さて、明後日発売予定の以下の新刊。
本書の中でも、「読書ノート」の実例をいくつか紹介していますが、今回は「ノート」に焦点を当ててそれを紹介してみます。
私は普段、以下のようなノート群を使って読書ドリブンな情報を処理しています。
なにやらいっぱいありますね。一つ一つ見ていきましょう。
A4用紙
ノート群と言っておきながら、いきなりノートじゃないものが出てきました。写真はごく普通のコピー用紙(A4)です。たまに同じサイズのスケッチブックを使ったりもしますが、特にこだわりはありません。
このように本の内容を一枚に要約する使い方です。よくある「A4一枚にまとめなさい」メソッドですね。これはシンプルでいて、なかなか強力なメソッドです。読書中に“下ごしらえ”を済ませておけば、このノートの作成は20分程度で済みます。
※もちろん本の厚みにもよります。
以前は、綴じノートでこれと似たようなことを実施していたのですが、とある理由からA4用紙に切り替えました。
今のところ、こちらの方が使いやすい感じです。ちなみに、A4はちょっと大きいなという場合は、普段持ち歩いているミニノートを使うこともあります。
モレスキン・ラージ
モレスキンのラージサイズ。私の中では「インスピレーションノート」と命名されています。しっかりした作りと十分な厚みがあるモレスキンには、大切な言葉を保存しておきたくなりますね。
気になった言葉、本の内容から連想したこと、自分自身の考えなどが様々にちりばめられています。
上のページは梅棹忠夫氏の言葉をピックアップしたもの。こうして好きな言葉を俯瞰できるのもノートを作成する楽しみのひとつです。
モレスキン・ヴォラン
少しだけ薄いヴォランシリーズ。サイズはラージです。「物書き手帳」と名付けています。その名の通り、執筆の心掛けや文章の書き方についての情報をピックアップして集めたノートです。
自分の経験で得たことなども書き込んで、せっせとMy虎の巻を作成しております。
Campusノート
どこの文房具店でも必ず見つけられると言っても過言ではないKOKUYOのCampusノート。写真はややマニアックなB5の100枚です。これは「テーマノート」として使っています。何かひとつのテーマを学ぶときに使うノートです。
本の情報をまとめ、そこに自分なりの考えを書き込む、ということを繰り返していきます。わりと時間がかかりそうな作業ですが、やっぱり時間がかかります。1日1ページぐらいの進捗で気長に作っていくのがよいでしょう。このノートはドラッカーでしたが、その前は行動経済学でした。他にもいろいろあります。
Evernote
ノートといえば、私の中で外せないのがEvernote。
「こんなにいろいろノートを使って情報が散逸しないの?」
という疑問があるかもしれませんが、Evernoteで一元管理すれば問題ありません。私がA4用紙を使っているのもこれが理由です。
私は読む本がかなり乱読(あるいは雑食)傾向にあるので、読んだ本のまとめを一枚のノートに入れこんでしまうと、かなりカオスな状態が生まれます。
作成した読書ノートをスキャンしてEvernoteに取り込んでおけば、タグ付けやノートブック別に分けて管理ができるようになりますし、必要であれば時系列での状態__つまりカオスな状態__を再現することもできます。
この理屈でいけば、全てA4用紙にしたほうがいい(その方がスキャンしやすい)気がしますが、やはりパラパラと内容を見返したり、時間をかけて追記していったり、あるいは「物」として持ちたい情報もあります。それはアナログノートを使った方がよいでしょう。
さいごに
無理にどちらかに偏らせるのではなく、アナログはアナログで、デジタルはデジタルでそれぞれ得意な分野を担当させる、というのがハイブリッドの基本的な考え方です。
手書きでノートの内容をまとめるなんて、ピュアデジタル派の人にとっては理解不能な行動かもしれませんが、やはり手書きには手書きの良さがあります。顕微鏡で覗いてみると、その良さの中には「クリエイティブ」なるものの片鱗が含まれているかもしれません。
▼今週の一冊:
知の最先端をゆく人々のインタビュー集です。ジャレド・ダイアモンド、ノーム・チョムスキー、ジェームズ・ワトソン・・・こうした名前に興味を惹かれるならば、ちょっと覗いてみても良い一冊でしょう。
インタビューを受けた6人は、もちろん専門分野も違い、時にまったく反対の考えを持っている場合もあります。しかし、どこからしらの通奏低音の響きを感じることもできます。おそらくそれが本書タイトルが示す「知の逆転」を構成する要素なのかもしれません。
また詳しい紹介は別エントリーで書いてみます。
いよいよ発売Follow @rashita2
直前ということで、なかなか緊張しています。自分の本の宣伝も頑張りたいところですが、面白い本の紹介もわんさか貯まっております。なかなか悩ましいですね。
▼倉下忠憲:
新しい時代に向けて「知的生産」を見つめ直す。R-style主宰。