優秀な作り手は、作ったものをベネフィットで語る。
優秀でない作り手は、作ったものをスペックで語る。
「こんなにすごい機能がある」と言われるより、「こういう不満を解消できる」と言われる方が欲しくなる。
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だが待てよ、と私は考えた。その骨董品蒐集家はそのつぼの価値を十分知っているから買ったのだ。あれほど多額の投資をする正当な根拠が彼にはあった。私の先祖も骨董品や美術品の蒐集をしていた。テープレコーダーを売るためには、この製品の価値をわかってくれる個人や機関を見分ける必要があったのだ。
偶然通りかかった骨董屋で、私は目が開かれる思いがした。そして、売るためには、買い手にその商品の価値をわからせなければならない。やっとそういう結論に到達したとき、私は、自分がこの小企業のセールスマンの役割を果たさなければならないと考えた。私が販売のほうを受け持っても、幸い革新的な製品の設計と開発に全精力を傾けてくれる井深氏という天才がいる。(p.114)
» MADE IN JAPAN(メイド・イン・ジャパン)―わが体験的国際戦略 (朝日文庫)