前回紹介したフレキシブルノート術には、二種類のノートフォーマットが存在しました。タイムラインノートと、スプレッドノートの二つです。
前者は、そのときどきの着想を捉えるためのもので、後者は、何か意識的に考えを進めるためのものです。今回は、このスプレッドノートの実際例をいくつか紹介してみましょう。
アイデア出し
一番よくやるのが何かについてのアイデア出しです。上記は電子書籍の表紙のアイデア出しを行っています。テキストベースで進めるならアウトライナーを使う手もありますが、こうしたイラストを含むものならば、手書きの方がやりやすいでしょう。
概念整理-着想
何かを思いつくには思いついた。しかし、それがもう少し広がりそうな気がする、という場合は、特別にページを割り当てて、膨らませていくのが吉です。実際にそれほど広がらなくても構いません。こうして特別なページを与えた、ということが一つの刻印となり、のちのちノートを見返したときに強い印象を与えます。
概念整理-読書メモ
本を読み終えて、なんとなくわかった気はするが、まだ漠然としている、というときは、本からキーワードを書き抜き、自分なりに「整理」してみるのがよでしょう。この場合の「整理」とは、綺麗に整えるということではなく、概念同士の関係性がどうなっているのかを自分の頭で確認する、というくらいの意味合いです。
情報整理-年表
一冊の本ではなく、複数の本からの情報を整理する場合は、それぞれの本からキーワードを抜き出して、一つのページにまとめてしまうやり方があります。このページではそれを年表作りとして実現しています。
情報整理-企画案
ノートに付箋を組み合わせれば、極上の情報整理ツールとなります。上記では、自分がこれからどんな企画案を進めていくのか、具体的な段取りはどうなるのかを付箋を使って整理しています。どのような対象でも構いませんが、情報を「あっちにやったりこっちにやったり」する場合は、付箋を使うのが良いでしょう。その際、できるだけ形の違う付箋を多く持っているとなおさらGoodです。
さいごに
ご覧のように、このフレキシブルノート術では、普通のノートを使うノート術(≒ノート記述法)なら、あらゆるメソッドを取り込むことができます。世の中にはたくさんのノート術が開発されていますので、そうしたものを必要に応じて使い分けるのが、フレキシブルノート術の一つの肝と言えるでしょう。
慣れないときはタイムラインノートを中心に、慣れてきたらノート術を学んでスプレッドノートを多めに、と使用者のノート習熟度に合わせて使い分けられるのもこのノート術の長所かもしれません。
少し厚めのノートと縦線を引ける物差しか下敷きがあれば誰でもできますので、ぜひ試してみてください。
▼今週の一冊:
なかなか挑発的なタイトルです。とは言え内容は「正当」な本の読み方の紹介と言えるかもしれません。もちろん何を持って「正当」とするのかの問題はありますが。教養的な本の読み方に興味があり、かつそうした情報にこれまで一度もアクセスしたことがないならいくつかのヒントが見つけられるかもしれません。
▼倉下忠憲:
新しい時代に向けて「知的生産」を見つめ直す。R-style主宰。
» ズボラな僕がEvernoteで情報の片付け達人になった理由