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ブログを続ける上での3つのココロガケ

By: photosteve101CC BY 2.0


倉下忠憲明けましておめでとうございます。新年一発目の「R25世代の知的生産」です。

だいたいこの時節は「新しい年の目標を」系のエントリーが増えるので、きっと多くの方が今年の目標を立てられていることでしょう。その中には「ブログをもっと更新する」とか「人気ブロガーになる」という目標も入っているかもしれません。

確かに、ブログを書くことで得られるものはいろいろとあります。時間の投資先としては悪いものではありません。自分で考えたことを書き出し、それを残しておける(検索可能にする)ことのメリットは長期的な視点で振り返るとよくわかいります。また、それが他の人に読まれることによって何かしらの影響を与えるという点も見逃せません。

しかし、「更新を続けよう」と思ってもなかなか続かないのがブログです。

今回は、ブログを続ける上で役に立ちそうな私のココロガケを3つ紹介してみます。

具体的な更新目標を決めてしまう

「ブログをもっと更新する」という目標の、「もっと」ってどのぐらいでしょうか。結構あやふやです。あるいは「できるだけ更新する」というのも、何も言っていないに等しいです。

こういう曖昧な表現だと、目標を立てたばかりの「熱気」の高いうちは一日に何回もガーッと更新して、熱が冷めてくるうちに更新も途絶える、ということになりがちです。

熱気が高いうちにやることは、更新頻度を上げることではなく、更新目標を決めてしまうことです。言い換えれば、自分自身と締切りの約束を交わしてしまうことです。締切りの頻度の設定は、手持ちの時間によって変わってくるでしょう。毎日1エントリーや、毎週土曜日更新などいろいろ考えられます。

とりあえず、熱気が高いうちは、書きたいネタがいくつか見つかるはずなので、何回か分の「締切り」をクリアできるネタのストックは作れるでしょう。そのネタのストックがあれば、熱気が下がってきてモチベーションによどみが感じられるときでも、更新作業の心理的ハードルを下げることができます。

※熱気が下がってきて、書くネタが無いと更新が止まる、という事態を回避できるということ。

「大リーグボール養成ギプス」ではありませんが、ブログを更新することが体に馴染んでいない間は、ある程度の「義務」を自分に課した方が良いかもしれません。ブログを更新するのに慣れてきたら__日常からネタを発掘し、それが書きたくて仕方が無くなってきたら__「締切り」うんぬんの縛りは外しても問題ないでしょう。

当然、自分で決めた「締切り」は手帳なりカレンダーアプリなどにスケジュールとして記録しておくのが良いです。それを見れば「何かネタを探さないと」という気持ちが湧いてきます。

ネタをどん欲に探し、ストックしておく

先日大橋さんが次のようなエントリーをあげておられました。

SH007:心配とプレッシャーをなくすためにリストを作る

考えながら手を動かす同時進行作業は、地図を確認せず当てずっぽうに森の中を歩き回るようなもので、運が良ければさっさと抜け出せますが、そうでなければ同じ所をぐるぐる回り続け、しかもそれに気づかず時間と体力を消耗するばかり、ということになりかねません。

ブログを書く場合も同様で、「よし、これからブログの更新をしよう」と思ってから「何を書こうかな~」と考え出すとだいたい疲れる結果になります。それに時間もかかります。毎回毎回そんなことをしていたら、ブログの更新が嫌になってくるのはあたりまえかもしれません。

これには「ネタ帳」を持っておくのが一番の対応策です。もちろん、メモ帳を買えばそれだけで「ネタ帳を持った」ことにはなりません。日常的にネタを探す視線を持って、見つけたネタをそこにストックしておいてこその「ネタ帳」です。

おそらくこの「ネタ帳」の有無だけでも、ブログの更新しやすさはずいぶん変わってくるのでしょう。

すごい人になりたい気持ちを抑える

だいたい、「ブログを書こう」というモチベーションは、<すごいブロガー>に対するあこがれから生まれてくることが多いでしょう。

しかし、その「あこがれ」が足を引っ張ることがあります。更新頻度であったり、文章の量や質であったり、扱っているネタの斬新さであったりと、初心者と<すごいブロガー>の差は結構大きいものです。これはもう単純にこなしている場数が違うのだからどうしようもありません。

しかし、<すごいブロガー>のブログのようでないとブログではない、という気持ちが頭を支配すると、更新の手が止まってしまいます。このあたりは100%開き直るしかありません。「It’s my Blog」と。

もちろん、オリジナルなブログ、斬新な記事、面白い視点などを提供したいというココロザシは大切だと思いますが、それも更新してこそ、です。その手が止まってしまうような気持ちが潜んでいるのならば、眠らせておいた方がよいでしょう。

さいごに

今回は、ブログをゼロベースでスタートする人に役立ちそうなココロガケを紹介してみました。

何にせよ、楽しく続けられるのが一番です。なので「大リーグ~」的なノリがちょっとな・・・という人は「締切り」とは別のアプローチを模索した方が良いかもしれません。

ただ、「書きたい」と思ったときが「書ける」ときとは限らないので、ネタ帳を持っておくのは必須だと思います。

▼関連エントリー:

SH007:心配とプレッシャーをなくすためにリストを作る 

▼今週の一冊:

先月に読了した本ですが、面白かったので紹介しておきます。

何の本か、とひとくくりに紹介するのがなかなか難しい内容です。タイトルからすると組織論のようにも感じますが、話題はもう少し多様です。

本書は「私たちはこんなに頑張っているのに、なぜ成果に結びつかないんだろう?」「どうしてこんなに馬鹿な人が組織のリーダーになっているのだろう?」という二つの問題がテーマになっています。

この二つはまったく関係ないようにも思えますが、組織の中に存在する「機能しないリーダー」と、自分自身への「リーダーシップの欠如」という点で、関連性が見えてきます。言い換えれば、組織をマネジメントする方法論と自分自身をマネジメントする方法論にはある種の共通点があるということでしょう。

たとえば「ビジョン」というのは組織を動かす大きな力になりますが、これは「何かを捨てる」という選択を生み出すものでもあります。

ビジョンとは、そういう難題に対して何を優先し、何を後回しにするのかという優先順位を決める物差しであると言えます。逆に、優先順位を規定できないビジョンというものは存在しません。

同じように個人の生き方でも自分の中で大切なものを決めれば、大切でないものを切り捨てることにもつながります。お金の使い方、時間の使い方について「何をする」だけではなく「これはしない」と決めることができるのがビジョンの機能なわけです。

本書を読みながら、現代におけるセルフマネジメントの重要性を改めて認識しました。


▼編集後記:
倉下忠憲



年末進行とはまったく関係ないところで、筆が進んでいません。不調な時期、というやつかもしれません。今週いっぱいかけて、ぼちぼちペースを戻していきたいところ。MacBookAirを新調したのと、不調に何かしら関係が・・・あったりはしないと思いますが・・・。


▼倉下忠憲:
新しい時代に向けて「知的生産」を見つめ直す。R-style主宰。