そもそも「いつかやりたいこと」とは本当にやりたいことなのだろうか。
考え始めると深みにはまっていく。時間は限られているので、やりながら
「ああ、これが本当にやりたいことだったんだ…うん、間違いない、これだ!」
としみじみと実感できることを選びたい。やり始めてから「コレジャナイ…」という違和感を覚える無駄打ちを極力減らしたい。
このように考えるなら、試行回数を極限まで減らして、できれば一発で「これだ!」に到達したい。しかし、それは練習をいっさいせずにホールインワンを狙うようなもので、ごくまれに、たいした経験がないにもかかわらずビギナーズラックで決めてしまう人もいるが、その人に「体験記」を尋ねても、再現性は得られないだろう。
では、どうするか?
それは、一番手っ取り早い方法を、今すぐ始めてしまうこと。
では、何から始めればいいか。
いきなり行き詰まる。ゴールは見えているのにスタートが見つからない。
多くの人が「いつかやりたいこと」をなかなか始められない理由は、どこから始めればいいのかがわからないからではないか。
スタートは無数にある。どこから始めてもゴールさえ明確であれば前に進むことはできる。始めてみると当初思い描いていたゴールはたくさんあるゴールのうちの1つに過ぎないことがわかり、ほかのゴールを検討する余地が生まれる。
だから、とにかく始められるところから始めてみて、少しでもゴールの解像度を上げていく。
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人生のターニングポイントは、どのようにしてやってくるのでしょうか?
私は、長い間、何かとても大きな出来事が起きることによって、自分が変えられるのではないかと、漠然と考えていました。
たとえば、映画やテレビドラマのような「運命的な出会い」や「ドラマティックな冒険」が、ある日突然舞い込んできて、それらの出来事によって大きく成長するのではないかと考えていたのです。
しかし、本当のターニングポイントは映画やテレビドラマのように華々しくも、騒々しいものでもありません。朝の布団の中のように、誰も見ていない静寂な場面の中にこそあります。
ターニングポイントとは、当たり前の日常の中で、
自分で創り出すものなのです。日常の、一見小さな選択が、実は人生の決定的な瞬間となるのです。たとえば、毎朝ジョギングをしようと決心したとします。朝、布団の中で、起きてジョギングに向かうか、それとももう一度寝てしまうか、この選択が大きな分かれ道(ターニングポイント)なのです。(p.153)