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自分にとってしっくりくるスタイルを見つけるための4つのステップ



大橋悦夫Evernoteの整理をしていたら5年近く前の、ある方のインタビュー記事が見つかりました。その方のその後について調べてみたら、今もご活躍のようですので、改めてその「成功法則」を探ってみます。目指すところは「自分にとってしっくりくるスタイル」です。

1月3日に似たようなことを書いていますが、そのときは「テーマ」(何を)でしたが、今回は「スタイル」(どのように)です。

»自分にとってしっくりくるテーマを見つけるための4つの質問

きっかけは、Evernoteの整理をしていて目にとまった昔の記事。

» iPhoneアプリで食べていく――「ぐんまのやぼう」ができるまで – ITmedia ニュース

RucKyGAMESさんという、スマートフォン向けのアプリ開発者のインタビュー記事で、この記事が公開された2012年当時、「ぐんまのやぼう」というゲームのヒットで話題になっていました。

2017年現在もご活躍の様子。

» ラッキーゲームス / RucKyGAMES

このRucKyGAMESさんのスタイルが実に参考になります。

働きたくない、有名になりたくない

以下、記事内容のざっくりとしたまとめです。

  • 「早くサラリーマンの生涯年収を貯めて引退したいです。家賃収入で暮らすとか、あこがれます。働きたくないです、可能なら」
  • 「App Storeで一番アプリをリリースしている個人開発者」という地位を獲得しようと、「1カ月に最低1本作る」というルールを自分に課し、1カ月に1~5本のハイペースでゲームやパズルのアプリをリリースし続けた。
  • 無料アプリに広告を配信できるサービスの日本語版が出始めたころ。試しに「i大富豪LITE」に広告を載せたところ、1日当たりの広告収入が有料版の売り上げを超えた。ほかの無料アプリにも広告を載せてみると、長期的には有料版の販売金額より良い数字が出た。
  • 起業といっても、「もっと仕事がほしい」とか「上場したい」といった野望はなく、有名にもなりたくもないという。
  • 「有名になったら大変じゃないですか。アプリはこれぐらい売れなきゃとか、有名になったなりのハードルがある。そういうハードルをできるだけなくして、コケて当たり前でいたい。ひっそりしたいです」

これを読んで、共感する方もいれば、違和感を持つ方もいるかもしれませんが、ここで重要なことは、「正直なところ、自分がどうありたいか」です。

自分にとってしっくりくるスタイルを見つけるための4つのステップ

RucKyGAMESさんのインタビュー記事からエッセンスを抽出すると以下の4つのステップが浮かび上がります。

  • 1.自分にとって最も重要な価値観を明確にする
  • 2.自分でルールを決めて繰り返す
  • 3.いろいろやってみて様子を見る
  • 4.当初の価値観に沿っているか確かめ、必要に応じて価値観をアップデートする

1.自分にとって最も重要な価値観を明確にする

価値観を明確にする、とは重視したいことをひと言で言い表すとどうなるか、です。

RucKyGAMESさんの場合、以下のような発言がありましたが、

「早くサラリーマンの生涯年収を貯めて引退したいです。家賃収入で暮らすとか、あこがれます。働きたくないです、可能なら」

ひと言でいうなら「働きたくない」ということになります。

このとき、「こんな価値観は受け入れられないのではないか」とか「こんな風に考える自分はダメなんじゃないか」といったモヤモヤを感じるかもしれませんが、それはいったん保留にして次に進みます。

「正直なところ、自分がどうありたいか」が重要だからです。

2.自分でルールを決めて繰り返す

明確にした価値観を実現するべく行動を開始します。

このとき、やみくもに動くのではなく、仮説を立てたうえでこれを検証する形で動くようにします。

RucKyGAMESさんの場合、

「App Storeで一番アプリをリリースしている個人開発者」という地位を獲得しようと、「1カ月に最低1本作る」というルールを自分に課し、1カ月に1~5本のハイペースでゲームやパズルのアプリをリリースし続けた。

とあるように、「働きたくない」を実現するための第一歩は「App Storeで一番アプリをリリースしている個人開発者」という地位を獲得することではないか、という仮説を立てた上で、これを検証するべく動き始めています。

ただ、一朝一夕では実現できそうもない目標のため、「1カ月に最低1本作る」というルールを設定しています。これは、遠くにある目標を見失わないための良い方法で、おそらく週単位、日単位と、それぞれにより具体的な指標や手順があったのではないかと想像されます。

僕が考えるに、こういった手順の最小単位はレシピです。

何も考えなくても決められた手順にそって手を動かせば完了、というレシピを決めておき、あとはこれに沿うだけで済むようにすることで、毎日欠かさず確実に行動積み上げていくことができます。

このあたりについては以下の記事で書いていますのでご参考まで。

» 続く習慣を作るための初期設定
» 続けたい習慣は「儀式」にするとうまくいく

3.いろいろやってみて様子を見る

「App Storeで一番アプリをリリースしている個人開発者」という地位を獲得する、という目標は、しかし、最終ゴールではありません。あくまでも「働きたくない」という目的を実現するための手段の1つです。

従って、この目標達成だけがすべてではありません。

RucKyGAMESさんは、以下のように同時並行的にさまざまなトライアルを重ねています。

無料アプリに広告を配信できるサービスの日本語版が出始めたころ。試しに「i大富豪LITE」に広告を載せたところ、1日当たりの広告収入が有料版の売り上げを超えた。ほかの無料アプリにも広告を載せてみると、長期的には有料版の販売金額より良い数字が出た。

そういえば、『仕事は楽しいかね?』にも以下のような言葉が出てきますね。

成功する人たちはね、自分がどこへ向かっているかということはわかってない──ただ、遊び感覚でいろいろやって、成り行きを見守ろうと思っている。

» 仕事は楽しいかね?[Kindle版]


4.当初の価値観に沿っているか確かめ、必要に応じて価値観をアップデートする

このように、1.自分にとって最も重要な価値観を明確にする → 2.この価値観を実現するために自分でルールを決めて繰り返す → 3.いろいろやってみて様子を見る、という3つのステップを踏むことで、前提条件が変化しているかも知れません。

例えば、「働きたくない」を実現するための方法として、RucKyGAMESさんはアプリ開発を選択しましたが、その後の試行錯誤を経て、「もしかするとアプリ開発よりももっと自分に向いている方法があるかもしれない」と仮に感じていたなら、アプリ開発はやめて、別の方法を模索することになります。

あるいは、「働きたくない」という価値観がどうも今の自分が目指しているところからずれている気がする、と感じていたなら、価値観の見直しが必要でしょう。

実際のRucKyGAMESさんは、

起業といっても、「もっと仕事がほしい」とか「上場したい」といった野望はなく、有名にもなりたくもないという。

「有名になったら大変じゃないですか。アプリはこれぐらい売れなきゃとか、有名になったなりのハードルがある。そういうハードルをできるだけなくして、コケて当たり前でいたい。ひっそりしたいです」

ということで、「働きたくない」という価値観に加えて、「有名になりたくない」という方向性が出てきました。

ルービックキューブのように、最初はある一面だけ色を揃えるべく試行錯誤を重ねていくのですが、その過程で、別の面の色も同時に揃えたくなってくるような感覚に近いと感じます。

最初から全面の色を揃えようとすると抵抗を感じてなかなか手が出ないところを、まずは最も気になるある一面から揃え始めるわけです。



まとめ

ということで、自分にとってしっくりくるスタイルを見つけるための4つのステップでした。

  • 1.自分にとって最も重要な価値観を明確にする
  • 2.自分でルールを決めて繰り返す
  • 3.いろいろやってみて様子を見る
  • 4.当初の価値観に沿っているか確かめ、必要に応じて価値観をアップデートする

あなたにとって最も重要な価値観をひと言で言い表すとどうなりますか?