語のことについて自分がいかに何も知らなかったのかを思い知らされる」のです。
「日本語ってこういう風に世界を捉えているよね」というイラストによる解説が非常に分かりやすく納得させられます。さらに、それに対比される形で「一方、英語はこういう風に捉えているから、そこにギャップが生じる」という展開が続くので、「あぁ~、そういうことか!」と、今まで断片的に理解していたことが、突然一枚の絵に集結するかのようなカタルシス。
本書を読んでからは、海外ドラマで英語のセリフを聴くにつけ「確かに、あのように捉えているからこういう構文になるのか」ということが分かるようになり、英語がこれまで以上に面白く感じられるようになりました。
本書については改めて詳しく取り上げたいと思っています。
↓追記:取り上げました@2017/03/11(土)
» 英語を話せるようになるための第一歩は、日本語と英語の「モノの見方」の違いを知ること
» 英会話イメージトレース体得法―英文の詰まりをスッキリ解消! イメージをなぞって身につける英語発想[Kindle版]
ちなみに以下で取り上げた『英会話イメージリンク習得法』の続編に当たる内容です。イラストがとにかく、良いのです。
» 英会話イメージリンク習得法―英会話教室に行く前に身につけておきたいネイティブ発想[Kindle版]
『1冊20分、読まずに「わかる! 」すごい読書術』
1月に読んだ『遅読家のための読書術』では、まず目次を熟読することが推奨されていましたが、本書では逆に「最初に目次を見ない」ことを推奨しています。
「ええっ! どっちなの?」
と思わず口に出しそうになりましたが、両著ともにそれぞれの考えに基づいて「目次を熟読」「目次を見ない」を主張しています。
特に本書の「目次を見ない」効用として書かれていた内容が僕にとっては新鮮でした。ほかにもいろいろ書いてありましたが個人的にはこれが一番衝撃でした。
» 1冊20分、読まずに「わかる!」すごい読書術[Kindle版]
『弱者の戦略』
以下の記事でもご紹介しましたが、本書から僕が受け取ったメッセージをひと言で言い表すなら「生き残るために、自分をどのように再定義するか」です。
» 『弱者の戦略』、弱者がしたたかに生き残るための「無理なく続けられる努力」を見つけ出すためのヒント
学生時代、生物の授業でさんざん習ってきたことのはずが、本書の中で「弱者の戦略の実践者」として改めて紹介されているのを見るにつけ、教科書ではその片鱗すらも語られずに終わっていた深遠な世界があったことを思い知らされます。
『しろくまカフェ today’s special 2』
数少ない、読み続けているコミックの1つです。アンダーラインを引いたり、目次に先に目を通すか否かを考えたり、書かれている問いに答えようとしたり、自分の身の振りを考えたり、といったことを一切せずに済む、心からリラックスできるコミックです。こういう時間も必要ですね…。
↓こんなコミックです。リンク先から「試し読み」もできます。
» しろくまカフェ today’s special 2 (愛蔵版コミックス)