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そういうものってどういうもの?

ストックホルムでは、タクシー運転手がいつも不足気味で、それがタクシーの台数不足、ひいてはタクシー待ちの長い行列(非常なイライラ)につながっています。一方で運転免許証のある、タクシーを運転できそうな失業者は大勢います。問題はタクシーカード(タクシー運転許可証)を持っていないことでした。

ストックホルムでタクシーカードを取得するには、市内はもちろん、周辺のほとんどすべての通りに詳しくなければなりません。難しい試験に合格する自信がなく、最初からあきらめてしまう人がほとんどです。そこで、「はてな(?)タクシー」を売り出してみてはどうでしょう。一見、普通のタクシーですが、タクシーカードを取得していない見習いドライバーが運転するものです。

「はてなタクシー」は予約を受け付けられません(指定の場所までたどり着けるかわからないので)。しかし、通りで拾えます。だいたいタクシーを利用する10回に9回までは、行き先も道順もわかっているものです。そんなときに利用しましょう。運転手に道順を教える代わりに、通常料金の8割で乗車できるというシステムです。

(中略)

これは、基本条件を排除してみると、よいアイデアが得られるかもしれないというたとえ話です。さて、もう1つの条件(車の運転ができる)を取り除くとどうなるでしょう。

『スウェーデン式 アイデア・ブック』より


当たり前だと思っている前提の一角を崩すことで新しい切り口が見えてくる、ということはある。さらに、前提をすべてひっくり返すと、予想のできない成果が生まれる余地も出てくる。

「仕方がない」「そういうものだ」「みんながやっていることだ」ということで検討せずにスルーしてしまっていることはないか?

子どもの質問に答えているうちに答えに窮して、つい「そういうものなんだよ」と答えたくなった時のことを想像して、自問してみる。

「そういうものって、どういうものなの?」

» スウェーデン式 アイデア・ブック