せっかく「いつかやりたいことリスト」を作っても、そのリストの項目をいつか見直し、実行に移すということは困難です。
「時間のできたときにやりたいこと」のリストも同様で、実際に時間ができたときにリストを見ても、なぜかその時にはどれにも手をつけたくなかったりするから、不思議です。
こういうことになる理由として、一番考えられるのが、「いつかやりたいこと」の中に、「不満を解消するための努力や勉強」が入ってしまっていることです。
たとえば、「会社の引き出しの整理」などは、会社で仕事をしていて、しかもそのことから不都合を感じた場合に、「いつかやりたいことリスト」に入ることになります。しかし、ひととおり仕事が終わってしまえば、もう引き出しがぐちゃぐちゃでも、いっこうに不満を感じません。
不満を感じていないと、その不満の種を解消しても、満足は得にくいものです。不満がなくなってしまえば、潜在的な満足も失うというわけです。
ちょうどこれは、真夏の暑い日に、「すぐにでもやりたいこと」として「氷水を飲む」と、書いておくようなものです。そのリストを真冬の寒い日に見直しても、そんなことをする気には少しもならないわけです。
非効率的なようでも私の経験からすると、人は必要と思ったその時にしか、必要なことに取り組めないものです。たとえば私自身、英文読解の勉強と、英会話の勉強をもっともしたのは、留学中でした。
理想は、そうではないのです。できれば、留学中は心理学の勉強だけに携わるのが最善だったので、英語の勉強はむしろ日本でやっておいた方が、効率的かつ経済的でした。
だから私は留学中、「日本に帰ったらやりたいこと」のリストとして筆頭に「英会話の勉強」がありました。でも、いったん帰国すると、どうも本腰を入れてやる気がしません。それではいけないのですが、でもそういうものなのです。
仕事をしながら、仕事の環境を整えたり、仕事に必要な勉強をしたり、仕事をラクに進めるためのスキルを磨いたりするのは、不経済なようでも、唯一選択できる方法のような気がします。
少なくとも「いつかやりたいことリスト」になにかを入れたくなったら、
・本当に「今でなくてもやりたい」と思うか?
・本当に「今はできないこと」なのか?
の二点を問いただし、できるだけ「いつかやりたいことリスト」のアイテムを、減らしておこうと思います。