17個はあまりにも多いので、5つのグループに分けました。
世界に通用するコミュニケーション
1.こちらの気持ちを相手に察してもらおうとしていないか?(p.24)
2.上下関係に頼っていないか、あるいは諦めていないか?(p.34)
3.空気を読みすぎて身動きが取れなくなっていないか?(p.43)
4.伝えたいことを「テキスト化」して表しているか?(p.66)
世界に通用する決断
5.判断の基準を、周囲がどうしているかではなく、自分がどうしたいかに置いているか?(p.74)
6.考える前に行動しているか、少なくとも行動しようとしているか?(p.88)
7.やる前に考えすぎていないか?(p.124)
8.「チャンス!」とあらば、すぐに動き出せるか?(p.159)
9.前例がないことを理由にチャンスを見送っていないか?(p.188)
世界に通用する戦術
10.与えられるのを待っていないか?(p.152)
11.緊張感(不安定)を避けて、安心感(安定)に逃げ込もうとしていないか?(p.136)
12.自分にしかできないことを追究しているか?(p.94)
世界に通用する戦略
13.今いる「次元」に留まったままで何とかしようとしていないか?(p.108)
14.あらゆる変化を自分に必要な「新陳代謝」として受け入れているか?(p.148)
15.長期的視野に立ってネットワークを育てているか?(p.166)
16.今やっていることは「人に負けない分野」を作ることに貢献するか?(p.182)
世界に通用する生活習慣
17.朝から仕事をしているか、あるいは夜中まで仕事をしていないか?(p.202)
以上、『自分をグローバル化する仕事術』より。
世界に通用する自分になるために
通常は、1冊の本のポイントというのは、せいぜい8個程度にまとめられるものなのですが、本書の場合はまとめ切れずに17個になってしまいました。それぐらい中身が濃いです、世界に通用しない今の僕にとっては。
もちろん、内容的に重なる部分もあるのですが、異なる“切り口”や異なる“フレーム”で語られているため、行動に落とし込もうとしたときに「別物」になってしまうのです。
例えば、以下の2つは一見すると似たようなことを言っているように見えます。
6.考える前に行動しているか、少なくとも行動しようとしているか?(p.88)
7.やる前に考えすぎていないか?(p.124)
6.は行動を起こすことについて「直感を信じる」という“切り口”から語られており、個人の“フレーム”に収まる内容です。
一方、7.は行動を起こしたことで得られる「苦労体験」という“切り口”に焦点が当てられ、同じような苦労をした人とその体験を分かち合うことによって、強固なネットワークが得られる、という人間関係の“フレーム”に拡張されています。
前者は「ビフォー行動」に、後者は「アフター行動」に、それぞれ力点が置かれていると言い換えることもできるでしょう。
突き詰めれば「即断即決で行動せよ」ということなのですが、異なるアングルからその意図とメリットを語ることによって、読者の頭の中にイメージが立体的に浮かび上がってくるのです。
ちょっと毛色が違いますが、『ブッタとシッタカブッタ』という本を思い出します。「ある一面だけを見て全体を分かったつもりになるな」という教訓めいた話が出てくるのですが、『自分をグローバル化する仕事術』においても、同じポリシーを感じます。
今回取り上げた17個のチェックポイントいずれにおいても、目指すべき着地点を狭く絞り込んだ上で、一直線にそこに向かって降下していくという行動指針が貫かれています。そして、これらを束ねる、本書が全体として指し示している“北極星”は、「世界に通用する自分になる」ことでしょう。
しかも、3年以内に、です。
以下、「はじめに」より。
ビジネスのグローバル化が進むなか、今、世界共通の仕事ルールが確立しています。
3年以内には、日本でもこの新しいルールが完全適用されるようになるでしょう。今のうちに新ルールに沿った仕事のやり方を身につけておかないと、ビジネスパーソンは十分な活躍ができないどころか、大きなマイナスを負うことになるでしょう。
20のルール、残る3つは?
本書は全部で20のルールが紹介されているのですが、僕自身がそこからチェックポイントを引き出すことができたのは17個。
残る3個については、うまくチェックポイント化できませんでした。これはひとえに、僕自身の不足点であり、今後の仕事を通して補完していくべき課題となりました。
そんなわけで、今回ご紹介した17のチェックポイントはあくまでも僕の見方を通したものになっています。当然、バイアスがかかっています。また、同じ一文であってもそこから得られる情報量はまったく違います。
例えば、「前例がないことを理由にチャンスを見送っていないか?」という問いは僕自身が本書の内容を思い出すためのトリガーになるように考えて書いたものです。それゆえ、本書を読まずにこの一文だけを見た人よりも多くの情報を思い出すことができるわけです。
従って、実際に本書を読んで、自分にとって思い出しやすいトリガーとなる問いを作ることをおすすめします。
問いを作り、これに答えるべく努力をする。そうして初めて世界に通用する自分に近づけるはずだからです。
僕自身も含めて「今のままではダメだ」「何とかしなくては」という得も言われぬ焦燥感を抱きながら日々を過ごしている人にとって、本書は力強くかつ歯切れ良く背中を押してくれる一冊となるでしょう。
余談ですが、僕自身、この本を読む直前に、ある人からお誘いいただいた「海外案件」があったのですが、急な話であり、また自分にとって未知の話でもあったため、迷っていました。でも、本書を読んで、とりあえず受けてみることに決めました。
最後に本書の中で印象に残ったたくさんの言葉の1つをご紹介。
戦略とは周りに流されないことです。(p.94)
▼次にすること:
・『自分をグローバル化する仕事術』を読んで、自分なりのチェックポイントを引き出してみる。
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