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時間がたっぷりあると迷う

人によっては、まったく理解に苦しむことだと思うのですが、スターバックスで「本日のコーヒー」がうけるのはもっともなようです。いろいろなメニューの中から、どれか1つだけを選ぶのは、根拠に欠けることが多いからです。このように選択の余地が多すぎて迷うことを「選択マヒ」といいます。

会社に着いた直後や、連休の始まりなどに、どうしても迷いがちな理由もこの「選択マヒ」によるものです。なすべきことはたくさんあるし、どう片付けていくかの手順もたくさんあります。かりに4つの仕事を4つに区分した時間割(朝、昼、夕、夜)で片付けようとするなら、単純計算でも20通りを超える組み合わせがありえます。

実際には、あり得ない組み合わせも多いので、可能な仕事を処理する手順はもっと少ないものにはなりますが、最後の1ターム(つまり残業時間)にひと仕事を片付けるだけという状況(この場合には考えられる組み合わせは1通り)に比べれば、午前中に迷いが生じて当然です。

しかも、最初に選択した仕事が「思いの外」長くかかったりすれば、「せっかくの午前中一杯をかけた」のに、「1つも仕事が片付かなかった」というショックな事態を受けることになるので、午前中の仕事選びにはどうしても慎重になってしまいます。

私はこうして悩んでいる間にも時間は失われていくという、当たり前の事実を眺めているのがいい加減いやになってから、仕事版「本日のコーヒー」作戦をとるようになりました。午前中には、一番やりたい仕事をやるというものです。

そうすれば最悪、午前中に「1つも仕事が片付かなかった」という悲惨な事態に陥ったとしても、「でもまあ、したいことを今日は1つはしたんだから」と、自分に対する言い訳ができます。その後は、好きでもない仕事に追いまくられるという悲惨な事態が待っていますが、「でも今日は、自分のしたいことをやっちゃんたんだから」という言い訳で自分の心を防衛できるのです。

したい仕事を後回しにすると、最悪の場合それほど気乗りのしない仕事にたっぷり時間をかけた挙げ句、自分のしたい仕事は短時間で切り上げなくてはならなくなるという、私が考えるにたいそう好ましくない事態を招きかねません。一度こうした目に遭うと、今度はこのことに対する警戒心が強まり、ますます午前中の「選択マヒ」で煩悶することになります。

なんだかんだといっても、仕事には好き嫌いがあり、しかもどれが好きでどれがきらいかは、自分のなかではだいたいはっきりしています。ので、仕事版「本日のコーヒー」は、「一番したい仕事」ということになるわけです。