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あなたは誰のどんな困りごとを解決できますか?



大橋悦夫健康診断などでいつも感心させられるのは、採血時に素早く血管を探り当てたうえで、ほとんど痛みを感じさせることなく手際よく採血をやりおおせる看護師さんの手技(しゅぎ)。そこでふと興味が湧いたのが、看護師さんたちがこのレベルに到達するまでに重ねたであろう試行錯誤の中身です。そこで、調べてみました。

これはどんな仕事にも当てはまることだと思いますが、最初は失敗の連続でも、場数を踏んでいくうちに上達し、達人になっていくもの。

でも、採血のような、相手のある、しかも痛みを伴う仕事となると、失敗を重ねるのははばかられるでしょう。もちろん、痛みを伴うか否かに関わらず、仕事において失敗はないほうがいいのですが、看護師さんの立場を想像するに、相手にこれほどのリアルな痛みを与ええうる仕事というのはそうそうないので、「失敗したくない」という想いはひときわ強いと思うのです。

もし自分が新人の看護師だったとして、採血がうまくできずに悩んでいるとしたら何をするだろうか?

そう考えて、即座に「採血 血管 探し方」というキーワードで検索してみました。

すると、以下の記事がトップヒット。

» 採血をするときの良い血管の探し方を教えてください!|ハテナース

まず、「ハテナース」というサイト名を目にした途端に図らずも噴いてしまいましたが(個人的にはストライクなネーミングです)、すぐに「やっぱりこういうサイトがあるのかー」と感心させられました。

しかも、一般のQ&Aサイトではなく、サイト名からも窺い知れるように、業種特化型のQ&Aサイトです。

Qも、Aも、読みやすい

パッと見てすぐに驚かされるのは、Q(質問)も、A(回答)も、実に読みやすいことです。

Qは、以下のように「質問したキッカケ」と「質問したいこと」の二段構成になっているため、「どうしてそういう質問をしたくなったのか?」という背景がクリアになります。

このサイトを読むのは同じく看護師あるいは医療関係者でしょうから、「あぁ、私だったらこう答えるだろうな」などと、思わず答えたくなるのではないかと想像されます。



Aも、以下のように「ひとこと回答」と「詳しく説明すると」、そして最後に「おわりに」という三段構成。しかも、ラインマーカーまで引いてあります。

これらのラベルがあるおかげで、限られた時間内に抱えている課題を解決しやすくなるのではないかと感じます。



(…中略…)



いくつかQ&Aを見て回りましたが、いずれもこのフォーマットで統一されていました。

回答は誰が書いているのか?

特に医療に関わる情報を扱うわけですから、回答内容には信頼が不可欠。

よくあるQ&Aサイトのように、一般の方が回答を寄せているのかと思いましたが、それにしてはフォーマットがきちんとしすぎています。このクオリティを維持するのには医療の専門知識はもちろんのこと、相当な編集スキルが必要になるでしょう。

いろいろ調べてみた結果、このサイトのニュースリリースを見つけました。

» 看護師の悩みに専属の看護師ライターが回答!看護技術Q&Aサイト「ハテナース」がオープン|レバレジーズ株式会社のプレスリリース

2)全国の看護師の悩みを、レバレジーズ専属の看護師ライターがわかりやすく親切に回答

コンテンツの質を担保するため、現状では、ユーザーが自由に質問や回答を投稿することは出来ません。
当社が運営する現役看護師約7万人が利用する転職支援サービス「看護のお仕事」の会員から寄せられた質問に、当社専属の看護師ライターが回答します。

要するに、回答は専任ライターが書いているとのこと。リリース時点(2016年5月10日)では質問の一般受付はしていなかったようですが、現時点では投稿ができるようになっていました。

そうなると、ビジネスモデルはどうなっているのかが気になりますが、とりあえず今回はここまで。

まとめ

この「ハテナース」というサイトを見て思ったことは、今さらながら「人に聞けない、聞きづらい、誰に聞けばいいかわからない疑問」には確実な需要がある、ということです。

すでに自分にとっては当たり前のようにできていることについて、それができずに困っている人が想像以上にたくさんいるわけです。

この事実に気づけるかどうか。

そこで思い出したのが、『コンサルタントの対話術』という本の以下の一文。

営業とは、こちらの商品・サービスを売り込む行為ではなく、相手のお困りごととこちらの商品・サービスをマッチングするお見合いである。(p.101)

自分が何が得意なのか、どんな専門知識を持っているのかを明確にすること以上に、自分が誰のどんな困りごとを解決できるのかを明らかにすることが先決、というわけです。

このことは、ブログにどんなことを書けばいいのかを決めるうえでも外せないポイントだと考えています。

読んでいてちょっと耳が痛かったのが以下のくだり。

先ほども「コンサルタント病」という言葉を使いましたが、僕らみたいな職業の人は多かれ少なかれ「人にアドバイスがしたい」んです。こっちが知っていて、相手が知らないことをアドバイスしてあげたいんですよ。

「どうだ、すげえだろう」と相手に驚かれたり、感動されたい気持ちを僕らはどこかに抱えているんです。ただ、それは相手が求めていることとズレていたら意味がありません。(p.219)

確かに「すごいって思われたい!」と常に思っています(笑)。

そんな「どうだ、すげえだろう」という気持ちを抑えて、いかに相手(読者)の困りごとにフォーカスできるか。

もう一度、この本を読んで勉強し直します。

» 年間報酬3000万円超えが10年続くコンサルタントの対話術[Kindle版]