前回の続き。
仕事に限らず、何ごとも計画を立てたり準備を進めたりという「前段階」は楽しいものです。なぜなら──少なくとも目の前の「仕事」に前向きな関心を持っている限りは──計画や準備というのは「やっている気分」が味わえるからです。それでいて、“汗”はかきませんからますますうっとりできます。ある種の陶酔感を覚えるわけです。
言うまでもなく、この陶酔感を打ち破らない限り成果を手にすることはできません。つまり、取りかからなければ始まらないわけです。
ということで、取りかかるためのコツをこれまでのシゴタノ!のエントリーから厳選し、4回に分けてお送りします
第3回の今回は「ついつい先送りしてしまう場合」にフォーカスします。
対策:「心の声」と対話する
タスクリストはストレートな表現で
同じ名前のタスクを毎日目にしていると、だんだんと先送りへの心理的抵抗が弱くなっていきます。「昨日も先送りしたしなー」という変にもっともらしい理由で自分を納得させてしまうからでしょう。
件名を見ただけで「あっ、読もう!」とすぐに開封して読み始めるメルマガと、「うわー、また来てる。まぁ、アトで読みますかね」と先送りしてしまうメルマガがあるのですが(さっさと解除すれば良いのでしょうが、何となくそのままにしてしまう)、ここでも似たような原理が働いているような気がします。
そこで、その日の仕事を終えて、翌日の予定を決めるときに、明日の自分が「どこから手をつければいいのやら…」と戸惑ってしまわないように、明日の自分(≒他人)の視点を想像して、やるべきことをストレートに表現してあげると良いのではないでしょうか。
分かりきっていることでも、それを思い出すための時間と手間が必要ですから、これを省くためにもあらかじめやるべきことを具体的にリストアップしておくと良いでしょう。関連して、以下の記事が参考になります。
» 連休明けに役立つ!朝のブートプロセス(株式会社RYUS スタッフblog) – XOOPS専門-株式会社RYUS
今日は11連休後の初営業日。
実は、朝デスクについてから「はて?何からはじめりゃ良かったっけ?」となり、つい「じゃメールでもみるか」ってなりそうだったんですが、「あっ!朝プロセス見りゃいいじゃん」って思いだして、なんとか通常通りのプロセスで無事通常業務にもどれました。
いつもやっていることでも、いつも同じようにできるように「自分なりの手順マニュアル」を用意しておくと、こういう時に役に立ちそうです。
以下の本の実践事例ですね。
考えさせない/考えさせる
ここからは、いちいち説明するまでもなく、分かり切った話ですがまずは、「フット・イン・ザ・ドア」で自分自身を説得する場合。
- さわりだけ少しやる
- ほんの短時間やる
- ほんの少しの区切りまでやる
というふうに、やる気のない自分を少しずつ説得していって、仕事に入らせてしまうわけです。
次に、「ドア・イン・ザ・フェイス」を使うならば、
- 原稿を修正
- いやなら、新しい企画の営業活動
の両方を自分で強くイメージし、やりたい方をやる。ここではちょっともとの「ドア・イン・ザ・フェイス」に手を加え、どちらをやってもいいことにします。
まとめると、次のようになります。
- 考えるひまを与えずに自分を行動に駆り立てる(フット・イン・ザ・ドア)
- 考えさせることで自ら行動に移させる(ドア・イン・ザ・フェイス)
先送りしそうになったら、どちらかのパターンの質問集を用意しておいてすかさず自問に入るといいでしょう。
自分に問いただす
» 「いつかやりたいことリスト」に「今だからやりたいこと」を入れない
少なくとも「いつかやりたいことリスト」になにかを入れたくなったら、
- 本当に「今でなくてもやりたい」と思うか?
- 本当に「今はできないこと」なのか?
の二点を問いただし、できるだけ「いつかやりたいことリスト」のアイテムを、減らしておこうと思います。
このエントリーでは、タスクを安易に「いつかやりたいことリスト」に放り込まないようにするための方法を紹介しています。具体的には、「今やっていること」にうまく“まとわりつかせる”こと。
僕自身も、ある仕事Aをしながら、ふと「そういえば締め切りはだいぶ先だけど仕事Bに使えそうなアイデアが思い浮かんだ!」となったら、すかさずメモするようにしています。
ここで書かれるメモは仕事Bのものですが、仕事Aをやっていたからこそ思いついたものです。つまり、仕事Bのことはすっかり忘れていたにも関わらず何かの拍子に「そういえば…」と思い出したわけです。
言うまでもないことですが、先送りというのは目の前にある仕事にしか有効ではありません。ということは、まだ目の前に立ちはだかっていない仕事について、それがまだ遠くにあるうちに少しでも着手できれば、先送りの口実を減らすことができるはずです。
そう考えると、先送りを防ぐためには、目の前にある仕事のことだけでなく、他に抱えている仕事のことをうっすらと意識しておくと良さそうです。「そういえば…」ということで部分的であれ手をつけられる余地が生まれるからです。
こうして“書き出し”部分だけであれ着手された仕事は、白紙の状態よりも取りかかりやすい(=先送りされにくい)はずです。
まとめ
「何か面白いこと言って!」というリクエストは無茶ぶりというものですが、「最近何か面白いことあった?」という質問なら、少しは考えてもいいかな、と思うでしょう。
人は質問をされると思ってもみなかったような答えが出てくるものだからです。人と話をするというのは、言うなれば質問を投げかけ合うことですから、一人でウンウンうなっているよりも豊かな時間が過ごせるはずです。
質問メイトがいないという方は、以下の本が相方になってくれるかもしれません。
以下、本書「はじめに」より
●この本の使い方
本書ではすべての項目は質問文になっています。最終的にすべての質問文にイエスと答えられることを目指します。その際、目次がチェックリスト代わりになるはずです。
ただし、方法を知るだけでは十分ではありません。そこで、本書では随所にその場ですぐにできるワークを用意しています。ペンを片手に、読んだそばから実際にやってみてください。そうすることで、本書を読み終える頃には、あなたは「効果が出るまで続けられる自分」に向かって歩き始めているはずです。