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その「好き」にスキはないか?

たとえば、あなたは組織間の調整業務を「得意」としているとします。しかし、新たな人生の中で本当にやりたい「好きなこと」は、多くの顧客に好きな商品を売り込む「営業」だったとします。

そのような場合に、上司はかなりの確率であなたに「調整業務」を期待します。上司だけでなく、あなたの周囲もあなたには「調整業務」を期待するものです。ここでもし、あなたが「周囲の期待に応える」ことを、キャリアのベースにするとしたら、あなたは一生「調整業務」で終わってしまうでしょう。

その結果、あなたの周囲は、「いいキャリアだった」と褒めてくれるかもしれません。しかし、あなた自身は営業という「好きなこと」は経験できずに終わってしまいます。

あなたは、こういうキャリアをどう思いますか?

『生まれ変わっても、この「仕事」がしたい』より


実際に仕事として年単位で取り組んでみたこともないのに「好き」と言えるのか、という話もあるが、それはここでは置いておく。

最初に入った会社がシステム開発を生業としていたにもかかわらず、学生時代からの延長で、「プログラミングより文章を書く仕事をしたい」などと面接で口走り、在職中はプログラムを作るのは「得意」だが、それ以上に仕様書などのドキュメントを作るほうが「好き」だったことを思い出した。

「文章を書く」と言っても、文芸なのかビジネスなのかという部分でまず大きく異なるし、自分の興味や関心を引くテーマで書くことが許されることもあれば、お仕着せのテーマで書かねばならないこともある。

実際にやってみたら「好き」だと思っていたことが「得意」なだけに過ぎなかったり、もっと「好き」なことが見つかったり、あるいは逆に「苦手」だと思っていたことがちょっとしたきっかけで「得意」に変わったり、「好き」に転じたり、といったことはありうる。

たとえ「調整業務」であっても、誰かの期待に応えること、応えようとしてみることは、自分の中に埋もれている「好き」とか「得意」を発掘するきっかけになるかもしれないし、すでに顔を出している「好き」の検証にもなりうる。

ともあれ、本当にやりたい「好きなこと」とやらが、どれだけ根の深いものなのかを自分できちんと把握しておく必要がある。

いろいろやってみて、そのうえでしばらく様子を見る、ほかはない。

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